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こんにちは。アレックス・デ・グラッシです。 今回は『フィンガースタイル・ギター・メソッド』から オルタネイティング・ベースを豊かにする方法について説明します。
オルタネイティング・ベースの 基礎的な指使いを理解したところで
そのサウンドを豊かにするステップやラン、 ピンチの練習をしてみましょう。 同時に、ピッキング・パターンにメロディを織り込んでみます。
オルタネイティング・ベースのコードは パッシング・トーンを経由して連結できます。 これがステップやランを含むベース・ラインです。こんな風に。
パッシング・トーン(経過音)はコードに含まれない音ですが コード進行を強調するために使うことができます。 また、なめらかなベース・ラインを作るのにも役立ちます。
例えば、GからCへコードが進行する時に A音を経過音に使ってみます。
ステップは通常1、2音で構成されます。 こんな風に。
一方、典型的なランはステップよりも長く、凝っています。
そして、どちらも通常はアクセントが置かれています。 経過音を使ったフレーズの例です。
1小節目では、 1、3、4拍目にアクセントのついたベース音が 経過音のAを経由してG音からB音に移動します。
1拍目の音が2分音符のように響いて 3、4拍目の4分音符につながっている点に注目です。
3小節目では、 ベース音が3拍目で経過音のE音に下行し 4拍目のF♯に上行しています。こんな風に。
そしてG音に解決します。
ここでもやはり1拍目の(D)音は 2分音符のように響いています。
4小節目では、 ベース・ラインが経過音のA音とB♭音を経由する 4音のランになって、4拍すべてにアクセントがきます。
5小節目にも経過音が使われていて、 B音とA音が6小節目のG音につながっています。 こんな風に。
また、6小節目の3拍目のアクセントには 8分音符のハンマー・オンによるステップが出てきます。
8小節目では、ソロのベース・ランが出てきます。 8分音符やハンマー・オン、パッシング・トーンを駆使し エンディングを装飾しています。こんな風に。
ここでは、オフ・ビートでも いくつかの音符を(弦を押さえる) 指で弾いている点に注目しましょう。
ステップやランを使うと音数が多い印象になりますが 必ずしもオフ・ビートの空間を埋める必要はありません。
オフ・ビートの音を加えたり省略したりして 譜例の印象がどう変わるか実験してみて下さい。
オルタネイティング・ピッキング・パターンのトレブル音は ベース音と同時に“つまむ”(=ピンチ)ようにして 鳴らすことができます。こんな風に。
親指と他の指に同じ圧力を加えて 2本の弦をつまむように弾いて 2音を同時に鳴らすようにします。
ピンチ・テクニックは 小節のダウンビートを強調するのに特に効果的です。 この例(Ex-2)のように。