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どうして歯磨き後のオレンジジュースはそんなにもまずく感じるのでしょうか。
そのわけを探るためにも、人間の舌について詳しく見てみましょう。
舌の表面の小さな点々は味受容体によって形成されたものです。
私たちが苦み、甘み、うまみなどの味の違いを認識するのはこれらの味受容体によるものです。
イオンチャネルが食物中の塩や酸の濃度を認識し、私たちにしょっぱさやすっぱさとして伝えます。
オレンジジュースに含まれる砂糖分子が”甘み”の受容体に結びついたと示したとき、私たちが甘いものを味しているという信号が私たちの脳に 送られます。
歯磨き粉がSLSとして知られる洗浄性のラウリル硫酸ナトリウムを含んでいます。
SLSは歯が綺麗になると泡を出し、歯磨きが十分であることを示しています。
不運なことに、SLSは一時的に苦みの味受容体を閉ざすリン脂質までも取り除いてしまいます。
これにより舌はオレンジジュースの苦みにより敏感になり、あのまずさを感じることになります。
もちろんSLSは味覚を変えるだけのものではありません。
マジックベリー中に発見された合成ミラクリンは甘みの受容体を閉ざし酸だけに反応するようになってしまいます。
マジックベリーを食べた後、酢スプーン一杯はシロップスプーン一杯ように甘く感じます。そしてより不愉快な現象は松の実の時です。
人によっては、松の実を食べた後多くは一週間近くも何を食べても不快な金属臭さを感じることがあります。
これらは中国から輸入された特定の種の松の実によるものです。
けれどこの仕組みはまだよくわかっていません。ただ舌の受容体だけが原因ではないようです。
温度や噛み具合やにおいも感覚に影響します。
ですから次回は鼻を閉ざして歯磨き後のオレンジジュースに挑戦してみましょう。コーヒーやブラッディマリーもいいかもしれませんね。
科学に携わるアメリカの知識人たちのために、ヤスミン・タイヤグがお送りしました。
おいしい。