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皆さん、こんにちは! さぁ、楽しい絵本の時間の始まりです。
今日は、ありとキリギリス というお話を紹介します。
ありさんとキリギリス君が出てくるんだけれども、 さぁ、どんなお話でしょうか?
それでは、一緒にみてみましょう。
スタート!
昔、昔あるところに、 アリとキリギリスがいました。
ある夏の、暑い暑い日、キリギリスは 楽しそうに野原で歌を歌っていました。
ふと目をやると、たくさんの アリたちが一生懸命働いていました。
「おーい、アリさん。こんな暑い夏の日に、 なぜそんなに汗をびっしょりかいて働いているんだい?」
キリギリスがたずねました。
すると一匹のアリが「やぁ、キリギリスさん。ぼくたちは寒い冬の ために、今のうちに食べ物を運んでいるんだよ。」と答えました。
「ふーん。でもどうしてわざわざ今、家に運ぶんだい? まだたくさん食べ物があるじゃないか。」
「今はまだ夏だからたくさん食べ物があるけれど、 ここの食べ物も冬がきたらなくなってしまうよ。」
キリギリスは笑いました。 「ハハハハハハ。」
「夏はまだ始まったばかりさ。 冬のことは冬がきてから考えればいいんだよ。」
そう言うとキリギリスはまた歌い始め、 アリたちはまた働き続けました。
やがて夏は終わり、秋がきました。
アリたちが一生懸命働く中、キリギリスは ますます陽気に歌を歌っています。
ららラララ~♪
そしてとうとう寒い寒い 冬がやってきました。
キリギリスは歌を歌うのを やめて食べ物を探し始めました。
しかし、あたりはすっかり枯れ果て、 食べ物は1つも見つかりません。
「あぁ、おなかが空いたよぉ。 食べ物はないかなぁ。」
そのときキリギリスは、アリたちがたくさん 食べ物を集めていたことを思い出しました。
「あ、そうだ!アリさんたちがたくさん 食べ物を持っているはずだ!」
キリギリスは急いで アリたちの家にいきました。
「すみません。おなかが空いて死にそうなんです。 何か食べるものをもらえませんか?」
一匹のアリが答えました。
「残念だけれど、家には家族の分の食べ物しかないから、 キリギリスさんにあげることはできないのです。
だからあのとき言ったでしょう。 夏の間に食べ物を集めておきなさいって。」
そう言って、アリは玄関を 閉めてしまいました。
キリギリスは一匹になり、寒さに震え、 お腹をすかせてしょんぼりしていました。
そして、夏の日に歌って遊んで ばかりいたことを反省したのでした。
先のことを考えずに楽をしてなまけていると、 そのうち痛い目にあうというお話でした。
おしまい