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モヒカン族の最期
監督モーリス・トゥールヌール クラレンス・ブラウン
西暦1757年 ある夏の日の午後
ハドソン川の渓谷を見渡すある丘の上にて
二つの悲劇の象徴 かつて巨大な一族を成したインディアンの生き残り
酋長グレート・サーペントと息子アンカス
白い顔たちは我々の友 あそこの砦に行き
脅かされている危険について伝えるのだ
"エドワード砦"
侵略中のフランス軍に攻撃されていない 数少ないイギリスの前哨基地の一つ
荒野の中にあってさえも穏やかで育ちの良い女性は 優雅さと気品ある生活をどうにか維持するものである
軍人の娘の一人 コーラ・モンロー エドワード砦を訪問中
明るい心を持ったコーラの妹 アリス
コーラはアリスが幼いころから母代わりをしていた
ランドルフ大尉
大尉は戦争などより女性に興味があった
ヘイワード少佐 少佐は移り気なアリスに恋していた
青春という不滅の精神を楽しむ間は
迫り寄る嵐には注意を向けないものである
ウェッブ将軍何かお話してくださいな
ヒューロン族が敵に回り戦おうとしている
ヒューロン族はフランス軍の火酒を呑み 嘘口を耳にした
コーラの少女らしい空想は 若き酋長の中にロマンスの光を見た
間違いなく彼の民族で彼は王子様だわ
あなたはモンロー大佐の娘なのですよ!
薄汚れた蛮人にうっとりするとは!
エドワード砦から行軍距離二日
ウィリアム・ヘンリー砦ではコーラの父モンロー大佐が
フランス軍の急襲に勇敢にも抵抗していた
モンカルム配下のフランス軍 3個師団が湖を渡りました!
人 馬 銃砲です!
マグア ― イギリス軍のインディアンの使者
神よ!エドワード砦に伝令を届かせたまえ!
さもなければ二度と我が娘に逢えないかもしれません!
ウェッブ将軍とその幹部
モンロー大佐の通達を聞くため招集される
モンカルムとインディアンの連合軍が
ヘンリー砦に進撃してきている
3000人以上の補充を頼む
お父様に再会する良い機会です
途中ずっと軍と同乗する必要はありません
インディアンのマグアが 森を通り抜ける近道を知っていますから
就寝の時刻 アリスは興奮で眠れない
怖がることはないわ すぐにお父様と一緒になれるわよ
しかし悪い予感は絶えず立ち現れ
漠とした恐怖を払うことができず コーラは安心できずいた
約束して!たとえ何が起きても 決して見捨てないって
夜明け
お前が案内役か?
ランドルフ大尉は
あの女性たちの保護で ヘイワード少佐を助けるおつもりですか?
許可があれば
部下とともにその任務に就きますが
森― そして分かれ道
インディアンの目だけが気づく秘密の道
私めは神の従僕ガマット
ウィリアム・ヘンリーまでの相乗りをお許しください
我々の勇敢な戦士のため 賛美歌を謡いたいのです
数時間後 一寸先も見えぬ大雨に 一行はずぶ濡れになり勢いをそがれた
アンカスと父 その友人斥候のホークアイ
嵐は森男たちも足止めにした
ヘンリー砦はどの方向だ?
インディアンの案内役が道を見失った!
インディアンが森で迷子だと?信じられん!
案内役は目が見えないのか
土の臭いとあらゆる草の葉が道を教えてくれるはずだ!
奴がいない!
その下劣な輩はあなた型の頭の皮を狙っていたのだ!
来い! この森はもう安全ではない
グレンの滝近くの洞窟
ホークアイとモヒカン族のみ知る隠れ場所
アンカスが見張っている
危険の共有というものは 二人をともに引きよせ結びつけるものである
それは広く分かたれていた二人に生じた神秘であった
野蛮人の素朴な言葉が
これほど思考と想像力をかきたてるとは
怖くはないか?
それが最後の弾だ 無駄にするな!
慈悲ある行い
何が起ころうともそれは我が神意のままだ
洞窟の中 数分が経過
しかし計略は成功したという確信は強まっていった
マグアは囚人殺さない
苦しめる
策略の失敗を見つめる鋭い眼差しがあった
見捨てられた小砦
黄色髪助けたいなら
妻になる同意しろ!
いやよ いや!一緒に死ぬほうがましよ!
ヘンリー砦までほんの少しの距離だ
日が暮くれぬうちには着くだろう
結局 到着したのは軍と同時刻であった
ひじ鉄砲には傷心したものの
ランドルフはコーラとの片を付けようと決心する
温和さの影に隠れていたランドルフの虚栄心は傷ついた
そして誇りに怒りが爆発した
モンローの司令部では 砦の危険状況について話し合っていた
砦の左の銃砲が役立たずということは知っている
だがモンカルムはそれを知らん!
神のご加護があれば我々は窮地を脱する!
状況は本当にそんな悪いのですか?
もしモンカルム側のインディアンが 真実を知っていたなら
夜明け前には我々の頭の皮が 奴らのテントに吊るされるだろう
この一人の臆病者の心中の 恐怖の芽が育っていった
敵陣の中 裏切り者
モンカルム 敵国フランスの最高司令官
停戦の旗の下 モンカルムはモンローに会談を要求した
モンロー大佐 君の砦の陥落は避けられない
私は君の砦の左側銃砲が 無用の長物なのを知っている
君は我々の攻撃に決して抵抗しきれまい
その言葉はモンロー自身が口にした 砦の状況そのものだった
女と子どもについては?
女と子どもには危害を加えない
モンカルムに敬意を
文明とは終わりのない恥である
その夜 強欲な白人どもはヒューロン族に火酒を売り
酔ったインディアンどもは呑めや唄えの乱痴気騒ぎ
火矢で戦の踊りを踊り 死の序曲の歌を歌った
朝 ― 鉛色に垂れ込めた空の下
私は最後の一人が去るまでここに残る
残りは安全なうちに行け
マグアは自らの支配者の権威に歯向かい
ヒューロン族の戦士を煽動した
とうとうマグアの時代が来たぞ!
私のテントについてこい黒髪!
負傷のイギリス兵たち 敵を排除する力もない
危険 火薬庫
煙燻る廃墟の真っただ中
マグアは平和なデラウェア族の集落で厚遇を求めていた
ここが終点だ 賢いデラウェア族ならば
我々の話を聞けば マグアの嘘など信じはしないだろう
インディアンの正義 デラウェア族には古い掟があった
それは三者の賢人会議により 公正に統治するというものである
マニトウの掟により
黒髪はアンカスが持っていく
しかし黄色髪は掟によりマグアの所有物だ
聖地の掟 マグアを日没まで守る
あなたと一緒に行くわ マグア 私が妹の代わりになる
太陽が落ちたら すぐお前の後を追う!
荒野から遠く 集落に夜が訪れた
コーラの背後は いつも マグアの眼に捉えられていた
一歩でも近づいたら 私は飛び降りるわよ!
夜の時が摩耗していく
堅固な辛抱強さを持つインディアンは 待ち続けていた
苦闘の末 睡魔がコーラを征服するのを
道なき荒野を越えて 心が心の叫びを聴く
美しく陽に照らされた谷で
孤独な岩山の上で
ああ 赤い肌の民びとよ! 私は人生の夜明けに
父祖の喜びと強さから生まれた息子たちを見た
そして夜の帳が降りる前に
私はその死を モヒカン族の最期を
しかと見届けたのだ
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