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顧客開発でもう1つ重要なコンセプトは
ピボットです。
ピボットは私の生徒でも最も優秀だったエリック・リースが
顧客発見ステップと顧客実証ステップの間にある
逆行を示す矢印のことを名付けた言葉です。
非常に的を得た言葉だと私は思います。
ピボットとは、仮説が検証できず誤っていると判明した時に行うべき
軌道修正を意味しています。
ピボットはスタートアップの実態をうまく捉えたコンセプトで
これによってスタートアップの立ち上げ方が大きく変わりました。
従来のように当初のビジネスモデルの間違いを修正するのに
責任者をクビにするのではなく
「仮説が間違っていたのだ」と素直に認めて
ビジネスモデルをクビにするのです。
これができるのは顧客開発モデルでは、ミニマムバイアブルプロダクトという考えに従い
製品開発は少しずつ進めることで、バーンレートを極めて低くしているためです。
ピボットとはビジネスモデルの構成要素の1つあるいは複数を大きく変化させることです。
例えば、「顧客セグメントはどうもこうではないぞ」
「実際の顧客セグメントはこっちだ」とか
「ちょっと待てよ。収益モデルはフリーミアムではない方が良い」
「最初から課金すべきだ」とか
「チャネルによる間接販売は今ひとつだ」
「直販部隊が必要だ」とか、「うーむ。パートナーの想定が間違っていた」といった具合です。
一方、ビジネスモデルの構成要素を少しだけ変えることを
ピボットに対して、イテレーションと呼んでいます。
イテレーションの例としては
価格を$9.99から$6.99に変更するといったものがあげられます。
プライシングをフリーミアムから定期購読型に変えると言うのはピボットです。
なぜならそれは大きな変更だからです。
重要なことはピボットは
オフィスを飛び出して顧客と話をしたことがベースになっているべきだということです。
そして忘れてはならないのは、これができるのは創業者だということです。
ピボットは顧客開発による事業立ち上げと
従来のやり方との大きな違いです。
もう1点ピボットについて付け加えておきますと
ピボットはスピードとテンポをもって
行う必要があるということです。
メトロノームのように
スピードとテンポをもって意思決定を行いスタートアップを経営していくことが重要です。
速度を維持しながら、首尾一貫させながら、容赦なくドンドン前へ進んでいきましょう。