Tip:
Highlight text to annotate it
X
東日本大震災以降、全国各地で防災教育への機運が高まっています。
子どもたちが地域の防災施設や危険な場所などを探検しながら見つけ
マップにまとめる『ぼうさい探検隊』を取材しました。
『ぼうさい探検隊』は阪神・淡路大震災での教訓をもとに
関西地区で生まれ、地域における防災意識の向上と
地域コミュニティーの活性化を目指すもので、東日本大震災後
あらためて注目されています。 この日、探検隊として出動したのは
西東京市の消防少年団です。大人と一緒に
通学路など居住地域周辺を探検しました。子どもたちは
通学路には狭い道や消火栓や消火水槽が多くあることに気付き、
学校や公園が一時避難場所に指定されていることを初めて知りました。
さらに、日常的に歩く道にも危険が潜んでいることを認識しました。
子どもたちは「あの駐車場の木、車がぶつかったら危ないよ。
地震が来ても。倒れちゃうよ」「ブロック塀が多くて細い道が
一番危険だと思う」「身の回りの危険の多さがよく分かった」などと話しました。
探検から戻ると自分たちが発見した膨大な情報を出し合って、
マップ作りに取り掛かりました。
子どもたちは「塀の高さを(災害時に)人も逃げられるように
工夫した方がいいと思う」「塀は崩れちゃう。だから、
ブロック塀はもう無くしちゃってフェンスに変えちゃった方がいい」
などと話しながら作業しました。
子どもたちは「危険な場所にはなるべく近づかないようにする」
「危険な所をみんなに知ってもらえる。ためになった」
「地区の南の方に避難所が多かった」「この町には
いろんな所に危険が潜んでいることがよく分かりました」
などと感想を話しました。
子どもたちが作った『ぼうさいマップ』には
見て感じた身の回りの危険が見事に反映されています。
地図にはどこにどんな危険があるのか、一目で分かるよう
探検で発見したものの写真を貼りました。
見た人が興味を持ってもらえるよう、
めくると具体的に子どもたちが発見した内容が書かれているなど
さまざまな工夫が施されています。
西東京消防少年団の指導員・浅沼千代忠さんは
「子どもたちが普段生活している中や遊びながらでも、
周りの子どもたちや何も活動していない子どもたちにも
その話をたぶんしてくれると思うので、
防災意識が周りにどんどん広がっていくと思う」と話しています。
ぼうさい探検隊を応援する団体も継続的に防災意識を持ってもらおうと、
7年前から『ぼうさいマップコンクール』を開いています。
ことしは防災意識が高く、去年を上回る1600を超えるマップが
全国から寄せられているということです。
日本損害保険協会の鶴巻健弥さんは「“自分で考える子ども”、
教えられる防災ではなく自分たちが学んでいくということを目指した活動で
それがさらに深まってきているというので、さらに広めていきたい」と話しています。
東日本大震災では多くの子どもたちが犠牲となりました。
震災から間もなく10ヵ月を迎える中、震災を風化させることなく
常に家庭、地域、学校で防災意識を持つ教育が求められています。