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晴れりゃ焼け土 雨降りゃ沼地
駒も喘ぐよ 野はただ広い
さぞや辛かろ 千里のかなた
燃えて真っ赤な 夕陽が落ちる
せめてひと時 木陰を宿に
水もやりたい 介抱もしたい
なびくたてがみ やさしく撫でりゃ
流す汗さえ 湯水の熱さ
茂る高粱 風さえ落ちて
丘の彼方にゃ 片割れ月夜
手綱引き締め はるばる行けば
遠い故郷が 瞼に浮かぶ
さぞや今頃 故郷じゃ父母が
待っているだろ 前線だより
駒よ明日は お前と俺で
きっと手柄を 立てようじゃないか