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出演者はプロです。真似しないでください。
静かだ
いいね
魂にしみる
幸福
僕の移動手段。
出発だ。
興奮してる?
ああ
撮影開始だ。
撮影
出演
パート2
第一幕:改造
いいか?
すべてが刺激になる。
建築物がベストスポットになり得る。
他の人なら素通りする場所に、自分は釘付けにされる。
おもしろいな。
スノボーをする人だけが気付く。
スノーボード向きのスポットを気にしなかった時はない。
無意識の内にも常にスポットを探している。
デートやディナーに出掛けても、「この坂は覚えておこう!」 という具合。写真を撮ることもある。
いつもそうなんだ。90歳になってもきっと変わらない。
今の超すごい!
少なくともストリート・スノーボーダーには、 普通の人とは違う何かがあると思う。
普通の人だったら目もくれない物に、どうしても目が行ってしまう。
大会に出たり、公園で滑ったりしない。 そんなことのためにスノーボードを始めたんじゃない。
他より上手だと審査員が褒める。そんなことは目的じゃない。
それは僕流じゃない。スノーボードを始めたのは、外に出て
友達とつるんではしゃぎまわるため。撮影はいいね。16の時に
あちこちドライブしてスノーボードに恰好な場所を探していたのと同じだ。
これはすごい。
撮影は大会とは違う。やりたいことができる。
いい場面にしたかったら、そうすればいい。
自分がやりたいことを見つけて、自分がやりたい技を披露する。
素晴らしい技の数々に、視聴者は驚くだろう。
準備完了。
ナイフある?
めちゃくちゃ寒い。少し熱して、雪を湿らせる。
僕は26なんだけど、いつもどうにかして警察をかわして、 やりたいことをやらせてもらうんだ。
頭の切れる警察や警備員をなんとか追い出す。
出たり入ったりしたいんだけど。
もちろん階段を使いたい人がいたら、協力します。
都会のレールでしかトリックができないスノーボーダー、 というレッテルを貼られている。
すべての子供が山で育つわけじゃない。
都会であってもすごいことができるのを、 みんな知らないと思う。山に劣らない。
スノボーにはいろいろな側面がある。かなり危険だ。
技が非常に高度になったため、リスクも大きい。
飛ぶ前に、気持ちを奮い立たせる必要がある。
気持ちを上げないと。
できるんだと自分にかなり言い聞かせる。 「やる価値があるのか?」と思うこともある。
顔を4ヶ所骨折して、自分のこの先をよくよく考えたよ。
-準備は? -いいぞ!
電源ON!
くそ!
ああああ、くそ!
かなりビビった。
気持ちが高ぶるというか、アドレナリン、克服したい気持ち。
そういう過程を経て名シーンが生まれる。尋常じゃない。
普通の人では感じ得ない気分だ。
何度も何度も挑戦した後の成功は
とにかく最高だ。嬉しくて上機嫌だ。
ありがとう! 成功して嬉しい。
X-Game後、2週目にしての成功だ。興奮してる。
口では説明できない。やっているからこそわかる。
その日が終わるまでには成功させることが大事だ。
いくぞ!
いいぞ! これだ!
ケガして四日目。これ以上の興奮はない! 3年間温めてきたシーンを撮った。
ものすごく興奮してる。ヘリコプターから、 バックフリップを撮影した。カメラはそこに。
ものすごかった。
第2幕:野望
準備はいいか?
おふざけは終わりだ。いくぞ!
セージ・コッツェンバーグ登場で会場はざわめいています!
違うタイプの人間だ。
大会に出るのは、自分や世界に何かを証明しようとする人。
みんなの前で証明するのを恐れない。
全世界の眼の前でベストを尽くす。
何度でも挑戦できる撮影とは違う。
大会ではやり直しはない。観客や審査員を 感動させるチャンスは1度きり。成功のチャンスは一度きりだ。
それこそが、他との大きな違いだ。1度きりのチャンス。
すごいぞ、ルイ・ビト。
絶好調だ。狙っているな。
大興奮ですね。
何も考えずに音楽を聴く。音楽の存在は大きい。
他をすべて締め出し、気持ちを高揚させ、絶好調にさせてくれる。
実況や観客の騒ぎは耳に入って来ない。 自分のやりたいことにのみ集中する。
上手く滑れないのに大会があったり、 調子は最悪なのにやらなきゃいけない時は、仕事みたいに思える。
大会でもなければ、こんなひどいコースでこんな 高度な技をやるような気分じゃない、って感じ。
おもしろいことなんてない。最低です。恐怖です。 でもやらなきゃいけない。
選手は誰もそうだと思うけど、大会に緊張はつきものだ。
心臓はバクバク、手には汗をかき、緊張で気分は悪くなる。
とにかく終わりにしたいしたいと思う。
プレッシャーをどう克服するか? 敵は自分自身だ。
練習中は絶好調なのに、 本番では最初のストレートエアで失敗する。
プレッシャーでぼろぼろだ。
不安を抱いたまま滑ることもある。みんな同じだと思う。
スノーボードには今、多種多様な技があって、 リスクが高い技も多い。
リスクを知り、それを 計算に入れることもこの競技の一部だと思う。
大技で2回転以上する時、 間違いなく危険と恐怖感が増す。
19年の間に骨を25本折った。
鎖骨、両腕、両手首、手の3本、 鼻、胸骨、顎、足。ひどかった。
大会はますます狂気じみてきている。
ジャンプ大会なら3回転が必須だ。 でなければ負ける。
おもいっきりいきました。
1回、2回、3回。
あ~、これは失敗!
やらなきゃならない。 いつかは成功するだろう。
-何か覚えていますか? -全部覚えていますよ。
首が落ちないように押さえていないと。
やっちゃった。
大会では、自分の一番良いところか悪いところ、 そのどちらかが出る。
きれいなフロントファイブ。 素晴らしいバックナイン。
そして、フロントナインとダブルノーズグラブ。
すばらしい。
締めくくりは大きなフロントテンです。
これはすごい!
ヒール抜け。メロングラブ。
スノーボードは日々進化している。そういう中で、 スコット・ラゴやルイ・ビトーが出てきた。
彼らは、限界間際でやっている。
またやってくれるぞ。
マーク・モリスが2つのジャンプを 軽々と成功させました。軽快です。
着地態勢です。
これは大きい。
スロープスタイルや、ものすごく大きな エアトリックが成功した時は最高だ。
成功するとみんなが注目する。最高だ。
自分も観客も大興奮だ。
優勝って不思議なもの。とても感激する。
アドレナリンがすごくて、尋常じゃない。 ある意味で中毒かも。
滑りが絶好調な時も、気分は最高で、 アドレナリンと感激が体を駆け巡る。
いい気分で、まぎれもない幸福感だ。
プレッシャーから解き放たれる。 やり終えたという気持ち...自分でもわからない。
気持ちは最高だ。とにかく最高
スポーツでも勉強でも何かに没頭して、 新しいトリックが成功したり、
大会で好成績を収めたり、 テストで高得点を取ったりした時の気分。
その気分を味わうために誰もが頑張る。 その気分を味わえば味わうほど、次がほしくなる。
僕ら最高。
大会の後は、家に帰って撮影するのが好きだ。
友達と滑って大会のことは忘れる。肩の力を抜いて。 楽しむのが主目的。
第3幕:探求
かつてはあらゆる大会に参加したかった。 すべてのトリックを習得したかった。
ただ、それが達成されると、 それで? という感じだった。
そのうちに、自然のままの山を滑りたいと思うようになった。 風が吹くまま、雪が降るまま、自然と調和する。
そして一日の終わりには、気分は最高さ。
だからフリーライドが一番だと思う。 自然というよりも自分自身と調和する。
自然を相手に滑り、 山をボールみたいに転がっていく。
不可能はない。人間の能力内なら、 何でもできる。
X-Gamesでトリプルコークを試したい人もいる、
それも結構です、単にパウダーターンを やってみたい人もいる。
小細工しても無理。できることはただ1つ。
何ですか?
何かだって?
ボードに固定することだ。
行くぞ。
トラックは家みたいなもので、3~4ヶ月は生活できる。
12月に出港すると、しばらく家に帰らない。
冬道を3万2千キロは走る。
ウィスラーを横断し、オレゴン、アイダホ、ワシントンと巡る。
恰好の雪と天候をひたすら求め、北西部を主に巡る。
バックカントリーでの普段の撮影は6時に始まる。 まずは、スノーモービル場まで30分車を飛ばす。
スノーモービルと荷物を車から降ろす。
バックパックには、スノーシュー、 ランチ、水、トランシーバーが入っている。
スノーモービルに乗り、 エンジンをかけ、突っ走る。
行き先や目的が決まっている場合もある。
たいていは、あちらこちらに目を やりながらひたすら走る。
何を探しているのかは、 最後まで自分でもわからない。
いい場所があると、 撮影の準備をする。
僕は頂上に登り、自らを鼓舞して、 心の準備をする。そして滑り出す。
予想もつかない。スピードは出せそうもないけど、 ゆっくりは嫌だ。
-準備は -OKだ。
-オースティン、いつでもいいぞ。 -行くぞ!
3...2...1...
常に自分との闘いだ。 成功すれば最高だし、失敗すれば最悪。
アラスカはとても神聖な場所だ。 アラスカこそが、毎年の最終目的地。
初めてのアラスカはちょうど10年前、 ニコラスとだった。
2003年、その時僕の スノーボード人生が大きく変わった。
あらゆる自然のコースがあった。 それで上達した。
僕がアラスカに行くことを母は、 「故郷に帰る気持ちでしょうね」
と言っていた。確かにそうですね。
慣れたコースもあるけれど、常に新鮮な気持ちだ。 何が起こるかわからない。
恐ろしい瞬間もある。
数値になんてできない。その場にいる自分だけが感じる恐怖。
すごい!
ヘリコプターからは整った壮大な地形が目に入るけど、 頂上に立つと戦慄が走る。
一人っきり。後戻りはない。 問題発生時にも備えはできている。
アラスカで成功するには、 楽しまなくちゃだめだ。
パニクっちゃいけない。 時間はたっぷりある。
やがて自信が出てくる。楽しいぞ、 危ないことなんてない、行こう、と。
自分の中でゴーサインが出る。そしたらただ滑り出すだけ。 何も心配しない。問題は起こらない。
ストラップを締める。気分は最高。小さい問題なんて忘れる。 そして滑り出す。最高だ!
飛んでる。
いいぞ!
最高だった。
最高だった。
すごかった。
スノーボードとは一体何なのかわからない。
みんな、X-Gamesやオリンピックの2日間に照準を合わせる。
エピローグ:お祝い
楽しいけれど、それは本質じゃない。 ショーに過ぎない。
僕にとってのスノーボーディングは、 ショーとは対極だ。
X-Gamesや尊敬を集めるってことじゃない。
早朝に起きて山に行き、友達と滑る興奮。
スノボー仲間。歓声。そのためにやっている。
そのために早起きする。
このフィルムに登場する仲間にとって12年超しの夢だった。
子供の時に夢みたことだ。芸術作品を求めてきた。
それこそが求めてきたこと。
ゴールでなく、その過程が大事だと思う。
ゴールに至るまでの経験が大切なんだ。
大会での栄光の瞬間から、山で最高の男になるまでのすべてが。
俺の瓶を割ったぞ。
スノーボードやスケートボードで、最高の人間関係が生まれる。 スポーツそのものよりも価値がある。言葉にできないよ。
バックカントリーで気を付けることは、寒さだ。
準備いいぞ。興奮してる。
ギチとニコラスからパワーをもらった。
バックカントリーでは何が起こるか見当もつかない。あれ見てよ。
クォーターパイプみたいだ。
あれに挑戦する。パウダーのクォーターパイプ。
一番は嫌だ。俺もだ。
じゃんけんだ。いいか?
ちくしょう!
3...2...1...
もう一つ気に入っていることは、スノーボードを 考える時には、「今」というのが大切な点。
外に出て、今を楽しむ。それこそ自由だ。
ある時女の子が、「バックフリップを習いたいのに、 凍ってる」って言った。
僕には完璧に思えたから、 とにかくバックフリップをした。
簡単に友達が見つかる。すごいよ。
目にしたことを伝えるのはとても簡単。 想像力を使えばいい。
スノーボードはスポーツを超えている。
山を飛んで降りる。登っては降りる。それが可能だ。
フィールドがなければ時間制限や点数もない。 それ以上のもの。
運が良かったと言われるのが嫌だ。自分自身で築き上げたんだ。 誰にでもやれる。
来る日も来る日も滑り、新しいトリックを練習し、 新しいコースを発見する。それに勝るものはない。
自分が本当に信じることを一生懸命やれば報われる。
追い求めてきた大きな夢がある。
一歩一歩進んできた。先生やその他大勢が 「成功するはずない、家族を養えない。
最後には工場に勤務することになる。あれになれ。 これをしろ」と言っていた時があった。
でもそれは違った。そんなことをする必要はない。
僕を幸せにしてくれるものは何か? スノーボードだ。
何も約束はできない。ただ、 一緒にスノーボードに行ったら、
最後には満足して満面の笑顔になり、 「最高だった」と言う事になるだろう。