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ILC: 国際リニアコライダー
直線型の衝突加速器ILCは、地下100メートルに設置される全長30キロメートルにおよぶ巨大実験施設です。
電子銃から、電子のビームが生成され
その電子ビームから、電子の反粒子である陽電子がつくられます。
電子ビームは「ダンピングリング」でナノメートルのレベルに整えられ
粒子測定器の中で衝突。新しい粒子がつくり出されます。
粒子の測定には、2台の測定器「SiD」と「ILD」を使用。
測定器を入れ替えて交互に測定を行う「プッシュプル方式」が初めて採用されています。
加速器トンネルの中に連なるのは「クライオモジュール」と呼ばれる黄色い大きな魔法瓶。
内部をマイナス271度の極低温に保つことができます。
クライオモジュールの中には、超伝導加速空洞がずらりと並びます。
その数は、1万6千台にも及びます。
極めて純度の高いレアメタル「ニオブ」からつくられている超伝導空洞はILCの心臓部です。
電子ビームと陽電子ビームは、超伝導空洞の中で光の速さの99.9999999999パーセントという超高速まで加速されます。
加速されたビームは粒子測定器へと向い、その中央で正面衝突します。
衝突した電子と陽電子はエネルギーに姿を変え、新たな素粒子を産み出します。
それはちょうど宇宙が誕生したビッグバンの再現です。
粒子加速器はその様子をもらさずキャッチ。宇宙誕生の秘密を解き明かしていきます。