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2007年に弟のマークと一緒にカルテットを始めました。
当時はまだメンバーが違っていましたが。
それで、2009年に兄のエリックと綾子が加わったのです。
立ち上げた理由は……純粋に興味があったからですね。
室内楽は私たちにとって、音楽家として最も大きな比重を占めるものですし、
ソリストの場合、いつも一人きりですべてをこなさなければならないし。
室内楽では、他のメンバーから学ぶことも多く、エリックに綾子、そしてマーク、私たちは一緒に演奏することで、音楽家にとして豊かになれるのです。
私たちは、典型的な音楽一家に生まれました。
父はヴァイオリニスト、母はピアニスト、祖母は歌手で、
実家で練習、演奏していました。
子どもたちが音楽を奏でる環境が普通にあったのです。
楽器を習い始めたのは、私の場合は4歳、兄弟たちは4歳。
自分たちが熱狂的な音楽信奉者だったというわけではありません。
まず長男のエリックが小さなヴァイオリンを弾き始めたのですが、
彼が成長して、ヴァイオリンは置き去りに。
そしてその楽器が弟の手に渡り……そうして続いていきました。
私は末っ子ですが、双子の姉(妹)がいます。
そこで小さなヴァイオリンがもう1挺あったわけではないので、僕はチェロに行き着いたというわけです。
そういえばビオラを弾いたこともあったかも。
随分昔のことで、あまりよく覚えていないですが。
私たちが初めて公演したのはデュッセルドルフです。
そこで5つのコンサートを行いました。
多くの曲目を一度に準備しなければならなかったので、最初は忙しく大変なストレスでした。
私自身は最初、とても不安でした。私以外のメンバーは皆男性で、しかも家族。方や私は唯一女性
最初のリハーサルは緊張で凝り固まってしまって、本当に不安だったんです。
でも、今はもうこのメンバーが大好きです。
でも、今はもうこのメンバーが大好きです。
他のメンバーも日本語を話せるので、
私がナーバスになっていると、日本語で笑わせようとしてくれるんです。
今、ドイツでそんな仲間たちと一緒に演奏ができて、とても幸せです。
もちろん、ソリストとしての教育が優先される時期はありました。
でも、カルテットとして試しに弾いてみて、そして最初の演奏プロジェクトをこなしてみて、
4人で美しいハーモニーを奏でられるということが分かったんです。
私たちには大きな潜在性があり、皆それぞれの楽器で自身のパートを最良の状態でこなせると。
それで、はっきりしたのです。私たちはカルテットをやらなければ、やりたいのだと。
それを通して、今カルテット以外で各自がやっているプロジェクトのためにも何かを学ぶことができますしね。
ただ、今はそれを減らして、よりカルテットに集中しようとしています。
膨大なカルテットの楽曲、非常に価値の高い音楽作品をを知り、学ぶことは本当に素晴らしいことだと思います。
弦楽器奏者としては言うまでもないことですが。
聴衆が大喝采する理由が、もうすでにある。
今現在、成長期にいる私たちにとって、ブラームスやシューベルトらロマン派の音楽が欠かせません。
絶対的な“神様”のような存在ですね。
ただ、本格的にカルテットとしてやっていくなら、
ハイドンやモーツァルト、ベートーベンなどは避けては通れないところ
それらのレパートリーを弾くのは最大の挑戦であり、
音楽家としてさらに成長、発展していく際には必ず学ぶものです。
しかし今、発展途上では、ロマン派音楽が私たちの居場所というか、アイデンティティーのような存在です。
Untertitel: Yasuko Hayashi