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僕の音楽はディープでダブっぽいって よく言われるんだけど、
僕自身そういう音楽が好きだから、 多分当たってるんだと思う。
常に目指してるのは、
ベースを 強調するだけじゃなくて、
エモーショナルな意味で どこか深みのある音楽。
音楽っていうのは 自伝的なもので、
生まれてくるサウンドは これまでに訪れた場所や
出会った人々と 何かしら結びつきがあるんだ。
こういった事柄が 音楽に新たな要素を加えて、
それが音の雰囲気に 反映される。
だから、 サウンドを収集しに出かけたり、
友達のスタジオを訪ねて
そこにある機材で ちょっと録音してみたりする。
それを家に帰ってから、
マニピュレートして、 スライスやピッチなんかを調整するんだよ。
この楽曲は僕の作業方法を示す好例。 細かなエディットがかなり加えられているし、
細かなオーディオが多用されていて、
先日のスタジオ録音の 一部を使用してる。
見やすくなるよう 少し拡大表示してみよう。
Jupiter で録音したものだ。
オリジナルのサウンドを再生してみると こんな感じ。
コードをいくつか演奏してる。
その後、 ピッチを上げてから、
反転させて
カットしていくんだ。
この最初のセグメントは
3 つのノートで 3 セミトーンで トランスポーズされていて、
それに続くコードは ピッチが -4 下げられている。
ここのエディットでは、
8 セミトーン トランスポーズされている。
ここのセグメントでは、
リズムを変えてカットしてる。
少し変わったグルーヴがあって 気に入ったから。
その後で キックドラムを重ねてるよ。
僕が作るビートのグルーヴは ドラムだけじゃない。
重要なのは、 相互の関係性だね。
シンセライン、ベースライン、 ドラムの関係性。
そのまま聞いてみると
それほどでもない ベースドラムも、
シンセを加えると スイングを始める。
そこに 他の要素も加えていけば、
一定のグルーヴが突如として 姿を現すんだ。
キックドラムチャンネルだけを 聞いていたのでは分からなかったものが。
このパートはアレンジの ブレークダウンに当たる部分で、
この前スタジオで録音した 紙を破る音を
パーカッシブな要素として 使用してる。
各サウンドは こんな感じ。
小節の出だしに上手くかぶさるような 効果が気に入ってる。
反転させたサウンドのように 聞こえるけど、
実際には紙を破る音のピッチを 少し下げただけなんだ。
この音が 小節の頭に加えられることで、
面白いサウンドが加わり、
また グルーヴも強化されるんだ。
自分で見つけた音や 作成した音だけを使うことに
固執しているわけではないけど、
サウンドのレイヤーは 重要だね。
ここでは、 手拍子のようなスネアと
ライブ演奏のスネアドラムを 使用してる。
ライブスネアは
手拍子より少しだけ後に鳴ってる。
このフラム効果は、
グルーヴを より興味深いものにしてくれるんだ。
個人的には テクスチュアルなサウンドが好みなんだ。
息遣いのようなね。
ドラムの間にアナログノイズの サイドチェーンを使用して、
脈拍みたいな効果を 加えることもある。
サウンドの合間に 息つぎするような。
なぜだか好きなんだ。
基本的に カット & ペーストのプロセスだし、
ループベースでパターンベースの エレクトロニック音楽だから、
細かなディテールを変更することで ある種の多様性を加える必要があるんだ。
単に コードを変えるんじゃなく、
たとえば、 8 小節の長さのパターンを
4 回リピートさせるんだったら
4 回目のリピートでは
何らかの変化を加えるとかね。
僕にとって、 音楽っていうのは遊び心なんだ。
子供の頃に戻るようなね。
「スター・ウォーズ」の宇宙船を使って 遊びながら、
その世界に没頭して ストーリーを自作したりしてたんだけど、
僕が今音楽でやってることは まさにそれなんだ。
我を忘れることのできる僕だけの世界を 作ってるって感じかな。
オタクなのがバレバレだな!