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むかし むかし ある ところに、 まずしい こなひきの おとうさんと 三人の むすこが すんで いました。
いくら はたらいても たべるのが やっとで、
ざいさんと いえるものは、 こなひきごやと ロバと 一ぴきの ねこだけでした。
ですから、こなひきの おとうさんが びょうきで しんだとき、のこされたものを わけるのは、とても かんたんでした。
いちばん上の むすこは、 こなひきの こやを
まんなかの むすこは、 こなを はこぶ ロバを もらいました。
そして、すえの むすこに のこった ものは、 ねこが 一ぴきだけでした。
チェッ! どうして ボクは、ねこだけなんだ?! これでは、こなひきの しごとも できないし、
かわを はいでも うれやしない! ボク ひとりだけ そんを した!
そんなに しんぱい しニャイで・・・。 まぁ、おききなさい! ご主人さま!
まぁ、わたしに まかせて くれませんか? わたしに 大きな ふくろと、 ながぐつを ください。
そうすれば、この わたしは、あなたが おもって いる ほど わるい わけまえでは、 ないと いう ことが、わかりますよ!!
むすこは、ねこが しゃべるのをきいて おどろきました。
でも、このねこがかしこい ことを まえから しって いたので、なにか かんがえが あるのかと おもい、いう とおりに して やりました。
ながぐつを はいた ねこは、 二本足で 立つと、大きな ふくろを かついで 森の おくへと いきました。
ねこが やって きたのは、 うさぎが たくさん いる 森でした。
さぁ、さぁ・・・ふくろに うさぎの だいすきな エサを いれて 、 かくれて いよう!
きっと うさぎが かかりますよ! ニャン!
いまだ! エイッ! すっごいぞ! やったぞ! こんな 大きな うさぎ みた ことない! ニャニャンのニャン!
ねこは、かりがうまく いったので、 おおよろこび しながら、 まっすぐ 王さまの おしろへ むかいます。
ほう、ほう・・・、これは、 りっぱな おおうさぎだ!
カラバこうしゃくの いいつけで、 王さまに おくりものを もって まいりました。 ニャニャンのニャン!
カラバこうしゃくって だれでしょう? そんな人、ほんとうは、いないんです。
それは ねこが すえの むすこに かってに つけた 名前でした。
そうで あったか!!
つぎの日、ねこは、とうもろこしばたけへ いきました。 ふくろの 口を ひらいて とうもろこしのかげに かくれて いて、
とうもろこしを たべに きた とりを つぎから つぎと つかまえました。
ねこは、つかまえた とりを ふくろに いれると、また また、 おしろへと いきました。
ほう・・・・! こんどは ふとった とりの おくりものか・・・。 ごくろうであった。
カラバこうしゃくに くれぐれも、 よろしく つたえるように・・・・。
王さまは、ひげを なでながら いいました。 そして、たくさんの きんかも くれました。
ある日、王さまは、 おひめさまを つれて、 川へと でる ことに しました。
ねこは、また また さくせんを かんがえて います。
さぁ、さぁ、いま すぐ、 川へ いって ください! ニャン!
さぁ、いそいで、ふくを ぬいで! 川で およいで いるだけで、しあわせを つかむ ことが、できますよ! ニャン!
すえの むすこは、あたまを かしげ ながらも、 川へ はいって いきました。
王さまの 馬車が とおりかかった とき、 ねこは、大きな こえで さけびました。
たいへんです! たいへんです! カラバこうしゃくが、たいへんです!
カラバこうしゃくが、川で およいで いる あいだに、 とうぞくに、きものも くつも なにから なにまで ぬすまれて しまいました!
王さま! どうぞ、おたすけ ください! ニャン!
なに?! カラバこうしゃくが?! よいか、すぐに いって、カラバこうしゃくに にあう りっぱな ふくを もって くるのだ!
むすこは、きぞくの ように りっぱに 見えて、王さまも、 おひめさまも、もう、うっとりです。
しめしめ・・・わたしの おもった とおりに なって きた ニャン!
ねこは 小さな こえで いいました。
どうです? カラバこうしゃく・・・・ わたしの 馬車で いっしょに さんぽを しませんか?
よ〜し! うまく いったぞ! つぎの さくせんだ!