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5年以内に、歯車加工業界で 大きな変革が起きるだろうと
私は思います。
現在業界で主流となっている工具や
工作機械が、今後も多く生産されて
いることはないでしょう。
ほとんどの工場で、この新しい技術を 採用するはずです。なぜなら
機械の使用年数は考慮に 入れる必要がないのですから。
40年~60年も使用している 古い機械をお持ちのお客さまが
これらの歯切工具で 生産性を2倍~5倍も
向上させたのです。
それは革命的なことでした。 しかし、今では過去のことです。
この技術は今まさにわれわれが さらに進化させているところです。
ドイツではまだ完全に 広まっていませんが。
ハイス(HSS)の工具を使うと、
それを問題なく使用し続けるために、
多くの作業が必要になります。
大量の工具在庫も必要です。
工具の再研磨は、 輸送、脱膜、再研磨、―
― バリ取り、刃先処理、測定 などの工程があります。
そして、最後にコーティングをして、 お客さまに工具を返却します。
加工工場内ではオペレーターが、 加工開始前に工具径を
チェックしなければなりません。
何十年も前からとは言わないまでも、 しかしずっと長い間
本質的に同じ方法を繰り返して いることに
多くのお客さまが不満を感じています。
このために、この業界のお客さまは、 他の業界では一般的となっている
生産性の向上を追及することが
できませんでした。
それで、お客さまはこれらの 新しいソリューションに、機械の生産性や
能力を向上させることができる 可能性を見出しているのです。
新しいソリューションがもたらされた ことにより、
お客さまが非常に喜んでいることの一つに、
ビジネスを拡大するにあたっても
熟練の職人が不足しているのが 問題とならないことです。
従来のホブ盤、ギアシェーパー、 歯切り盤の
専門的なスキルを持つ必要が なくなったのです。
新しい刃先交換式歯切り工具を 使用することで
工具在庫数を減らすことができ、
そして、メンテナンスに出す 必要はありません。
エアーで清掃でき
チップを交換して、
それを機械にセットし直したら、 新しいホブとして継続して加工できるのです。
個人的には、環境問題も重要な ポイントだと思っています。
切削油を使用しないで 加工を行えば、
切削油を廃棄する際の問題は 発生しません。
また廃棄のための費用も不要となり
大幅なコスト削減にもつながります。
もちろん、工場内も切削油を使って 加工していた時と比べて
ずっときれいになります。
私はこの会社で働き始めて、
たくさんの注文が処理しきれていないことと
期日に納入できるスケジュールで 製造が進んでいないことに
気が付きました。
私は工程全体をチェックしました。
そして、ホブ加工工程が その主原因である事を突き止めました。
そこで私はこのギアミリング コンセプトの導入を考えつき、
実際に試してみたのです。
切削速度をもっと上げられるだろうか、
時間あたりの加工個数を増やせないか、と試行錯誤してね。
結果、信じられないほどに 生産性が向上して
ある歯車加工では2.5倍になり、
また別の歯車加工では3倍になり、
更に3.5倍にもなったものもありました。
刃先交換式工具を使用するメリットは、
生産性が大きく向上することです。
刃先交換式工具を使用すると、 ハイス(HSS)工具と比べて
生産性は50%~70%高くなります。
精度に関して言えば、刃先交換式の ディスクやホブは
基本的にはハイス(HSS)の工具と
同程度の精度です。
しかし、その生産性は、大きく向上します。
一方で、
インボミリング用工具も 優れた精度を実現します。
もっとも要求の厳しい研削工程が ある場合を除いては、
インボミリング用工具一台で歯切り加工が可能です。
いつも念頭に置いていることですが、 たゆまぬ改善こそわれわれの
コアバリューのひとつです。
この改善を更に押し進めて、
多くの刃先交換式ホブを使っていきたいです。
将来には、機械が大きく進化して
歯車のフライス加工、 ホブ加工、シェーピング、
ディスク加工、研磨、更に測定までもが すべて1台でできるようになることを
皆、期待しています。