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イヴ・ベアールです。フューズプロジェクトを主宰しています。
サンフランシスコのベイエリアは、私にとって特別な場所です。
イノベーションと新しいもの、これからのものがあふれる場所で、
大自然に囲まれてちょっとした時間や週末を過ごす場所でもあるからです。
サーフィンはジャズの即興演奏に似ています。
サーフィンには波があり、広い海があり、とっさの判断を要します。
どれもその時ごとに変わります。
率直にいって、デザインの作業とそれほどちがいはありません。
毎回かならず、別の答えが求められます。
今までよりも、これからのことを考えなければなりません。
もちろん時の要素もありますよ、アイデアやタイミング、
これをやってみようとか、
作ってみようとか、これをやったら波をかぶるんじゃないかとか、
実際に乗りきれるかどうかといったような要素がね。
サーフボードの製作は、
サーファーと地元の海を熟知した職人であるシェーパーとの対話のようなもので、
完成された作品は究極のオーダーメイドということです。
今夢中になっているのは、
環境を変えた時に何が起こるか、ということ。
海から浜をみると、
浜から海を見る時とは全く違う景色になる。
そんなとき、信じられないほど心が落ち着くのです。
海にいると、仕事のことは考えないし、些細な問題も気にならない。
ただ単に海を、波を、
そして波が来る様子を見ているのです。
まるで禅の心境です。
とても心が落ち着いて集中できる。
オフィスや町にいるときの張りつめた生活とは全く違う、
とても心やすらぐ集中の時間です。