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まずは単に銀行がどのように運営されているか
最もシンプルな例を紹介します。
それでは私が起業家だとして、
世の中では問題が山積みになっていると仮定しましょう。
私の周りには秀でた能力を持つ人々、例えば
医師、弁護士、エンジニア、建設作業員など
の技能者がいるとします。
彼らはお互いにサービスを提供し、
稼いだお金を貯蓄します。いいですか?
彼らは稼いだお金を
自分の家の裏庭に
そうやって稼いだ先からどんどん裏庭に集めていきます。
庭に埋まっている「お金」は当然何も生みません。
貯蓄をしている人はモノやサービスを誰かに提供することで
他の人から対価を受け取ります。
支払われる対価は、将来あなたが必要なモノやサービスを
購入できることを約束する金の延べ棒であったり、
緑色の紙幣であったりするわけです。
このように、私が貯蓄に使っているお金はとても便利なものです。
ひとまずこのお金を裏庭のマットの下にでも入れておきましょう。
ここに書いたマルを貯蓄として、
ここに書いたマルが起業家たちの
アイデアや企画だとします。
すると彼らは、「もしあなたがー」
ーと、その前にここに
「企画」と書いておきましょうか
例えば他に起業家がいるとして、
その人があなたに
「私は資源も施設も持っていないのだけれど、」
「素晴らしいアイデアを持っているんだ」と言ってきました
たくさんの人を雇って
運河を建設することができれば
年間を通じて作物の収穫を増やすことができる
そうやって食べ物の生産量が増えれば、もっといいモノやサービスを
充実させることができると思うんだ
でもどうやってたくさんの人を雇って
働いてもらおう?
そりゃあ、将来作業が終わったら
増えた食べ物を分け与えることはできる
けど、それじゃあみんな働いてくれないよね
何かよほど自分たちの利益になると
約束されてれば別だけど
さて、ここで興味深い問題があります。
この場にはモノやサービスをすでに世に提供して
世の中から十分な
装飾品- まあ金貨とか紙幣とか
この場では金貨ということにしときましょうか
いい機会なので、この場でハッキリさせておきますが、
あたかも金は特別で
富の象徴で、紙幣は
富の象徴ではないかのように扱われる事が多いです。
しかし、それは正確ではありません。
金にはキレイという以外
とりたてて他に使い道が
あるわけではないからです。
まあ実際、数が少ないという意味では貴重ですが。
一方で紙幣はキレイとは言えませんが、
金より軽いし、なにより
代替が簡単です。
常日頃から感じることですが、皆さんどういうワケか
金が紙幣よりも優れていると思っていらっしゃるようです。
この件については、「インフレとデフレ」について話すときに
金の量にかぎりがあるということと、
紙幣は印刷できるということと一緒に説明します。
ま、これは後でまた出てきます。
現代では、お金はこの緑色の紙幣に取ってかわっているわけですが、
ここではあえて現代より原始的な文化、
すなわち金貨を紙幣の代わりに使っているという前提で話をしましょう。
人々はそれぞれ得意とする分野でモノやサービスを提供して
対価として小さなコインを報酬として受取ります。
この社会ではコイン一枚を誰かに譲渡することで
コインを渡された人はその対価として
モノやサービスをコインの持ち主に提供するという
原則が成り立っています。
では、一体何枚コインを渡せば人は具体的に
行動してくれるのでしょうか?
それは需要、供給、価格などのルールに基づいて決められます。
こういうプロジェクトは、私が
働いてくれる人を集められれば
それだけで有益な富を産み、
運河も出来ます。
じゃあ、どうすればいいのでしょうか?
私が金やコインを持っていれば
誰かにそれを渡せば運河の建設に
協力してくれるでしょうし、私はその運河を使う
人にお金を払ってもらうことで、
利益を生むことができます。
問題は、具体的にどうやるかです。
そこで、ここにいる人々から必要なものを借りてみましょう。
この人たちは金貨と呼ばれる便利な
モノを持っています。
もし私が彼らから少しお金を借りて
モノやサービスを提供する人に渡したり、自分で事業
を立ち上げられれば、利益を上げることができます。
そして、そこで得た利益はこの人たちへ
利子や配当の形で分けることができますね。
ただ、この人たちにとって事業を正しく評価するのは
容易ではありません。
しかも、事業の規模が大きければ、
こういった人たち1,000人分くらいのお金が
必要になるかもしれません。
また、この人たちは誰がいい事業を持っているかも
わかりません。
一方で、この人たちは誰が貯蓄を持っているかわかりません。
もちろん、私に貯蓄があれば、それらは私の裏庭のマットの
下にあるわけですが、それを他人に宣伝するわけにも
いきません。
言いふらしたら泥棒に入られるだけです。
そこで、私は第三の起業家となり、こういった
問題を解決します。この事業が「銀行」です。
では、銀行は何をやるお仕事なのでしょう?
私の銀行がここで果たす役割とはなんでしょう?
とりえあず、基本の「き」から説明を始めましょうか。
どうやってビジネスを始めるか。
ここでは私も起業家の一人です。
話を単純にするために、私にはすでに貯蓄があると
仮定します。なので、ここから借りる必要はありません。
この貯蓄は100万枚のコイン、
100万ドル相当ということにしましょう。
ここに私の貸借対照表(B/S表)
こんな原始的な文化でもB/S表は
便利ですね。
さて、これが私の
私のB/S表に、
100万ドル相当の
100万ドルという金額は
たとえ話をするのには
金貨一枚につき、1ドル相当の価値なので、
全部で100万ドルですね。
現実にはドルにそれほどの価値はないでしょうが、
このドルを使って私は固い大理石を使って大きくて
立派な建物を建設します。
パルテノン神殿みたいに丈夫な建物ができあがりました。
これが私の純資産(エクイティ)です。これを使って
大きくて、立派な、美しい建物を作りました。
実際に建物をここに書きましょう。
石柱も目立つように
ギリシャやローマにこんな建物ありそうですよね?
こういう建物を建設するのには訳があります。
こういう素敵な建物にすると、
みんなは、「お金を預けても大丈夫そうだ」とおもうし、
実際に保管しても安全ですからね。
そして、私はみんなに言ってまわります。「私はこんな素敵な大きな建物を持っています。
裏庭やベッドの下みたいな安全かどうかわからないところにお金を隠しておく代わりに、
この建物にお金を預けませんか?
必要なときにはお金を引き出すこともできるんですよ?
それより何より、あなたが私にお金を預けてくれたら、
私はあなたにお金を払いましょう。」
すると、みんなは言います。 「ああ、それはいい。
サルは信頼できるし、なんといってもサルより、その建物が
信頼できる感じだ。ギリシャ神殿みたいに立派だしね。」
そして、みんながお金を預けてくれます。
そうですね、村の貯金は
総額1,000万ドル。
かなり裕福な村ですね。
預金1,000万ドルです。
これは、私の負債です。いいですか?
どうして、これが負債になるんでしょうか?
それは、私が村の人々に返済する義務があるからです。
彼らは、保管のために私にお金を預けています。
だから、これは私の負債、返済する義務があるお金です。
これは、私の純資産(または株式)です。
もし、私だけでなく、10人の株主がいたら、
それぞれが1 / 10づつを持つことになります。
しかし、これは個人事業です。
ですので、これは私の持分です。
これは私の建物です。
私はビジネスをしています、いいですか?
私は、この仕事を、非営利団体やチャリティーとして
しているわけではありません。
というわけで、この1,000万ドルの預金で何をしましょうか?
さて、私は、みんなに、「いつでもお金は引き出せるからね。」と、
言いました。
私は、みんなのお金を保管すると言って、お金を集めています。
彼らは、わたしにお金を預けたのに、ある日、そのお金を引き出せなかったということになったら、
彼らは、私のことをものすごく疑うことになるでしょう。
ですから、私はお金の一部を置いておかなくてはいけません。
3000人から4000人います。
ある日、全員ではなく、そう、願わくは
全員ではなく、誰かがお金を引き出しにくる、もしくは、
お金を預けにきます。
で、私は、彼らにお金を返すときに備えて、
いくらかの現金を使わずに残しておかなくてはいけません。
1,000万ドルの一部を置いておく必要があります。
赤紫色で示しましょう。
現金の10%を置いておくことにしましょう。
ということで、100万ドルの現金をおいておく、で
残りの900万ドルを有効に使おう、
というわけです。
この900万ドルを使って、私がするのは、このお金を
本当にいい事業、または、投資物件を持っている人に貸し出すこと、
900万ドルの貸し付け(ローン)です。
これは、資産になります。いいですか?
私は誰かにそのお金を提供します。
彼らは私に900万ドルを返済する義務があります。
私は基本的に1,000万ドルを借りていて、100万ドルを手元に置いておきます。
そして、900万ドルを貸し付けます。
様々な事業計画があるかもしれません。
100あるかもしれません。
私はたった一人に900万ドルを提供する訳ではありません。
私はいろいろな事業に分散させて
貸し付けます。
ここで質問です。どうやって、私はお金を儲けるのでしょうか?
そうですね、これらのローン(貸し付け)、 私は、できれば、
運河を建設したり、工場を建てたり、
そういう何か、それを建てたことによって、建てる前よりも、うんと価値を生み出すような事業、
そういう事業に融資したいと考えています。
すると、わたしは利子を取ることができるわけです。
その利子は生み出された価値の一部という訳です。
それでは、10%の利子を課すことにしましょう。
そうですね、ものすごく上手に投資して
誰も債務不履行にならなかったとしましょう。
私は最初の銀行です。だから、いい投資先はすべて、わたしのものになるわけです。
だから、10%を得ることになります。
そして、彼らのお金ですが、この人たちは、
安全にお金を預けるだけでなく、
私から5%の利子を受け取ることになります。
私は1年ほどでどのくらいのお金を儲けることができるでしょうか?
えーっと、900万ドルを元手に10%。
ということは?
1年に90万ドルが手に入ります。
そして、私は毎年、どれくらい支払うことになるでしょう?
そうですね、1,000万ドルの5%。 50万ドルを支払うことになりますね。
さてと、利子としての収入が、90万ドル。
利子としての支出が、50万ドル。
ということで、正味40万ドル。
それに加えて、10万ドルを、
社員や警備員に給料として支払います。
すると、残りは30万ドル。
ですから、30万ドルの儲けです。
次のビデオでは、もう少し詳しく話していきましょう。
でも、ざっとですが、 私が毎年100万ドルを元手にして、
人々にサービスを提供すること、
それは、預金といい投資を組み合わせることですけれども、 そのことによって、
30万ドルを儲けることができることがわかりました。
それも、みんなが利益を得て、です。
パイは、大きくなりました。というのも、これらの投資は、
村人たちの利益となったからです。
そして、もちろん、この人たちも利益を得ています。
お金を安全に預けて、そのお金が、
増えたのですから。
彼らは、実際、この資本投資に参加したわけです。
とにかく、また、次のビデオでお会いしましょう。