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【ダフトパンク】
【ザ・クリエイターズ・プロジェクト INTEL&VICE】
正直言うと コラボは好きじゃないんだ
でも時には例外もあって 商業目的じゃないー
時代精神を持った相手となら 大歓迎だよ
【ランダム・アクセス・メモリーズ】
【ザ・コラボレーターズ チリー・ゴンザレス】
これは僕の感覚だがー
チャレンジ精神が 活動の原動力になる
ダフトパンクには 相通じるものを感じる
一緒に収録した曲を 聴く彼らの顔を見てー
そう思ったよ
作品に関わったみんなの笑顔が なによりの喜びだ
それに 時間を要する作品ほど やりがいを感じる
喜びと挑戦の融合ー
彼らも その融合が好きなはずだ
ダンス音楽に関しては まだ手探り状態でー
アルバム制作時は いつも誰かの力を借りてた
『アイヴォリー・タワー』は ボーイズ・ノイズにー
プロデュースを依頼した
今回も僕にとって冒険だ
一緒に楽曲を制作した ドレイクやファイストー
ダフトパンクは一流だ
異なるジャンルのプロと 組むとなるとー
いつも僕には ピアノしかないと思うんだ
僕が音楽的な意味で 貢献する時 ハーモニーは欠かせない
最近の音楽にはハーモニーが 十分に生かされていない
ハーモ二ーは 人の感情を激しく揺さぶる
でも その仕組みは 非情に科学的だ
その影響力はすさまじく 耳にするとー
鳥肌が立つほどだよ
ダフトパンクの2人もー
ハーモ二ーの力を 十分に理解している
今回のコラボは とても楽しかったよ
音楽の科学を愛している
彼らは それを理解した上で 最大限に生かしてくれた
ありがたいね
ダフトパンクの曲で 好きなハーモ二ーは?
もちろん あるよ
これは正統派のハーモ二ーさ
コード進行を用いてー
原曲をサンプリングしてるいい例だ
病みつきになるサウンドがー
すばらしいハーモニーへと導く
彼らから頼まれたのは イ短調の曲と変ロ短調の曲ー
またはイ短調の曲と変ロ長調の曲を 自然につなぐことだった
キーチェンジのつなぎ方は重要だ
たとえばバリー・マニロウの曲はー
大胆なつなぎ方を しているのが特徴だ
少し芝居がかった 劇的なキーチェンジだ
今回はもっと繊細な感じで 曲をつなぎたかった
最初の3曲は全てイ単調でー
最後のモロダーの曲は こんな感じだ
これを4曲目のー
「ウィズイン」とつなぐ必要がある
イ短調の3曲と次の変ロ短調に 共通して使えるコードをー
見つける必要があった
僕の結論はFコードだった
ここでFコード
イ短調のままー
Fコードに移行
そしてそのまま...
次の曲へ
クラシック的な技法だ
ダフトパンクは クラシックの作曲家からー
影響を受けている
18世紀から20世紀初期の 作曲家たちはー
曲のキーが聴き手に与える 印象を重視していた
クラシック音楽には 現代人の心にも響くようなー
美しいキーが多数 存在している
今回のようにー
依頼されたことを達成するのが 理想のコラボの形だ
僕は指導や演出なんかは苦手でね
ただピアノに向かい 自分のできることをするだけだ
今回は主演じゃなく カメオ出演させてもらった気分だ
ダフトパンクという すばらしい監督のおかげだよ
彼らはミステリアスな印象だが 実際は温かい性格でー
どんなミュージシャンにも 共感を抱かせるんだ
それにいつも1歩先を行ってる
彼らは基本的に他人の手を 必要としてない
卓越した才能があり 彼らもそれを自覚しているはずだ
ダフトパンクは コラボをすることでー
作品の細部の完成度を 極限まで高めているのさ