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イサリアムCCOのステファン・チュアルです。
私は、IT、スタートアップ、ソフトウェア開発の キャリアを歩んできました。
イサリアムでの私の役割は、 イサリアムプラットフォーム上で分散アプリケーションを構築するために、
起業家、開発者、投資家を繋ぐことです。
イサリアムは、次世代の分散アプリケーションを、
構築、配布するためのオープンソースプラットフォームです。
分散アプリケーションには仲介者がいません。
利用者は、P2P方式で、 社会システム、金融システム、ゲームインターフェースと
直接やりとりする事ができます。
イサリアムネットワークは、 世界中の何百何千ものコンピュータ上へ分散配置されるため、
検閲から保護されます。
私たちは、開発者に馴染みのあるツールを活用する事で、
開発者がアプリケーションを容易に開発できるような環境を整備しています。
インタフェースの実装にはHTMLやJavascriptを利用できますし、
ロジックの記述にはGoやPythonやLispが利用できます。
簡単に言うと、私たちのミッションは、
分散アプリケーション開発の扉を開くことです。
今はまだ開発段階ですが、
利用可能なイサリアムネットワークを
年末に向けて立ち上げようと考えています。
今日、皆さんが利用しているアプリケーションには、 一つ共通点があります。 それは、"中央集権的"だという事です。
例えば、銀行は、お金を安全に管理してくれて、 独立監査法人による監査を受けていて、
嘘はつかないものだと、皆さんは信じてると思います。 Facebookについても同じ事が言えます。
Facebookで子供の写真をアップロードしたり、
ドキュメントをDropboxに入れたりしますよね。 病気をして医者へ行ったときは、
過去の病気や飲んでいる薬といった個人情報を提供しますよね。
開発者は、アプリケーションをAppStoreへ 提供する必要がありますが
こじつけのような理由で削除されるリスクがあります。
歴史は、何度も何度も、 信用に基づくシステムには欠陥がある事を証明してきました。
しかし、信用に基づかないシステムは、 利益になりませんし、
運用するには複雑すぎるので、 信用に基づくシステムが必要とされてきました。
全ての"中央集権的"なシステムは、
欠陥が一点に集中するために、 攻撃が簡単になります。
ウェブサイトのファイアーウォールのようなものです。
イサリアム上で構築されるアプリケーションでは、 利用者は、個人情報やお金を開発者へ預ける必要はありません。
イサリアムでは、あなたの個人情報はあなたものです。
あなたのお金はあなたものです。 あなたのコンテンツはあなたのものです。
イサリアムは、 アプリケーションプログラミングプラットフォームで、
イサリアム上で開発されるアプリケーションの制約は、 開発者の創造力のみです。
イサリアム技術を活用できるアプリケーションとして、
すぐに考えられるものは三種類あります。
一つ目は個人通貨です。
例えば、あるアーティストが、 新しいオリジナル通貨を発行したとします。
もし、あなたがこのアーティストを支えたいと思うなら、 この通貨を買うでしょう。
これは専門的な言葉で言うと、 アーティストのIPO(新規公開株)に投資するという事です。
そして、この通貨が分散的な取引所で何百万もの単位で 取引されるようになると、
この通貨自体が価値を持つようになり、
ただの交換手段ではなくなります。
イサリアムを使えば簡単に独自の価値を生み出す事ができるので、
利用者の行為に対して報酬を与える事ができます。
利用者の行為はイサリアムネットワークの外でも良くて、 例えば、Foursquareでのチェックインや
グリッドコンピュティーングプロジェクトへ参加などに対して、 報酬を与える事ができます。
消費者と小売業者の関係が どのように変わるかを考えてみてください。
もし、小売業者がポイントを発行する代わりに、 暗号化された価値を持つトークンを発行すれば、
分散化された市場で、商品やサービス
もしくはマイルのような他の価値のあるトークンと交換する事ができます。
このアイディアの応用例をもう一つ紹介します。
今のFacebookの仕組みでは、
お気に入りのアーティストに「いいね!」ボタンを押したとき、
その価値はFacebookの広告主へ行きますが、 コンテンツ作成者にもあなたにも行きません。
しかし、イサリアムでは、コンテンツ作成者と
アーリーアダプターの両方が報われるでしょう。
これは今までにない全く新しい報酬モデルで、
インターネット上での報酬の考え方について革新を起こすでしょう。
今後成功すると予想している二つ目のアプリケーションは、
現在、仲介者を必要とするようなアプリケーションです。
利用者はEbayやKickstarterやAibnbなどの会社に 必要以上の利用料を払っています。
P2Pネットワークでは、仲介者の存在は、 本物の付加価値の提供者としての存在に限定されます。
本物の付加価値とは、単に出会いを提供するだけでなく、 保険の提供等が挙げられます。
分散化されたKickstarter上で、利用者は
すぐに役に立たなくなる商品やTシャツをもらう代わりに
自分が投資したスタートアップにとって価値のあるトークンを 報酬として受ける事ができます。
三つ目のアプリケーションは金融に関するものです。
ローンを借りて破産すると、
追い出されるというコミュニティがあります。
つまり、このコミュニティでは、
実際の資産ではなく、信用がローンを支えているのです。
このコンセプトは開発途上国ではうまくいっていて、
小口融資会社はデフォルト率を下げる事に成功しています。
これは特に新しいアイディアではありませんし、 今まで小さな個人グループの中でのみ機能してきました。
イサリアムを使えば、 信用を何百万もの個人へ広げる事ができます。
この変化は途上国だけでなく、 より身近な場所で起こると予想しています。
この変化は信用だけに留まりません。 イサリアム上では、
全ての利用者が、 株式、債券、デリバティブ、CFDを 発行して取引する事ができます。
世界で最も影響力のあるイサリアムアプリケーションは、
まだ発明されていないかもしれません。 SNSがWEBに現れるまでに4年かかりましたし、
SNSが多様化して、マイクロブログのような 革新的なアプリケーションが生まれるのには数年がかかりました。
イサリアムの核心はブロックチェーン技術です。
中央集権的なアプリケーションを見てみると、 "閉鎖する事"が信用につながっている事に気づくでしょう。
ファイアウォールや信用できるセキュリティチーム、 そして彼らが仕事をうまくやる事への信用です。
一方、ブロックチェーン技術は、
異なるモデルを採用しています。 このモデルでは開かれたネットワークが信用へつながります。
ビットコインは最初は通貨でしたが、
今ではブロックチェーン技術の アプリケーションとして最も知られています。
イサリアムはこの技術を ほとんど全ての事に適用できるようにします。
数学的に表現可能なものは、
モデル化され、暗号化され、取引する事ができます。
お金を安全に管理するために
銀行や政府への信用を必要としないビットコインのように、
イサリアムでは、個人情報、アイデンティティ、お金は
常にあなたの管理下にあります。
イサリアムでは、開発者は、 ビジネスロジックを"contracts"と呼ばれるものに記述します。
"contracts"は連続した手順に従ったプログラムで、
常に"transactions"と呼ばれるメッセージを受信します。
"contracts"はデータの蓄積、"transactions"の送受信、
他の"contracts"とのやりとりが可能で、
あらゆる管理から独立しています。
ネットワーク上で維持され、
開発者に馴染みのあるプログラミング言語で記述されています。
イサリアムネットワーク上では "contracts"へのインタフェースも分散化されているので、
開発者は、
アプリケーションを配置したり配布するとき、
何の基盤も準備する必要がありません。
また、プロトコルの仕組み上、
Dos攻撃からの影響を受けません。
将来のイサリアムアプリケーションは 分散自律型の組織(DAOs)です。
DAOsは一つ以上の"contracts"から成り、
同じ目的を持った個人のグループにより支えられます。
DAOsは完全に透明で、
開発者を含めたあらゆる人間の干渉から完全に独立して動作します。
DAOsはネットワーク上で、存在し続けられる限り存在し、
便利なサービスを利用者に提供します。
イサリアムはプログラミング可能な 分散ネットワークと考える事ができます。
イサリアムはそれ自身の設計として、
不正、改ざんへの耐性を有しているため、
現在多大なコストがかかっている日々の問題に対して、 新たなソリューションを提供する事ができます。
投票機、ドメイン登録、
法的文書の登録、医療ソフト、
個人間での商品やサービスや電子資産の伝送、
個人間での契約、信用システムやデリバティブ等、
これらすべてのアプリケーションは、 利用者が常に自身の資産や個人情報を管理しながら、 ネットワーク上で稼動します。
イサリアムは既存のシステムを 強化したり弱めたりするのではなく
既存のシステムを超える第三のシステムです。
もちろん、このような野心的なプロジェクトの先には いくつもの障壁があります。
だからこそ、イサリアムを構築するために、 世界中の著名なエキスパートとチームをくむ事にしたのです。
チームの一人であるニール・コブレッツは、
ビットコインに利用されている楕円暗号法の共同開発者です。
また、ラルフ・メルケルは、公開鍵暗号法の発明者の一人です。
私たちはまだ初期段階にいますが、 開発者は既にコンセプト実証するための試作をしており、
年度末に公開を予定しているVersion1.0に向けて、
改善を重ねているところです。
直近では簡易APIをリリースしています。 このAPI自体が改ざんから保護されたネットワーク上で分散化されています。
イサリアムについてもっと知りたい方は、
プロトコルについて詳細に書かれた ホワイトペーパーを読んでみるのが 最初のステップとしては良いでしょう。
ホワイトペーパーはethereum.orgのウェブサイト上で入手できます。
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リンクはこのビデオの説明部分にありますので、 そちらを参照してください。