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こんにちは。アレックス・デ・グラッシです。 3つ,あるいはそれ以上の音を同時に鳴らしたものをコードと言います。
最も一般的なコードは、トニック、3度そして5度の音程を含んでいます。
これら3つの音程を同時に弾いたものを“トライアド”と言います。
ふたつの音だけでもコードと呼ぶことはできますが 少なくとも音程が3つそろわないとコード・ネームは特定できません。 多くの可能性が出てくるからです。
フィンガースタイルのテクニックでコードを弾く方法はたくさんあります。
今回のレッスンでは ブロック・コードとロールド・コードについて説明します。
弦を押さえる手のフィンガリングは、必要に応じて譜例に示してあります。
親指とその他の指を使って個々の音を同時に鳴らすコードを ブロック・コードと呼びます。こんな感じです。
弦をかき鳴らす弾き方に比べて より透明で明瞭なサウンドが出ます。
ただしブロック・コードの場合、 最大でも4音または5音しか鳴らせません。 弦を弾く手の指の数に制約を受けるからです。
その代わりに、鳴らす弦を簡単に選べるという利点があります。
ブロック・コードを弾くには 「ピッキング・ハンド・テクニック」で説明した要領で 親指とその他の指を鳴らす弦に当てて準備しておく必要があります。
親指とその他の指はフリー・ストロークで 互いに反対の方向に等しい圧力をかけながら動かします。
こうすることですべての弦の音が バランスのとれた音量と均質なサウンドで鳴らせます。
しかも、手の動きを最小限に抑え すぐに次のコードが弾けるような手のポジションが保てます。
弦を弾く手の親指以外の指は互いに軽く触れ合うようにして ひとつのユニットとして動かします。こんな感じです。
関節をちょうつがいのように使い ちょうつがいを軸にしてドアを閉めるようなつもりで 弾くように心がけて下さい。
それではまず、4、3、2弦をそれぞれp、i、mの指で鳴らして Emのトライアドを弾いてみます。 ワン、ツー、スリー、フォー。
次に薬指で1弦の音を加えます。 ワン、ツー、スリー、フォー。
次もp、i、mで弾きます。 Emのトライアドですが、ルート音を1オクターブ下げます。
2オクターブ上のEを加えることでトニックの音を重ねて p、i、m、aの指で鳴らします。4音のコードにすることも可能です。 こんな感じです。ワン、ツー、スリー、フォー。
では次に、4分休符を挟んだ4分音符のタイミングで 同じコードを弾いてみます。ワン、ツー、スリー、フォー。
コードを鳴らしたあと1拍休んでいる間は 指を弦に再び当てて次に弾く準備をしておきます。こんな感じです。
そして、次のコードを鳴らすのを待ちます。
休符のところで鳴っている弦の音をすべて消すには 弦を弾く手の親指で4~6弦をミュートして、 他の指でそれぞれ1、2、3弦をミュートします。こんな感じです。
低音弦は、左手の指でミュートすることもできます。
いずれにせよ、練習する時にはメトロノームを使い、 コード、休符、コードというリズムのなめらかな流れを 作るように心がけましょう。
ロールド・コードは、弦をかき鳴らす方法とサウンドは似ています。 譜面上で波打つ矢印で表記するという点も同じです。
しかし、親指とその他の指を使って弾くという点では ブロック・コードと同じで鳴らす弦の選択も簡単です。
では、最初にブロック・コード、次に個々の音を下から順に ひとつひとつ弾いてみます。こんな感じです。 Ex-2の1小節目だけ弾いてみます。
ブロック・コード。 ワン、ツー、スリー、フォー。
では次に、個々の音を下から順に。
次にロールド・コードで、こんな感じ。 ……ツー、スリー、フォー。
今は弾く手の指を素早く回転させるように弾きました。 p、i、m、aの順で。
親指から他の指にかけて ひとつの波が伝わっていくような感覚で弾いて下さい。 手は動かしません。こんな感じです。
ロールド・コードでは、アタックが多少分散するので 個々の構成音に注意が行きます。
そのためフレーズの始まりや終わりを強調するのに使われますが 使う場所に制限はありません。
弦をかき鳴らす奏法と同様、指を素早く回転させて ブロック・コードのようなサウンドにすることもできます。
また、指をゆっくりと回転させてコードの最後の音に向かう 一連の装飾音のような効果を出すこともできます。
回転のスピードをいろいろ変えて実験して 最後の音をダウンビートにぴったり合わせられるようにして下さい。 こんな感じです。……ツー、スリー、フォー。
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