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もうひとつの空
きみの降る 砂の城の塔の上
いつかみた幻が
わずかばかりのやさしさをみせる
花の降る 砂の城の塔の上
焼けた王女のからだと
痛む王子のからだに
わずかばかりの言葉なげかけた
鋼降る 砂の城の塔の上
合せ鏡の戦いに
わずかばかりのあきらめをみせる
月の降る 砂の城の塔の上
忘れ去られた歴史と
止めど流れる時間に
わずかばかりの答えをくれた
ああそれはいつかみた幻の城
いま城壁から崩れていく
灰の降る 遥か遠い人々が
いつまでも繰り返しで
ただ狼狽え続けてた
臆病な あの空を呼んでいる
火の粉降る
人が降る
枯れ葉降る
星が降る