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私たちは、24時間の周期で自転する星に 暮らしています
その昼夜のリズムは、地球上の全ての 生き物の体に、刻み込まれています
昼は、まぶしい太陽の輝きを浴びる時間
夜。闇があたりを包み、休息、安らぎ そして神秘的な夜の美しさを楽しむ時間
そう、ほんの1世紀前までは 夜空はとても暗く、美しいものでした
しかし今では、人の住まない荒野にまで 光が侵入してきています
光にあふれた夜の街
ビルは明るく照らされ たくさんの街灯が煌々と輝いています
こうした光が、夜の本当の暗さを 奪っているのです
宇宙から見ると、エネルギーの 無駄使いがよくわかります
宇宙飛行士が見る、ギラギラと輝く たくさんの光
これらの街明かりは、大気中で散乱し 夜空を明るく照らしてしまいます
この問題は、光害 [ひかりがい] と呼ばれています
私たちは、夜の暗闇を 急速に失っているのです
光害は、地球上の多くの生命に 悪影響を与えます
植物は成長を阻害され、おびただしい数の 生き物が、死に追いやられているのです
高層ビルの明るい窓に激突し 命を落とす渡り鳥たち
人工の光を海面のきらめきを錯覚し 引き寄せられるウミガメの赤ちゃん
私たちの日常生活も 光害の影響を受けています
眩しすぎるランプによって ドライバーや歩行者の目がくらみ
大きな事故が起こる危険性があります
また光害は人々の健康をも おびやかしています
夜間の仕事や明るい都市部での生活で 夜に強い光を浴び続けると
体内時計の乱れによる睡眠障害 さらには
ある種のガンのリスクが 高まることが知られているのです
これは、ほんのわずかな 明るい星しか見ることができない、
光害の影響を受けた夜空
もし光害を減らすことができたら、
こんなに美しい星空を 見ることができるでしょう
ぼんやりと輝く光の帯は、天の川 私たちの住む銀河系の姿です
皆さんはこんな天の川を 見たことがありますか?
夜が明るくなることは 天文学者にとっても深刻な問題です
宇宙で起きている、様々な現象を研究するためには 暗く澄んだ夜空が必要なのです
光害は遠い宇宙からのかすかな光を かき消してしまいます
夜空を照らすことは コストと資源の無駄遣いです
たとえば、100ワットの電球を1つ 1年間毎晩つけっ放しにすると
およそ500キログラムの石炭の 消費に相当します
そう考えると、街全体では一体どれだけ多くの エネルギーが無駄になっているのでしょうか
照明を使うとき、ちょっとしたことに 気をつけるだけで
環境を守り、エネルギーを無駄にせず 暗い夜空も守ることができます
夜空の方向に光が漏れている照明器具は
本当に必要な場所、つまり
地面だけを照らす器具に置き替えてはどうでしょう
本当に必要な場所にだけ、照明をつけましょう
必要ない時間には、消灯しましょう
これが、光害を抑える環境にやさしい照明の使い方です
簡単ですよね?
さて、あなたは次のどちらを選びますか?
夜空を照らして、大切な資源を無駄にするか
それとも、環境にやさしい照明の使い方を実践するか
光害をなくすために 私達にできることがあります
さあ、力を合わせて 地球に暗い夜を取り戻しましょう