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新型インフルエンザが、世界的に大流行する 可能性があると言われています。
大半の人が免疫を持っていないため、 流行すれば一気に拡がってしまう、
大変恐いものというイメージがありますが、 日頃の予防や大流行になった時の対処法には
どんなものがあるのでしょうか。 今日は専門家のお話を伺いながら、
新型インフルエンザウイルスから身を守るには どうすればいいのかをご紹介しましょう。
先生、早速ですが新型インフルエンザとは どういうもの何ですか。
A型インフルエンザウイルスが変異して出現し、 人から人へと感染する、人類が免疫を持たない
インフルエンザウイルスのことです。 新型インフルエンザはまだ発生していませんが、
ひとたび発生すれば、世界的大流行を 引き起こす可能性があります。
そのため近い将来、必ず新型インフルエンザが 大流行するという前提のもとで、
現在対策が進められているのです。
恐ろしいですね。 私たちは一体どのように対処すればいいのでしょうか。
この新型インフルエンザから身を守るポイントは、 大きく3つあります。
この3つのポイントを理解して正しく、 実践すればそんなに恐がることはないのです。
また、インフルエンザは低い気温と低い湿度の環境を 好む性質を持っていますから、
空気が乾燥している冬場は特に注意が必要です。
新型インフルエンザから身を守るポイントは、 まず感染のしくみを知ることです。
新型、季節型を問わずインフルエンザウイルスは 飛沫感染、つまり咳やくしゃみなど、
ウイルスを含んだしぶきが飛び散り、 それを口や鼻から吸い込むことによって、
体内に入り込みます。 そして、口や鼻から吸い込んだウイルスが体内で
増殖することで、インフルエンザを発症するのです。 その際、ウイルスに対して体が強く反応するため、
高熱や関節痛、筋肉痛といった全身症状が現れます。
つまり、ウイルスを吸い込まなければ 感染しないということですね。
でも、目の前で咳やくしゃみをされたら 防ぎようがないですよね。
そのとおりです。ちょっとこれをみてください。
これは、咳やくしゃみのしぶきがどのくらい
飛び散るのかを特殊撮影したものです。
このように咳き込んだとき、
しぶきはおよそ2mにわたって飛び散ります。
しかし、水分を含んでいるため2m程までで
地面に落下してしまうのです。
つまり、咳をした相手から2m以上離れていれば、 インフルエンザウイルスを吸い込む
可能性は少なくなります。
また、マスクを着用するとこのように 感染している人からのウイルスの飛散を、
かなり防ぐことができますし、 周囲の人は口や鼻からウイルスを、
吸い込む可能性も低くなります。
なるほど、マスクをしていれば相手に
インフルエンザをうつすことがないばかりか、
周囲の人にとってはインフルエンザにかかる危険性も
低くなると言うことですね。
インフルエンザウイルスは飛沫感染だけでなく、 接触感染といってウイルスが付着した手や指、物などに
触れることで間接的に感染することもあります。
例えば、インフルエンザに感染している人が 口に手をあてて咳をしたとします。
その手で、電車のつり革やドアノブ、 電話の受話器などに触れると…
それに触れた他の人の手や指にも ウイルスが付着しますよね。
そのとおりです。インフルエンザウイルスが 付着していると知らずにその手で、
目をこすったりすると飛沫感染と同じように ウイルスに感染してしまうことがあるのです。
では、どのように接触感染が起こるのか、 ウイルスの代わりに蛍光剤を付着させて
特殊撮影した映像を使ってご説明しましょう。
インフルエンザウイルスが付着した手で
ドアノブに触れると、ウイルスがついてしまいます。
そのドアノブに他の人が触れると、ウイルスが手に 付着することがおわかりいただけると思います。
この手で目や鼻をこすったりすると、粘膜から ウイルスが体内に侵入してしまうことがあるのです。
なるほど、ではどうやって接触感染を 防げばいいのでしょうか。
それは簡単です。きちんと手洗いをして ウイルスを洗い流せばいいのです。
インフルエンザウイルスは皮膚から直接体内に
入ることはありませんから、
顔に触れる前にきちんと手洗いをすれば
接触感染のリスクを減らせます。
また、感染している人もこまめに手を洗うことで
周囲の人にうつす可能性を減らしましょう。
つまり、頻繁に手洗いをする習慣を 身につけることが大切なんですね。
新型インフルエンザが流行してきたら、まず 人混みや繁華街への外出を控えることが大切です。
人混みには、新型インフルエンザウイルスがいる 可能性が高いからですね。
そのとおり。インフルエンザウイルスのあるところに 行かなければ感染することはありません。
ですから、インフルエンザウイルスに近づかないこと、
つまり外出を控えることが一番の予防法といえます。
やむを得ず、外出して人混みに入る可能性がある場合は
必ずマスクを着用するようにしましょう。
ただし、マスクを着用しても人混みに入る時間は
できるだけ短くすることが大切です。
また、人の多い場所を避けるとか
時間をずらすことも考えましょう。
手洗いは手や指に付着したインフルエンザウイルスを 取り除くのに有効な方法であり、
感染予防の基本といっていいでしょう。 それでは、正しい手洗いの方法をご紹介しましょう。
まず、水で手を濡らし石鹸をつけてよく泡立てます。
手のひらを洗い、次に手のひらで
手の甲を包みように洗います。
爪や指の間、親指の回りなどもよく洗いましょう。
手首も忘れずに洗いましょう。
最後に水で洗い流し、清潔なタオルなどで
よくふき取って乾かします。
だいたい30秒が目安です。
帰宅後はもちろん、咳やくしゃみをしたあと、 トイレ使用のあと、調理や食事の前など、
こまめに行ってください。
手洗いは新型インフルエンザに限らず、
その他の感染症の予防にも有効です。
日頃から習慣づけるようにしましょう。
この咳エチケットってどういう意味かわかりますか。
他の人にうつさないように、 咳をしようということですか。
大体そういう意味です。
詳しく説明すると咳やくしゃみがでたら、
他の人にうつさないためにマスクを着用する。
マスクを持っていないときは、
ティッシュやハンカチなどで口と鼻を覆い、
他の人から顔をそらして1m以上
離れてしようということです。
鼻汁や痰などを含んだティッシュは
そのまま放置せず、すぐゴミ箱に捨てる。
咳やくしゃみを手で覆ったら、手を石鹸で丁寧に洗う。
これも咳エチケットの一つなんですね。
家庭や職場でマスクをせずに咳をしている人がいたら、
マスクの着用をすすめたいですね。
新型インフルエンザが世界的に流行した場合、 大きな健康被害がでるものと予想されています。
こうした場合、新型インフルエンザの患者数が 医療機関の診療体制の限界を超えたり、
医療従事者が感染したりして、
医療機関が十分機能しなくなることも考えられます。
また、交通や物流などライフラインにも影響が及んで
社会全体の機能が低下する可能性もあります。
新型インフルエンザの被害を
できるだけ小さくするために、
国や自治体はワクチンの製造や備蓄、
抗インフルエンザウイルス薬の備蓄などを行っていますし、
発生初期には、学校の臨時休校、流行がひろまったら
患者の自宅療養といった流行状況に応じた
対策をとることにしています。
なるほど、私たちも新型インフルエンザに関する
正しい知識を持ちマスクや手洗いを習慣づけ
流行したときに備えましょう。
流行した場合、外出を自粛せざるを得ない状況も
予想されるため、一人、20~25枚程度のマスクの他、
2週間分の食料や日用品を
備蓄しておくといいでしょう。
また、大流行になっても、医療機関への受診は 慎重に行いましょう。
いきなり病院に行くのではなく、
まず地元に設置される発熱相談センターに
電話で問い合わせ、正しい情報をもとに
冷静に行動することが大切です。
備えあれば憂いなし。今日から早速、始めてください。
一人一人の心構えが新型インフルエンザから 自分を、家族を、社会を守ってくれるのです。