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パネリストの皆様、ご来賓の皆様
インドにとって鍵となるチャレンジは
これから30年から40年の間に、年率9%から10%の成長率で拡大していくことです。
このような成長が実現しますと、貧困層の生活を底上げすることが出来ます。
これは、日本が歴史的にやっていることです。
例えば第二次世界大戦後の日本、韓国、シンガポール、ごく最近では中国もそのような経験をしてきております。
次の30年でこれが行われれば、インドではおよそ500万の人たちが都市化していきます。
そして都市化すれば、インドはまた工業化もしなければなりません。
年率15%から16%ずっとずっと工業化していかなければいけない
これは非常なチャレンジです。
こういうことがむこう30年起こりますと、インドの人口の70%が35歳以下ということになります。
こういう変化は歴史では滅多に起こらないことです。
したがってインドのチャレンジというのは工業化すること、都市化すること
そして終始一貫して長期的な成長をすることです。
インドは都市化ということにはあまり乗り気ではありませんでした。
都市化のスタートは遅かったのです。
しかし大きな利点があります。
技術をつかってカエル跳びしていけば、これまでのプロセスを飛び越えて躍進的な進歩が出来ます。
都市がアメリカやヨーロッパで出来た時
水とガスはいくらでも安く手に入りました。
したがって人々は一部の地域に住んで、職場は100㎞離れていても良かったのです。
ですからアメリカの都市を見ますと、CO2の排出量が一番多いわけです。
しかし今、都市というのは
スマートシティと日本でよばれているような、洗練され、集約化されたものでなければなりません。
ですからむこう30年、インドの人たちは全く新しいインドをつくっていくことになります。
多くの場所でひとつの実験的なワーキングサイトが見られるようになると思います。
これを起こすときにインドは日本とパートナーとして働き
そして日本の技術を使って成長していくということがとても重要です。
日本の企業、三菱、東芝、日立、京セラ、シャープそしてソーラーフューチャー等ひとつひとつ見ていきましても
素晴らしい技術を持っている世界です。
世界でも技術の面では最先端を行く社会です。
でもここで二つ重要なことを認識しなければなりません。
世界の他の国々、例えば、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、日本などを見ていった時に
全てはEPCコントラクトのフォーマットの上につくられました。
しかしインドのインフラがつくられるときには
70%~80%はPPPのコンセプトをもとにつくられます。
つまり、PPP(プライベートパブリックパートナーシップ)というのは皆がリスクをとるということです。
リスクをとる能力を持つものがリスクをとるということです。
ですから日本の企業はもっとリスクをとらなければいけないんです。
日本の企業は自分たちのボトムラインをきちんと管理して
インドのような国々と競争できるようにしなければなりません。
私は日本の企業の友人です。共に働いてきました。
私は日本の技術を賞賛しています。
ですから私は強く思うのです。
本当に重要なことは
インドで日本の企業が本当に主要なプレイヤーになることです。
私たちは、ここ20年で起こったことを考えなければなりません。
私は若いときから、日本の企業を良く知っていました。
日本の製品と共に私たちは成長してきたんです。
でもここ20年のインドを見てみますと
特にインフラの面では、例えば電気機器の70%は中国から来ています。
テレコムの80%も中国からです。
エネルギーにしても、韓国企業であるLG、ヒュンダイ、サムソンなど
そういう企業がどんどんインドの市場に入ってきて、日本を押しやっています。
私は日本の企業の友人として言いたいのです
日本の技術の方がもっと良い、もっと耐久性がある
中国や韓国の企業は日本と競争などとても出来ません。
ですから日本の企業のボトムライン、コスト、これを管理していく為には
日本の企業が自分たちの製造ベースをインドに移すことが必要であり
そしてインドの企業とのジョイントベンチャーやパートナーシップでやっていくことが重要です。
製造企業がインドにシフトいたしますと、コストは自動的に下がっていきます。
日本はハイコストな経済になっているのですから。
それから二つ目に重要な問題は、金融パッケージです。
もっと資金共用を効率的にしていく、そして日本の企業が競合的に参加出来るようにする
つまり長期的な借り入れのためのアクセスです。
そのためには政府による長期的な貸し出しスキームによって支援してもらわなければなりません。
そうしなければインドのインフラ市場には参入していくことが出来ない
このことはとても重要です。
なぜならインドのインフラプロジェクトは始まったばかり
そしてインドは非常に大きな国内市場を有しております。
日本は技術の面でも資本の面でも豊富なものがありますが、労働力は不足しています。
そこでこのインドの豊かな人材、人的資源で貢献することが出来るのです。
ソフトウェアのセクターは、日本のハードウェアの素晴らしさに補完的にプラスすることが出来ます。
日本の中小企業がインドを成長市場として発見しつつあります。
そしていくつかの日本の産業は衰退しつつあります。
そういうところはインドに目を向けるべきです
そうすれば理にかなったコストでどんどん製造することが出来ます。
また、日本とインドは本当に協力をして
色々な形での中国の市場への参入、例えばアフリカやアジアでの参入に対して
カウンターバランス的な役割を果たさなければなりません。
インドのインフラは始まったばかり
そしてその始まりはデリームンバイ産業大動脈構想、この産業プロジェクトであります。
私たちは日本から学ぶことがたくさんある。
デリーメトロプロジェクトで、日本は素晴らしい技術を我々に見せてくれました。
どうやって世界級の技術を持つのか
そしてどうやって決められたタイムスケジュールの中でこうしたインフラを完成させるのか、ということ
それを目の当たりにいたしました。
したがってインド政府、そして正しい考え方をしているインドの人たちは
日本の企業と緊密なパートナーシップのもとにやっていきたいと強く考えているんです。
潜在的な力がたくさんあります。
そしてこれから30年の機会を使って、インドと日本の間の相乗効果を拡大していく
それがインドも日本もwin-winの勝者となるような結果をもたらすのです。
デリームンバイ産業大動脈では色々な都市をつくります。
製造ベースや日本の産業、ソーラーファーム、スマートシティ、輸送だとか色々革命的なものが次にやってきます。
次世代の技術を持ってインドは次の成長段階にのぼっていくことが出来ます。
そして日本の企業はインドで自らを再発見することが出来るのです。
皆様ありがとうございました。