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ジェフ・ブライデンバッハと申します。
これから、自動書籍スキャナについて発表致します
ダニーQumsiyeh 氏を紹介させて頂きます。
この講演を開くことになったきっかけは
ある方に、この装置を見ていただきたいと、お願いしましたら
その方が別の2人の方に声をかけられたことで始まりました。
こうして、皆さんに、ここにお集まり頂いているのも
驚くべき威力をもった 「再帰」(リカージョン) の力ではないでしょうか。
それでは、ダニーさん、発表のほうよろしくお願いします。
ジェフさん、ありがとうございます。
スキャナの電源を切りますので、少々お待ちください。
それでは、私が開発しました
書籍スキャナについてご説明します。
その前に、実際に利用されている
いくつかの、書籍スキャナ技術を
比較しながら、見ていきたいと思います。
ご承知のように、最も簡単に書籍をスキャンする方法として
書籍を裁断してから、「シートフィードスキャナ」と 呼ばれる装置にあてて、スキャンする方法があります。
各原稿を送り込み
スキャンする装置があります。
スキャン画像は、非常に高品質となりますが
書籍が破損されるという問題点があります。
よって、ここでご説明しますのが
破損のないスキャナです。
自動スキャンではなく
マニュアルで、ページをめくりながらする スキャナの種類はたくさんあります。
ガラスのプレートで、ページを上から押さえ付けるといった方法が
多く利用されています。
カメラが
両面のページ画像を捉えます。
ガラスのプレートを上げ、ページをめくる
そして、プレートを下げ、画像を捉えるといった 手順でスキャンするわけです。
きわめて早くできるものの
手作業の手間が、かなりかかります。
「diybookscanner.org」で たくさんの人が、手作りの
スキャナを作成しています。
又、手作りスキャナ作成の インストラクションも紹介しています。
ダンボールや木など
身の回りにあるものを いろいろ使って、スキャナを作っています。
商業用には、いくつかの ロボット型書籍スキャナがあります。
人がページを手でめくると同様に
ロボットの腕をつかってする方法が、たくさんあります。
「Kirtas」がその一例です。
ロボットの腕が、ページを吸引
そして、反対側に、ページをめくっていきます。
全く、別の方法を利用している会社もあります。
「Treventus」社です。
このV 字型のものが
上下に作動する装置を作っています。
先端にある、ラインセンサが、画像を捉える間に
2つのページを吸引します。
これは、非常におもしろいものです。
まさしく、最先端の技術装置と、言えます。
そして、書籍に(与える損傷や負荷が少ない) やさしいという点で
高く評価されています。
しかし、大きな問題点は、非常に高価であることです。
「Treventus」社製の、装置のひとつを注文すると
10万ドル程かかります。
これが、わたしの考案した装置です。
では、ここで、簡単なビデオをお見せして
詳しい外形を、ご覧いただきます。
その上で、詳細な技術的について 進めていきたいと思います。
大まかに言うと、書籍が、プリズム型の装置の上を
左右に動いているという事です。
フラットベッドスキャナに付いているような ラインセンサを内蔵しており
書籍が、左右に動くことで
各ページの画像を捉えます。
また、空気を吸い込むための 吸引装置が接続されていますが、それは
一般家庭で使用されている
掃除機を使用しています。
それが、1ページづつ吸い込み
反対側に移動させます。
聴衆:[音声なし]
ダニー QUMSIYEH:どうやって 1ページだけ、吸い込んだかが
わかるか、というご質問ですね。
それについては、ビデオ終了後に、説明します。
そして、画像がコンピュータに 映し出されます。 [音声なし]
これは、いたって簡単です。
それほど多くの部品を使用しませんので
作成にあまり費用がかかりません。
どうやって、1ページだけ吸い込んだか
わかるか、というご質問に関してですが。
ページがめくられる時の様子を
簡単な図を使って、説明しますと。
ここで、何枚にも積み重なったページが
右方向から、滑り込んでいるのが、端から見えます。
そして、この曲面に沿って、滑り込んでいきます。
この曲面に沿って、隙間があり
そこで吸引しています。
この装置に対して
1ページが吸い込まれることが お分かりいただけると思います。
実際のところ、他のページは吸引されないので
紙は、まっすぐ伸びたまま進みます。
それから
こちら側の金属部分によって分割されます。
しかし、2ページ分の紙が
重なったまま進む可能性があります。
この点を解決するために、この試作品では
下方向から、ページの端部分に向けて
空気を吹き付けます。
紙が重なり合っていれば
こうして、紙を分けることができます。
次に、紙が流れる通路が
どうしてこのように、非常に風変わりに見えるか 叉、どうしてこのような形になったのか
その経緯(いきさつ)を説明します。
ここで、作動しない例を
いくつか見てみましょう。
例えば、このようなプリズム型の場合
上から見ると
片側のページの紙面が 一方から反対側に、移動しているのが分かります。
これを行うための、最も簡単な方法は
溝を作ることです。それも、プリズムに向けた斜めの溝があれば
紙はその中に滑り込んで、反対側に移動できます。
起こりうる問題として
紙が、溝の中にはさまる、いわゆる「ねじれ」がおきます。
書籍の綴じは、まっすぐのままですが
中身の紙は、溝に沿ってねじれてしまうのです。
このように、紙が破損しやすくなることは
避けなければなりません。
それで、このような形の装置になったわけです。
斜めの溝の中心部に
平面部分があって
そこに、ページの紙が入ってくるという、アイデアです。
そして、紙が中間部にある時
紙は、反対側に通り抜けやすくなります。
よって、紙がねじれることなく
反対側に移動出来るという点で うまく機能しています。
もうひとつ、起こりうる問題があります。
この例のように 通過経路の溝は、正面に沿って
まっすぐな斜線状になっています。
このまっすぐな斜線状の部分に
吸引機の圧力でページをめくると
また別の問題が起こる可能性があります。
詳細は、この図をご覧ください。
これは側面から見た場合です。
紙は、右から左へ移動します。
濃い灰色で示してある部分が
紙が中に滑り入っていく経路です。
それより濃い灰色の箇所は
吸引機が、溝にあたる部分です。
これは吸引機の部分です。
ここでは、ページの紙は、右方向から入ってきます。
紙面の端が、溝に吸引され
このカーブした部分で、紙が曲がります。
紙は、次々にスキャンされるにつれて
この斜線部分に沿って曲がり
やがて、書籍の綴じに当たってしまうという 問題がでてきます。
つまり、書籍が動いていく過程で
紙が、書籍の綴じ部分で、曲がってしまうということです。
これも避けなければなりません。
紙が、左方向へ、引き続きめくられ、動くようにするには
紙が、吸引部から、抜き出ていく必要があります。
そのために強い力が、かかりすぎると
紙は破れてしまいます。
よって、うまく機能しません。
上の写真は、ここにある装置と少し似た
ダンボールで作った、前の試作品です。
この段階で直面していた問題点です。
実際に、装置は
このような形になっています。
底の部分に、斜めの開口部があります。
そして、開き口は、上部で縦に開きます。
書籍は横に移動し
紙が、濃い色で示してある部分で
吸引されて、斜線部分で曲がります。
ここの開き口が縦に開いている箇所に
紙が達すると
その時点で、紙はこれ以上
この右側にある(メタルの)表面部分の支えは受けていません。
よって、紙は、滑らかに反対側に移動します。
このような形であれば
紙は吸引機部分から
ある一定の距離をおいて、入り込むことができ 書籍の綴じに、圧力をかけすぎることはありません。
さて
センサについてですが。
私の手元にひとつあります。
これらはセンサですが。
CIS (コンタクトイメージセンサ)といって
フラットベッドスキャナや
シートフィードスキャナに使われています。
こうしたスキャナセンサに使われている物と同じです。
光センサが配列されていて、色パルスを発光するので
各色を識別できます。
このセンサは、実のところ シートフィードスキャナから取り出したものです。
実際
たくさんのスキャナを分解しました。
電気回路サーキットと
これらのスキャンバーを取り出し、両方を繋ぎ合わせると
このように使うことができます。
コンピュータに、スキャンするよう指示を与えると
コンピュータは、通常のキャノンのスキャナのように扱います。
そして、画像を捉えます。
必要なソフトウェアはごくわずかです。
また、電子装置に関しては、一切触れる必要はありませんでした。
センサーのことでもうひとつ
使用したこれらのセンサは略正方形です。
センサを中に取り付けたとき
これは、書籍が上部で開かれた状態の
装置の端面図です。
実際のところ、センサーを取り付けるといっても、ずっと端の方まで
取り付ける事はできません。
そうすると、書籍の「のど」部分の
画像を捉える事は出来なくなるという、問題がでてきます。
余白が非常に狭い書籍や
本文が「のど」部分に達している場合
書籍の内容が、見られないおそれがでてきます。
この点を改善するひとつとして
この試作品では、センサにベルトサンダーを使いました。
サーキットボードが故障しない程度に
ベルトサンダーで、かなり研磨できます。
「のど」部分が
9mm以下におさまれば、大半の書籍は大丈夫です。
現実に、多量のスキャンをしたい場合は
別のタイプのセンサを、使用した方が良いかと思います。
他にも、CCDセンサーを使ったスキャナがありますが
ラインセンサー上に
画像を投影するレンズが、付いたものもあります。
この場合、角方向からずっと先まで
画像を投影できます。
したがって、このようなセンサは、四角形である必要はありません。
聴衆[音声なし]
ダニーQumsiyeh: はい。
上部の角の角度を
大きくしたら良いのではないか、という意見がありましたが。
この点に関しては、わたくしたちも、少し検討してみました。
角度を90度まで上げた場合
書籍は完全に
平らにはならないという、問題が生じます。
スキャンされる書籍が、完璧に平らにならないため
紙面が曲がり
ページの「綴じ」の周辺部分が隠れてしまいます。
また、たいてい図書館員は
書籍を開き過ぎることは、本にとって悪いと考えていますので
開きを最小限に押さえた方が
書籍を傷めずにすみます。
これがスキャンされたページです。
フラットベッドスキャナで、スキャンされたと思うくらい
かなり平らな形状のスキャンに仕上がります。
画質は、フラットヘッドスキャナによるものと全く同質です。
既定は300 DPI に設定しています。
解像度を上げることも可能です。
又、赤、緑、青といった
画素を持ったメガピクセル級のカメラを
使用するよりも
はるかに高品質なものになります。
例えば、このスキャナを 300 DPI に設定した場合
各ピクセルは、3色全てを捉えることができます。
以上の点からも、かなり機能的で、高質の画像といえます。
更に、ここで使用されているセンサは、高価なカメラとちがって
わずか20ドル程度と、低価です。
はい。
聴衆[音声なし]
ダニーQumsiyeh: 運動の直線性に関する
質問ですが。
かなり一定の動きがない場合
補正が必要となってくるかという点についてですが
その点は問題なく作動しているようです。
今のところ、画像については
障害となるものは何も見つかっていません。
モーターは、動きを非常にコントロールした
ステッピングモーターを使用しています。
又、ベルトは通常のスキャナに使用されている物と同じ
タイミングベルトです。
以前、サドル上に模様のようなものを付け
モーターが原因で起こる問題を、補正する実験を行いました。
書籍を前後(左右)に動かす、いわゆる「サドル」について
少し触れたいと思います。
書籍を所定場所に固定するための締め金が上に付いています。
サドルが必要なもうひとつの理由として
センサを較正するために、白い帯がサドル上に敷いてあることです。
サドルがホームの位置にある場合
これらの帯はセンサを覆っています。
スキャンが始動すると
どの色が白か識別し、較正します。
締め金の他の重要な役目は
書籍の重みを支えることです。
締め金なしでは
かなりの厚みのある書籍をスキャンするとき 本の最初と最後の部分をスキャンしている段階で
書籍の全ページが片方に寄ってしまいます。
こうした重みが
一種のたるみを引き起こしてしまいます。
又、書籍の綴じ近くで、ある曲がりを引き起こしてしまいます。
このことで、ページめくりも問題になってきます。
書籍のサイズが非常に大きい場合
書籍が片側に落ちてしまうこともあります。
はい。
聴衆[音声なし]
ダニーQumsiyeh: だいたいのハードカバーや
ソフトカバーの本をスキャンする事は可能か
という質問ですが。
ソフトカバーの本もスキャン可能です。
締め金による支えは
やや、ハードカバー本の方が適しているかと思います。
でも、これまで
ソフトカバー本をスキャンした際の問題はありませんでした。
はい。
サドルの締め金はこのようなものです。
書籍の重みを支えるのに役に立っています。
スキャンし始めるとき
書籍を真ん中ページ辺りで開き、フェースダウン状にします。
それから締め金を調整し
書籍にあたるようにします。
書籍が、一方に片寄っていた場合
締め金が、書籍の重みを支え固定するのに役に立ちます。
使用しているモーターは、ステッパーモーターです。
MDrive (エム・ドライブ) です。
また、装置の上部を囲み、下部へと
タイミングベルトが付いています。
実は、このモーターには
マイクロコントローラが、組み込まれており
その大半のコードは、右側に表示してあります。
どれ位の速さで進むか どの時点で方向を変えるか
といった、コードのプログラムを 予め組んでおきます。
そして、電源を入れ
作動が繰り返されます。
特別なことは、シリアル通信があることです。
各サイクルの初めに、新しい行を出力します。
モーターが、所定の位置に達したことがわかるように、この出力は
スキャンを行うタイミングとして用います。
非常にシンプルな、ソフトウェアです。
オープンソースであり スキャニング・ライブラリであるSANE から取った
scanimage (スキャンイメージ) プログラムです。
ここでは、ソフトウェアを作成する必要は ありませんでした。
エンターキーを押す度に、画像を捉えるよう指示するフラグを
プログラムに伝えます。
これが、バッチプロンプトです。
モーターから送られる改行コードを
scanimage (スキャンイメージ) プログラムに pipe (パイプ)する必要があります。
そして、装置が作動します。
コマンドはひとつです。
この講演のはじめに、紹介して下さった、ジェフさんは
特別なソフトウェアを、作成しました。
画像ビューアです。
スキャンと同時に、画像が表示されます。
これはオープンソースで、URL は上部に記してあります。
例えば、ページ番号をクリックすると
スキャンされた、全てのページ番号のモザイクが見られるなど
数々の、優れた特長があります。
例えば、ページをスキャンし損ねたり 重複してスキャンするなどの事態に陥った場合
この機能があることで
問題を見付ける事が容易になります。
例えば、これらの列を見下ろして
361、341、321、301 とあるように。
一番下まで見て、全て問題なく
どのページも逃さずに スキャンされた事が分かります。
重複ページやページ脱落を感知し
問題を防ぐために
装置に内蔵されたセンサを使う方法があります。
ブレーク・ビーム・センサ (物体検知センサ) が 搭載してある為
ページが溝に入った直後に ページがめくられる仕組みになっています。
よって、いつページの紙が送り込まれたかを 正確に感知できるのです。
また、誤った時点でページの紙が送り込まれたり 或いは、送り込まれなかった場合
何らかの問題があるとみて
モーターが停止するようになっています。
このセンサは、モーターと、直結されています。
そして、これが、マイクロコントローラのプログラムの部分です。
以上が、スキャナに関する詳細です。
御参考までに、これが、初期の段階で作ったプロトタイプで
ダンボールを使わないで作った最初の試作品です。
まだまだ改善すべき点が、数多くあります。
左上にあるのは、会社の外のゴミ捨て場にあった ダンボールで作った
初期の試作品です。
よって、費用は、全くかかっていません。
エアーマット用の、小型空気ポンプが付いています。
なんと、これで、ページをめくることが出来ました。
実に面白かったです。
ページめくりのメカニズムの形について
数回、実験を試みました。
これは、金属で作った、最初の試作品です。
現段階では、スキャンする書籍のセットアップは
非常に短時間でできます。
わずか40秒程で締め金を調整
そしてスキャンを開始できます。
今のところ、サイクル・タイムに要する時間は
ページ両面につき、11秒です。
即ち、300ページの書籍ならば、約30分かかります。
いろいろなスキャン装置に比べると、かなり遅いです。
でも、これは全自動なので
1人の作業員が、10台の装置を取り扱う事が 出来ることになります。
起動中は、何もする必要はありません。
材料費は、わずか1500ドルです。
そのうち半分の費用は、分解したスキャナーから取った部品です。
それから、掃除機と金属です。
よって、低コストで作成できると見込んでいます。
はい。
聴衆[音声なし]
ダニーQumsiyeh: ページがはさまったり 破れたりした場合
モーターから、センサーのフィードバックが送られることは可能か
という質問ですが。
はい。
中で何かが詰まった場合
失速を検知できるこの種のモーターが、幾つかあります。
どれくらいの力で作動できるかを
検知できる機種のモーターがあるはずです。
ですから
もっといいモーターが必要なら、手に入ります。
はい。
聴衆[音声なし]
ダニーQumsiyeh:なぜ、もっと速く作動できないのか?
今のところ、モーターが原因です。
大きめの書籍をスキャンするために
速度を上げようとしても、モーターの力は、十分ではありません。
速度を上げるための簡単な方法は
もっといいモーターを使うことです。
そのほかにできることは
センサの配置、そしてこのスキャナーの形です。
要するに、移動する距離を
短縮させるように、装置を作ることです。
聴衆[音声なし]
ダニーQumsiyeh: 書籍のサイズや ページの紙の厚さによって
何かを調整する必要があるか、という質問。
この装置でスキャンできる書籍のサイズには制限があります。
今のところ
約、50冊スキャンしただけです。
取り扱った書籍のうち
約60%が、スキャンできました。
多くのものが、大きすぎたり、小さすぎたりしました。
書籍はサドルの中に、はまらなければなりません。
また、吸引口にも届かなければなりません。
書籍のサイズが、かなり小さい場合、全然吸引口に届きません。
よって、スキャンできる書籍のサイズの制限は
スキャナの形状について、もっと実験を重ね
寸法を変える事により、改善できます。
そして、薄いページ (紙)、厚いページ (紙) に関しては
吸引機の吸引力が大きな決め手となります。
よって、吸引機の吸引力を調整できるかどうかが ポイントになってきます。
非常に薄い紙は、強く引っ張れません。
先述した通り、これには制限があります。
取り扱った殆んどの書籍は、問題なくスキャンできました。
しかしながら
辞書に使われている薄い紙や 表紙に使われている非常に硬い紙は、うまくいきません。
まだ多くの問題を抱えています。
スキャンを試みた、書籍の約45%に
1〜2 のページとびがみられました。
又、そのうち45%に
ページの折れや破れが起きました。
これは深刻な問題です。
この画像は失敗例のひとつです。
実は、この紙面の隅に
既に僅かながら破損がありました。
ページの紙が装置 (スキャナ) の中を通過した際
更に事態が悪化し
紙が折れるといった問題が生じたのです。
聴衆〔音声なし]
ダニーQumsiyeh: 書籍の
はい。
ページではなく。
こうしたエラーはほんのわずかです。
殆どのページでは問題は起こりませんでした。
聴衆〔音声なし〕
ダニーQumsiyeh: もしよろしければ
それらの質問は、後程ふれたいと思います。
また、これはセンサを取り付ける前の事です。
このページ折れに関して
センサが、シートが正しいタイミングで 送られなかったことを感知して
損傷が広がる前に
装置の作動を止めたはずです。
まだまだ、多くの改善すべき課題があります。
まだ、今のところ、様々な形のスキャナーを試みてはいません。
これは、まだ3度目の試作品です。
吸引機があたる部分や
溝の形を
調整出来るかと思います。
本の端に、はっきりではありませんが
アルミニウムは、酸化アルミニウムの微量な残留物を残すので
もっと良質の、他の材質を使ってみることも可能です。
ステンレスや
それに類似した材質を使用した方が、良いかと思います。
勿論、ページの隅々まで、捉える事が可能な
CCD センサのような、良質の画像センサを 使用することもひとつです。
大胆なアイデアですが
スキャンする書籍がたくさんある場合
複数のスキャナーをつなぎ合わせる事も可能です。
この斜めの開き口を
それぞれ、かなり近づけて繋ぎ合わせることが可能です。
わずか2人の作業員ですみます。
両端にそれぞれ立ち、一方の人が順に書籍を載せていきます。
こうする事で、非常に早く書籍をスキャンできると思います。
このスキャナーに関しては、興味深いアイデアが数多くあります。
以上です。
本公演の冒頭で、私をご紹介して下さった ジェフさんにお礼を申し上げます。
ジェフさんのお陰でこのプロジェクトを作ることができました。
ジェフさんが全部のソフトウェアを書いてくれました。
センサに関しても協力を頂きました。
ブレークビームセンサの取り付け
スキャナー分解の際にもいろいろと助けて頂ました。
これまでにも、いろいろなアドバイスを与えて頂き
最後まで諦めずに頑張るようにと、励まし応援して下さいました。
この仕事をさせて下さったマネージャーのステファンさんと
前マネージャーのラムさんにもお礼を申し上げます。
お二人にはいろいろとご協力頂きました。
以上です。
質問をお受けします。
聴衆〔音声なし〕
ダニーQumsiyeh: エラー発生、また
何かがうまく作動しなくなった場合
どう対処するかお話くださいませんか、という質問。
現段階において、この試作品では
ページがめくられなかった場合、装置がそれを検知し 停止するようになっています。
だから、その問題を察知、分析できます。
そして、リセット(再設定)、再起動させます。
今のところ、2枚の紙(ページ)が巻き込まれた際
装置は、その異常を感知する事はできません。
深刻な紙詰まりが発生した場合は
装置はその間の
画像を捉える事はできなくなります。
これは問題ですが、シートフィードスキャナなどで
2枚同時に給紙されたかどうかを
感知する方法が幾つかあります。
他にも、これに似た方法があると思います。
はい。
聴衆〔音声なし〕
ダニーQumsiyeh: コストが一番かかっているのは
スキャナ部分だけのようなので
もっと低コストでできることが可能か、という質問。
はい、可能です。
例えば、電気系統を自分で行うとか。
使用したセンサは
単価がわずか20ドルです。
電気系統を
自分で大幅に作成するならば
おそらく今より安価で出来ると思います。
しかし、組み立てに
最もコストがかかるでしょう。
今のところ
使用した部品は、全て、平面状の金属です。
よって、切断が非常に簡単です。
他にご質問はありますか。
はい。
聴衆〔音声なし〕
どこで作成したか、という質問。
会社のキャンパス内のワークショップ(作業場)で作成しました。
聴衆〔音声なし〕
ダニーQumsiyeh: 書籍が非常に汚れていた場合
どうなるのか、という質問。
ページ全体に、縞が写るのか?
紙にシミがあった場合
それが、センサにくっついて
縞が写ってしまいます。
よって
こうしたシミに気が付いて、きれいにする手間が必要となります。
しかしながら、書籍が
吸引機の溝の上を行き来するので
その時点で、実際に汚れが除去されるのではと 冗談を言ってみたりしています。
以上、スキャナの特徴についてです。
他にご質問は?
聴衆〔音声なし〕
ダニーQumsiyeh: 何か間違いが起きた場合
ページの紙が破れる可能性はあるか
という質問。
先程のビデオにあったスキャナでは
ページの破損はありえません。
他のスキャナではページの破損がみられます。
でもこういった事は非常に稀ですが。
図書館が、問題なく使用している事実からも
こうしたスキャナは、書籍に負担がかからないようになっています。
この装置について
バークレーの保存修復師にも話しました。
その方はとても高い関心を持って話されました。 書籍デジタル化の利点の方が
低い確率で起こる書籍に与える損傷の恐れよりも はるかに大きいと。
図書館側としても、返却された書籍の状態が
貸し出し時よりも、悪くなるといった
破損のリスクを覚悟しています。
それは、読者が書籍の中身を見るためならば 貸し出しする価値があるとみているからです。
勿論、破損し易い書籍にも、十分に耐えられるスキャナになるよう
改善すべきです。
はい。
聴衆〔音声なし〕
ダニーQumsiyeh: スキャナが
溝から、かなり離れているのは何故か、という質問。
その主な理由として
双方のスキャン・バーを一緒にする事で 画像を同時に捉える事が出来る点が、あげられます。
実際に、こちら側の出口溝は
ラインセンサの箇所まで、長く伸びています。
各ラインセンサを
別々に、両側に、取り付けたならば
溝穴部分に近くなります。
こうする事で、書籍の動く距離が短縮されるかもしれません。
聴衆〔音声なし〕
ダニーQumsiyeh: これは、2台のスキャナ
それとも、2個のラインセンサが付いた 1台のスキャナと言えるのか、という質問。
これは2個のラインセンサが付いた1台のスキャナです。
シートフィード機器から取った部品であり、紙送りができます。
そして、上下にラインセンサが付いています。
サーキットボードが1個で
2個のセンサを取り出しました。
他に、ご質問はありますか。
聴衆〔音声なし〕
ダニーQumsiyeh: このプロジェクトの
今後の展開は、という質問。
分かりませんが。
この件については、後ほど少し触れたいと思います。
聴衆〔音声なし〕
ジェフ・ブライデンバッハ: この講演の録画は
ここで終了したいと思います。
それでは、ダニーさんに盛大な拍手を。
〔拍手〕