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浅尾慶一郎が行くところ、なぜか野党になる!? 政界の不思議な伝説
外交安保、経済の政策通で知られる ©文藝春秋。
小池新党結成で暴風吹き荒れる今回の解散劇。
そんな中、ある政治家の去就が、大政局の羅針盤になるのではないかと囁かれている。
「浅尾慶一郎・前衆議院議員(53)です。
9月27日に自民党入党が認められましたが、政治情勢は一変。
まさかとは思いますが、浅尾氏が入った途端、自民党が野党転落となれば、新たな“浅尾伝説”が生まれることになる」(政治部デスク)。
実は、この浅尾氏、1998年以降、参院2回、衆院3回と当選を重ねているが、一度も与党の経験がない。
「2009年に政権交代があったため、この間、ずっと野党だったのは、共産党と浅尾氏らほんの数人です」(同前)。
政治経歴を振り返れば、与党を経験していないのが不思議なほどの保守政治家だ。
東大法学部を卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。
米国スタンフォード大経営大学院に留学し、MBAを取得したエリート。
「曾祖父が代議士、祖父は侍従長、父は駐伊大使と華麗なる一族の出身です」(同前)。
98年の参院選で民主党から初当選し、国会議員に。
「北朝鮮への制裁案を自民党議員と共同でまとめるなど、外交安保政策に強く、民主党のホープとして期待されていました」(同前)。
ところが民主党が政権獲得に近づいた2009年の衆院選直前、浅尾氏は驚くべき行動に出る。
衆院選転出を求めるも認められず、離党したのだ。
みんなの党を結党し、衆院議員に当選。 党首も務めたが、内部分裂のあげく解党。
今度は、自民党入りを目指して、無所属で活動を続け、前回総選挙では、入党願を出すも受理されることはなかった。
「そこで、麻生太郎副総理や二階俊博幹事長に接近し、ようやく自民党入党が認められました」(自民党関係者)。
だが、浅尾氏の試練は続く。
選挙区の神奈川四区では、前回、浅尾氏に敗れた山本朋広防衛副大臣が比例で復活当選している。
自民党は山本氏を公認し、浅尾氏は公認から外れた。 10月2日、浅尾氏を直撃した。
「小選挙区から出るので直接対決になりますね」。
無所属での出馬になりそうな浅尾氏だが、“伝説”について聞くと、笑って、。
「今回は政権が変わる選挙ではない。 ましてや私の影響なんてものはないでしょう。
今回の選挙は人を選ぶ選挙です」。
悲願成就か、あるいは新たな「伝説」が生まれるのか。