Tip:
Highlight text to annotate it
X
正解は、全てです。
ファイナンス、ロボット工学、ゲーム、医学、ウェブページ、他にもたくさんの応用例があります。
個々の事例についてさらに詳しくみていきましょう。
ファイナンスの世界には、かなりの数の人工知能応用例があります。
多くの場合、それらは取引の意思決定という形で実現されています。
その場合には、エージェントは、取引エージェントと呼ばれます。
環境は、株式市場であったり、債券市場であったり
商品市場だったりします。
私達の取引エージェントは、ある物の先行きを予測します。
それらは株や、債権、商品です。
エージェントはさらに、オンラインでニュースを読取り、特定のイベントを追跡します。
エージェントが決定するのは通常、売買の判断、すなわち取引です。
人工知能による、長期のデータ分析や、時間経過に伴う市場予測には
長い歴史があります。
取引はそれらの分析を元に実行されます。
さらに人工知能を使った取引エージェントを使用する人たちは、往々にして
優れた取引判断のおかげで、多額の儲けを手にしてきました。
ロボット工学で使用される人工知能にも長い歴史があります。
これは私が思い描くロボット像です。
もちろん、ロボットにはいろいろなタイプがあります。
しかしそのどれもが、センサーを通して、取り巻く環境とやり取りします。
センサーは、カメラやマイク、または触覚、すなわち接触センサーといったものから成ります。
ロボットが環境へどのように働きかけているかというと、モーターを使用します。
特に、車輪、足、腕、握り手といった部分です。
そして、人々に音声で話しかけます。
さて、ロボット工学には、人工知能を使ってきた長い歴史があります。
今日、何かしら目立つロボットには、ほとんど必ずと言っていいほど、AIが搭載されています。
実のところ、人工知能はロボット工学の一部として、同時に研究されてきたのです。
しかし、物理的なアクチュエーターを使用する点や
外の環境に対し物理的に作用することからロボットは、
純粋な人工知能とは、若干異なるものであると言えます。
WEBサイトが出現すると、初期のWEBクローラはロボットと呼ばれました。
すると今度は、そのロボットがWEBにアクセスすることを防ぐために、
今も使われるファイル・ブロック用ROBOTS.TXTなどの、WEBクローラを拒否し
自分のWEBサイトから情報が取り出されるのを防ぐ手段が生まれました。
つまり、歴史的にもロボット工学は、人工知能の発展に多大な貢献をしてきました。
この授業でも、ロボット工学に多くの時間を割いています。
ゲームでもAIは長い歴史を持っています。
人工知能によって、ゲームは賢く、自然にふるまいます。
ゲーム・エージェントとしてAIを使うには、二通りの方法があります。
一つは、人間の代わりに、プレイヤーに対抗させることです。
例えば、チェスをやっている場合を考えてみましょう。
その場合のゲーム・エージェントの環境は、プレイヤーである人間になります。
ゲーム・エージェントは、プレイヤーの駒の動きを察知し、自分の駒を動かします。
チェスでプレイヤーに勝利するためです。
プレイヤーが誰かと対戦し、
その相手がコンピュータープログラムであるようなゲームの大部分には、
プレイヤーの目的に反して、プレイヤーを負かすように、ゲーム・エージェントが組み込まれています。
そこではもちろん、プレイヤーの目標はコンピューターに勝利することです。
これがAIを組み込んだゲームの一例です。
二つ目は、AIを利用したゲーム・エージェントが
ゲーム全体に自然な感じを与えるために使われているケースです。
ゲームにはよくキャラクターが登場します。このキャラクター達は何かの形で行動を起こします。
プレイヤーにとって重要なことは、このキャラクター達が、実際に存在しているかのように感じられることです。
これを専門とする人工知能の分野、すなわち
AIを使ってゲーム内のキャラクターを自然に見せる、つまり賢くみせるための分野もあるほどです。
そのおかげでプレイヤーは、高品質なゲームをプレイしていると感じられるわけです。
人工知能は医学の分野でも長い歴史を持っています。
古典的な例としては、診断エージェントがあげられます。
例えば、具合が悪くなり、医者にかかるとしましょう。
医者は患者の置かれている状況をつかもうとします。
つまりは、患者の症状の原因は何であるのか、ということです。
診断エージェントは様々な計測値から患者を観察します。
すなわち、血圧、心拍数、などです。
そして、症状の原因を推測します。
しかし、ここで直接患者にそれを伝えるのではなく、ほとんどの場合、病気の診断結果は、
担当する医者に伝えられ、医者から患者に伝わることになります。
これが診断エージェントです。
この他にも、医学分野ではさまざまなAIが存在します。
集中治療室で使われるAIは、
緊急に処置が必要な状況を見張ります。
長期間に渡る経過観察が必要な、慢性病にも使用されます。
さらに医学がより個人に合わせた形になるにつれ、人工知能の役割も
確実に増えていくことでしょう。
WEBで使われるAIについてはすでに述べました。
もっとも一般的なAIは、WEBを渡り歩きながらその内容を理解し、
ユーザーの質問に答えるものです。
ここに検索ボックスがあり
左に「検索」ボタン、
右にI'm Feeling Luckyのボタンがあります。
ユーザーが言葉を入力します。
そしてAIが何をするかというと、入力された言葉を理解し、
それに最も関連すると思われるページを見つけるわけです。
これが真の協調型人工知能です。
これはいくつもの企業で使用されています。マイクロソフトやグーグル、
アマゾン、ヤフー、その他たくさんの企業です。
動作の仕組みですが、まず巡回エージェントが
WEBページを回りページを取得します。これはただのコンピュータープログラムです。
取得されたページは、クローラー内部の巨大なデータベースにソートされます。
そして、考えられうる問い合わせのために、各ページの変更状況が分析されます。
そして実際に問い合わせが発せられると、
AIシステムが何らかの返答をしてくるわけです。
例えば、問い合わせにもっとも近いと思われる、WEBページへのリンク集などです。
つまり、ソフトウェアを作成しようとするとき
それをイケてる物に仕上げたいと思ったら、
何らかの形で人工知能が必要になるということです。
この授業で、ピーターと私が講義するのは、
ソフトウェアを本当の意味で賢く見せる
数々の重要な技法です。