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あなたがインターネットを使ってる時、 どんなことが起きているのでしょうか?
例えば、友達とチャットしたり、メールしたり、本を注文したり、
天気予報を調べたり、映画を見たり、 ペロポネソス戦争について勉強したり、
その時は、あなたが欲しいものやしたいことに、 あたかも1本の線で直接つながっているみたいではないですか。
でも同時に、あなた以外のたくさんの人も、 いろいろなところにつながっています。
どうしたら、そのようなことが実現できるのでしょうか?
それは、まさに「契約を結ぶ」ことと同じなのです。
ゲームを例に考えてみましょう。 ゲームは、お互いが共通のルールを守ることで成立します。
でなければ、つまらないものになってしまいます。
あなたが2つ以上のコンピュータをつないで動かすとき、 それは1つのネットワークになります。
もし友達も同じことをしたら、別のネットワークができます。
もし、あなたたち2人が、
お互いのネットワークを同じ方法で動かすことに合意したら、 2つのネットワークを接続することができます。
つまり、相互につながった1つのネットワークになります。
こうした、つなぐためのルールは、 「インターネットプロトコル」と呼ばれています。
私たちはより多くの端末やネットワークを、お互いの合意のもと 世界中がつながるまで追加していくことができます。
これが「インターネット」なのです。 互いに共用する複数のネットワークで構成されたネットワークです。
インターネット上の全ての端末は、固有のアドレスを持っています。
あなたがインターネットを通して送るものは全て、 端末から端末へのまさにメッセージです。
しかし、そのメッセージは1つの大きな固まりで 流れていくわけではありません。
それは小さなパケット(小包)に分割され、
「それは何なのか、どこから来てどこに届けられるのか」 といった情報をつけて送られます。
この時、あなたのメッセージは、実際にはいくつかの 別々の通信経路を通って目的地に届きます。
それらを受けとった端末は、プロトコルに従うことで 小分けされバラバラに届いたメッセージを元の形に復元できます。
インターネットの強みは、分散分権的なネットワークであることです。
とても多くの接続点が存在しますが、単一障害点はありません。
もし、ある通信経路が過負荷になったり故障になっても、 あなたのデータは、別の通信経路を通っていきます。
もしインターネットが広い範囲で壊滅的打撃を受けたとしても あなたのメッセージは別の通信経路を見つけて流れていきます。
例えば、あなたとあなたの友達が別々のインターネット サービスプロバイダーに契約しているとします。
その場合、あなたの送ったデータはどのようにして 別のプロバイダーのネットワークに届くのでしょうか。
いくつかのプロバイダーは、互いに専用につなぎあって、 トラフィックを交換します。
しかしより多くのトラフィックは、共用型プラットフォームである 「インターネット・エクスチェンジ」を通じて交換されています。
インターネット・エクスチェンジ(IX)は、様々な企業や 団体が集い、互いの技術を相互接続する場です。
アクセス事業者や放送局、出版社、SNS、通信事業者などなど,,,
インターネットのトラフィックでビジネスをするものなら誰でも、 IXから便益を得ることができます。
共通の場所で接続しあうことで、参加者はコストを削減し、 互いのトラフィックをより速くて効率的に流すことができます。
プロバイダーはかつて、互いのデータを運ぶことに 互いに課金しあっていました。
しかし、定常的にトラフィックを交換しあうプロバイダーにとって
すべての売り買いの行為は、かえって面倒なことになりえます。
もし彼らの多くが、 互いのデータを課金せずに運びあうことに合意したら、
彼らの通信コストは下がり、トラフィックもよりスムースに流通します。
プロバイダーは、このプラットフォームに1つ接続することで、 多くの参加者とトラフィック交換ができるようになります。
この行為を「ピアリング」と呼びます。ピアリングは、 インターネットをより速くし、より手頃なものにします。
IXの参加者は、互いの便益に従って取引します。
だから、ピアリングシステムは自らを制御する傾向があります。
ピアリングは、ともすれば企業が自らのサービスを販売する機会を 放棄しているように見えるかもしれません。
しかし実際には、各プロバイダが、自らの顧客が必要とする 全てのソリューションの一部を提供しているに過ぎないのです。
最も効率的かつ確実にトラフィックを運ぶために。
インターネットは、オープンで、分散分権的で、 そして完全に中立的なものです。
その英知は、インターネットのコア(中心)でなく、 エッジ(端)にあります。
どんな組織もインターネットを単独で支配することはできません。 だからこそ、インターネットはきちんと機能するのです。
互いに協力しあうことで、 私たちはみんなでインターネットを作り上げています。
そう、それこそがインターネットの本質なのです。