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【ダフトパンク】
【ザ・クリエイターズ・プロジェクト INTEL&VICE】
ある種のリズムには 人の心をつかむ力がある
もはや リズムというよりー
音そのものなんだ
ダフトパンクの音楽のように
【ランダム・アクセス・メモリーズ】
【ザ・コラボレーターズ パンダ・ベア】
アニマル・コレクティヴが 仮面をつけるのはー
そうした方が自然な 音楽が作れるからだ
別人になれるのさ
曲と向き合うほど 本質を隠したくなる
歌詞を変えたり 声にエフェクトをかけるのはー
自分の感情を隠して 悟られないようにするためだ
ライブで演奏していてもー
それは本当のボクじゃない
「アラウンド・ザ・ワールド」で 彼らの存在を知った
エレクトロとか 初めて聴くものばかりでー
すごく新鮮だったよ
ボクはダンスが得意とは 言えないけどー
彼らのダンス音楽には 妙に惹かれたんだ
趣味が合わない兄とも 珍しく気が合った
兄と車に乗ると いつもー
彼らのアルバムを流してた
めったにないことだよ
アルバム制作中に 1曲リミックスしてほしくてー
彼らに頼んだことがある
1度は断られたけどー
ソロアルバム制作中に また お願いしてみたんだ
ダメ元でもう1度ね
答えは同じでノーだった
でも「いつかコラボしよう」と 誘われたんだ
それから1年半後ー
「パリに来ないか?」と 2人から連絡が来た
彼らに会うまで かなりナーバスだった
即興で歌えるかが 一番 心配だったんだ
3日間しかないからね
作品に時間をかけるボクとは 正反対のやり方だ
短時間で曲を完成させるのは 得意な方じゃない
彼らとスタジオへ行くとー
マイクが何本も用意されてて ボクの声に合うものを試した
そして いきなり 「じゃあ頼むよ」と言われたんだ
いろいろ歌ってみたよ
でもどれもイマイチでさ
「とりあえず何か残さないと」と 思って歌ってる時にー
別のアイデアがひらめいたんだ
彼らがうなずいてるのが見えたよ
ようやく全員が 納得できるもの完成した
ボクは何をするにしても リズム重視なんだよ
ドラムを始めた頃 ふと気づいたんだ
一流の技術は多分 身につかないだろうって
だから音楽に合ったリズムを 生み出すことやー
音を引き立たせる演奏を 心がけたんだ
ドラムを生で演奏する時に 意識するのはー
ビートを音楽に 合わせることだけだ
でも録音する時は 細かい音を意識する
それを繰り返すことで 感覚に響く音になるんだ
出来上がった作品を聴くと 人間性や感情なんかは
全部 消えてるんだよ
もちろん色々と 語りたい気持ちもある
とにかく参加できて光栄だよ
でも現時点でこれ以上のことを 語るのは難しいな
ダフトパンクのアルバムは どれも雰囲気が違うのがいい
いつも新しいことに 挑戦してるって感じだ
ただ昔の曲をそのまま 取り込むんじゃなくてー
あえて昔風に演奏して 収録してるんだ
それが〝新しく〟聞こえるんだよ
短い音を繰り返したみたいに 単調なんだけどー
不思議と生演奏の空気も 感じられるんだ
ロボットっぽい 機械的な感じとー
人間ならではの不完全さが 共存してる
忘れられてた古き良き音を よみがえらせる
そんな感じだよ
過去の優れた音楽への 感謝の気持ちを表してるんだ
[ランダム・アクセス・メモリーズ ザ・コラボレーターズ]