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空間 それは物事の起こる場所
時間 それは物事の起きる時
我々は 物のある場所と 物事の―
起きる時間を測定できます
しかし現代の物理学では
「どこ」と「いつ」は実際のところ
切り離すことのできない 一つの質問となるのです
宇宙についての 理解が深まると
3次元空間に時間を加えて
一つの概念 つまり
4次元の「時空」で 置き換える必要があるのです
これから一連のアニメで
時空を探検し これを説明していきましょう
アニメ?
まあね
我々はアニメのようになっていないって?
勿論なりますよ! ここから あそこまで行ってみましょう
わお! どうやってたどり着いたの?
どれ程 速かったんだろう?
走った? それとも歩いた?
真っ直ぐに移動した?
おっと! それに答えるには 漫画的な物理学を
物理学的な物理学にして見せないと いけませんね
もっと多くのコマが必要になります
お願い もっとパネルを!
OK アンドリューの位置は パネルごとに少しずつ 異なっています
そう 各パネルには
各時刻にアンドリューが どこにいたか記録されていますね
素晴らしいことです でも数百のパネルを
切り出して
積み重ね
パラパラ漫画のようにしてみましょう
パラパラと本をめくると
1秒間に24コマのパネルが
次から次へと表れてきます
そらね!アニメだっていったでしょう
今度は私が歩いているところを 見てもらいましょう
各パネルを描いて めくる本を作るのは
私の動きを記録する 一つの手段ですね
アニメや映画の仕組みは こんな感じです
お分かりのように 私の歩く速さはというと
フェンスの杭の間を 通り過ぎる時間が2秒で
4m間隔となっているので
空間を移動した速さを
計算することができて―
毎秒2mとなります
でも本をパラパラしなくても
パネルから直接計算することだって できるかもしれません
めくる絵本の端っこから
杭とアンドリューを 全てのパネルで見ることができますが
杭とアンドリューを 全てのパネルで見ることができますが
パネルごとに彼の位置が 少しずつずれています
毎秒24コマでめくったときの アンドリューの動きを
ただ眺めるだけで 速度を含めて
アンドリューに起こることを全て
予測することができます
パネルをめくる必要は全くないのです
アンドリューの動きを
パラパラ漫画の線で表したものは
時空図として知られ
これで場所と時間が分かるのです
アンドリューの動きを表す線を
彼の世界線といいます
私が歩くのではなく ジョギングすると
杭の間を1秒ごとに 通り抜けることができるでしょう
彼はアスリートでは…ありませんね
それはさておき この新しいパラパラ漫画を 最初から見てみましょう
前と同じように 解析することができます
ジョギングするアンドリューの 世界線は
彼が歩いた時の世界線よりも より傾いています
彼が歩いた時の世界線よりも より傾いています
パネルをめくらなくても
2倍の速度で動いていることが 分かります
でも ここからがちょっと難しい話
物理学では 他人の立場から 見てみるのが良いのです
結局 物理学の法則は
誰にとっても同じであるべきです
さもなければ 誰も法則なんかに 従いません
もう一度 漫画のことを 考えてみましょう
ジョギングするアンドリューを追って カメラ撮影をします
塀の杭が近づいては 彼の後ろに通り過ぎていきます
同じパラパラ漫画を眺めるだけでよく
パネルを描きなおす必要はありません
とり出したフレームを 単に少しだけ傾け
アンドリューの傾いた世界線が
完全に垂直になるようにします
なぜかって? めくってみましょう
そうです 私は静止した状態で パネルの中央の
一点でジョギングしているのです
パラパラ漫画の線は
私の世界線は まっすぐ上に伸びています
杭は私の後ろを通り過ぎていますね
今や 杭たちの世界線が 傾いているのです
このようにパネルを配置し直すことは
ガリレイ変換として知られていて
これで物理現象を他人の視点から 解析し直すことになるのです
この場合 私のことですね
結局のところ 特に観測者が 様々な速度で動いているとき
別の視点に立ってみることは
いつだって良いことなのです
あまりにも速度が速くなければですが
宇宙線が光速で動いていると
あなたの視点をパラパラ漫画で 表わそうとすると失敗します
そうならないようにするには
パネルを積み重ねていくのではなく
一緒にして くっつけなければ なりません
固定された時空が必要となるのです
これについては次回のアニメで説明しましょう