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ディオールの素晴らしいところは、 コレクションに登場する女性たちが
共に戦う戦士のような表情を していることよ。
彼女たちの姿は本当に勇ましく、 ハイヒールで優雅に闊歩するのではなく、
常に英雄としての強さを 持ち続けているわ。
あの落書きは、 ストリートアートかしら。
ちょっと待って、 眼鏡をかけるわ。
あの色とりどりの ブーツとサングラスが
本当に気に入ったわ。
異なるファブリックで作られた パッチワークのロングドレスが素敵ね。
少しヒッピーな雰囲気も 感じられるわ。
ああ、私は誤解していたわ。
これはまさに60年代、70年代のスタイルよ。
1968年にフランスで起こった五月危機が 過去の世界から蘇り、
あらゆる価値観を 覆しそうな勢いね。
私の母は、当時自分のブラを脱ぎ捨て、 この運動の中で新たな自由を見つけたと言っていたわ。
女性の解放を実現する 第一歩となったのよ。
一言でいえば若さね!若さが溢れ、 素晴らしい時間を過ごせたわ。
「Human rights(人権)」という言葉が掲げられていたわ。 私たちはこのために戦ってきたのよ。
一部の服は何の素材で作られているかも 分からなかったけれど、
ジャケットが とにかく欲しいと思ったわ。
手作業で丁寧に仕上げてあり、 黒豹のモチーフが
とても美しかったわ。 ブーツも歩きやすそうで、
しなやかだったわ。モデルがランウェイを歩くたびに ブーツの音が音楽と共鳴して、
その生き生きとした音に 「これだ!」と思ったわ。
ヴィンテージの雰囲気が最高ね。
デザインももちろん大切だけれど、 私がこのコレクションを溺愛する一番の理由は、
そこから発せられる強いメッセージなの。
この壁一面には、これまで女性の権利のために 尽力してきた素晴らしい女性たちが
描かれているわ。
私たち女性はすでに権利を勝ち得たけれど、 人間として、動物として、そしてこの地球の同胞として、
皆が平等であることを実感する 機会が必要なの。
そのためには、 共に助け合うことが大切だと思うわ。
だから私たちは全員、グローバルな意味での 「私たち」として、未来を担っていく存在なのよ。