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みなさん、こんにちは。
アフタービートミュージックスクール ギター科講師の瀧澤でございます。
この最後のエフェクターの動画では、
コンプレッサーについてみなさまに 解説をさせていただこうかなと思います。
コンプレッサー。
おそらく一番難しいというか理解しにくいというか わかりづらい内容になるかなと思います。
全部聞いても「結局なんだったんだろうか」と なってしまう可能性は否めないんですけれども。
なんでかというと、音を聴いていても なかなかその違いがわからないというか
何が変わったのかわからないというか。
いろいろとつまみをいじっていてなんとなく 音が変わったなというのはわかるんだけれども、
「何が変わったのか説明してみて」と言ってみても 「わからない」となってしまう場合が多いと。
ちょっと実際に鳴らしてみましょう。
今、これはコンプレッサーをかけている状態。
コンプレッサーを外すと・・・。
こんな感じです。
若干違うといえば違うんだけれども、 そんな変わらないみたいな感じがしません?
けど、これはコンプレッサーが 結構キツくかかっています。
そもそもコンプレッサーって どういうエフェクターか仕組みを理解すれば
もうちょっと理解の手助けになるかなという感じですね。
さっそくやってみましょう。
コンプレッサーはそもそも どんなエフェクターか。
とりあえずギターに限って話をすると、
あんまりギターにコンプレッサーを単品として 使われることってそんなに多くないかなと思います。
ミックスだったりとか ベースでスラップをするときとかに使われたりとか。
あと、フュージョン系できれいな、均一な歪みとかを ほしい方はコンプレッサーをよく使ったりしますよね。
あと、カッティングの方とか。
コンプレッサーの音が好きな方はカッティングのときに コンプレッサーを強めにかけたりするんですけれども。
ごめんなさい。 話が脱線してしまいました。
ギターの場合において。
ギターってピッキングで 音量って上下するんですよ。
すごい強く弾けばボーンと音量が出るし、 そっと弾けばちょっと出るし。
この真ん中のところもあるし。
結構この音程差・・音量差が激しいんですよね。
それで、普段アンプで コンプレッサーがかかっちゃっているので
そんなに困ることはないんですけれども。
均一の歪みがほしかったりとか。
あと、カッティングのときに 適度なコンプレッサー感がカッコいい場合に
そのコンプレッサーを使うわけです。
それで、コンプレッサーが かかるとどうなるかというと、
ここら辺まで音量を上げることを許すという パラメーターがあるんですね。
なので、ここまでの音は全員・・
この人もこの人もこの人も こういう人も無事に過ごせるんですけれども、
ここのデッドラインを超えた人は、ここの部分が
「てめぇ、このやろう」と 「こんちくしょう」と削られます。
圧縮されるわけです。
スコーンと。
なので、コンプレッサーをかけると とりあえずレベルが整います。
出力ということですね、最終的な。
耳で聴いていてもなかなか出力の差というのは 聴感上わからないんですけれども、
ライン録りとか自宅録音とかする方は 大事なファクターですね。
とりあえずこのデッドラインを設定しておいて、 ここから飛び出た人はスパン、スパンと切っていくと。
そんな感じです。
それで、この形に変形をさせていくというのが 基本的なコンプレッサーの役割。
それで、パラメーターの設定の仕方によっては
こういうすごい小さい人も とりあえず上げておこうという風に。
「この人、小さすぎだから少し補正しておこう」、 「この人は別にいいや」という使い方もできるわけです。
このデッドラインから超えた人は処分。
それで、ここからあまりにも低い人は
ちょっと補正してあげるみたいな使い方も 可能なわけでございます。
これがとりあえず、 コンプレッサーの基本的な役割。
パラメーターのほうにいきましょう。
すごい見慣れない単語が並ぶと思います。
まず、"Threshold(スレッショルド)"。
"Threshold"。
"Ratio(レシオ)"。
それで、最後は・・これも"Level"とかかな。
こんな3つのパラメーターが 基本的に成り立っています。
あとは"Attack"とか "Release"とかあるんですけれども、
とりあえずこの3つさえ理解できれば あとはなんとかなるかななんていう感じ。
こういうグラフがあって、 こっちが入力だとします。
それで、こっちが出力。
基本的に、何もエフェクトをかけていなければ こういう直線になるはずなんです。
ギターの音をボンと1の音を入力したら、 ボンと1の音が出力されると。
ここ。
同じように、ボンと4のボリューム、レベルを 入力すれば4の音が・・ちょっとずれていますけれど、
4の音がボンと出力されるはずなんです。
けど、このままやっていくとあまりにも 強すぎたり弱すぎたり、強すぎたり弱すぎたりでは
ちょっと困っちゃう場面も出てくるわけですね。
ギター以外の場面に置き換えてみると。
例えば、コンサートとかライブとかに行って、
ポータブルレコーダーとかで・・ 録音してはいけない場所ではダメですけれども、
録音していい場所で録音したとします。
MCとかすごい音量の小さいときと爆音が 出ているときって音量差がすごいあるじゃないですか。
人の耳って意外と・・意外というわけではないか。
すごい優秀なので、小さい音量にも大きい音量にも 対応しているので、何かエフェクトをかけることなく、
ちょっと「うるさい、こいつら」と なっちゃうときもあるけれども、
無理なく聴けるわけです。
けど、これをMDとかにしようと思うと・・・。
MDとかCDとかMP3とか。
MCの部分がすごい小さいんだけれども、 ライブのところはすごい大きいと。
この音量差が困ってしまうことに なってしまうんですよね。
演奏中にすごい静かになる部分があって、 そこのところがすごい大事なんだけれども
あまりにも小さすぎて聴こえないでは困ると。
そこでコンプレッサーの登場ですよ。
音量が大きい部分をある程度圧縮して、 それで音量が小さい部分を増幅させてあげて
できるだけこのレベルの均一を図る というエフェクターなわけです。
なので、ちょっと話を戻して、 2の音が入力されたら2の音が出力される。
3の音が入力されたら3の音が出力される。
これはとりあえず、 理想的な姿ではあるんですけれども、
今言ったみたいに音量差が激しいときはその理想では なかなか片付けられないときがやってくると。
というわけで、仮にここのライン。
ここのラインがパソコンの許容値で、 ここを超えると歪むというラインがあったとしましょう。
ちょっと斜めになっちゃいましたけれども、 あんまり気にしないでください。
なので、このラインを超えてしまうと歪んでしまうので、 できるだけこのラインを超えたくないわけです。
これがデッドラインです。
このスレスレが望ましいわけですね。
録音してきたものを再生して、うまい具合に ここの範囲に収まってくれていればいいんですけれども、
そうじゃない場合も多々あるわけですよ。
MCのときはこの辺のレベル。
最大の演奏のときはこの辺のレベル。
こんな具合だったら良しとします。
・・なわけです。
けど、演奏しているときにこの辺のレベルだったら コンプレッサーの登場。
単純にレベルを下げる という方法もあるけれども、
どういう方法を取るかというと、
こう圧縮するんです。
ここの音がこっちに移動したり、 ここの音がこっちに移動したりするんですね。
このライン。
小さい音はそのままだけれども、
高い音に対してこういう圧縮をするというのが コンプレッサーの基本的な役割です。
それで、この角度を決めるのが "Ratio(レシオ)"というやつ。
これですね。
ちょっと2番に入っちゃいましたけれども、 "Ratio"です。
"Ratio"値が対比になっているので・・・。
例えば、2対1だったら、 入力2に対して出力は1にしてくださいということ。
・・に、なります。
これが4対1だったり、20対1だったり いろいろとあるんですけれども、
"Ratio"がキツければキツいほど この角度がキツくなります。
そんな感じです。
それで、その次。
"Threshold(スレッショルド)"。
これです。
"Threshold"はこの開始ポイントですね、 この折れ曲がる。
"Threshold"の値が低ければ低いほど・・・。
例えば、この辺に設定すれば ここからこういう線が引かれるわけです。
そうすると、この値とかも全部こっちに移動させられて、 こっちに移動させられて、こっちに移動させられて。
ほぼ、圧迫された状態。
圧縮された状態で再生することになります。
こうやって見てみると、結構単純そうで
「コンプレッサーって簡単じゃない」と 思っちゃうんですけれども、
それがなかなかそうはいかないんですよね。
この圧縮されまくった音って そのまま圧縮されるわけじゃなくって、
さっきの一番最初の歪みの話じゃないですけれども、 不思議な圧縮になっちゃうんですよ。
不思議な2の音量になってしまう。
この辺をいかにうまく再現するかが また腕の見せ所なんですけれども、
基本的にそんな感じ。
"Ratio"でこの角度。
どのくらい圧縮するのかを決めて、 "Threshold"で圧縮するポイントを設定する。
そんな感じです。
それで、この"Level"というのは、 この最終的に出力されたもの。
つまり、マスターレベルということですよね。
作られた音を どのくらいの音にしてあげるのかを決めます。
なので、このグラフの中で3は書けないですね、 どこなのかは。
ここで作られた音を ボリュームで設定するというのが"Level"。
マスターとか言うかな。
そんな感じです。
ねっ。
訳わからないでしょう。
よく言われるのが、 ベースのスラップとかですよね。
指弾きしながらスラップとかする人に
「コンプレッサーを使ったほうがいいよ」と よく言われるのはなんでか?
ベースも基本的にはこういう直線なわけです。
さっき言ったみたいに、
1入力したら1出力して、2入力したら2出力して というのが理想な状態なんですけれども、
スラップをすると音量差が強いんですよ。
バチンバチンというアタック音。
あれがすごいレベル強いので。
レベルが高いので、 かなりのこのレベルの上下になってしまうと。
指弾き弾いているときはこのくらいの音量なんだけれども、 スラップし始めるとアタックがこの辺まで出てくると。
これでは困ってしまうと。
ここに合わせて音量を設定すると 指弾きがすごい小さくなるし、
かといって指弾きの部分に合わせて音量を設定すると スラップで歪むという現象が起きてしまうわけです。
それをうまい具合に、
この歪むデッドラインというのが どこかしらに必ずあるので・・
こんなにわかりやすく書いてあるわけではないですよ。
それは探らなければいけないんですけれども。
このデッドラインというのがあるので、 そのデッドラインをうまく避けながら
この角度をつけていくわけですね。
そうすると、スラップしたときのバチンバチンというのが うまくデッドラインを超えずに済んで、
うまくデッドライン内に収まるというような。
そんな感じになります。
なので、ギターの場合もカッティングとか アタックが強い奏法がたくさんあるので、
そういうのをうまく圧縮してきれいなカッティングを 鳴らしたりとかするんですけれども、
基本的な効能としてはそんなところでしょうか。
はい。
それで、次にもう一つ。
さっきフュージョン系のギタリストが
きれいな歪みを得るためにコンプレッサーを使うと 言っていましたけれども、
これも全く同じような話ですね。
ギターって実音よりもピックが弦を弾く ピッキング音ですね。
このカリカリカリカリといった 音のほうが実は大きいんですね。
イメージですよ、これは完全に。
この辺がその弦の音程のイメージだとしたら、 ピッキングの音ってこの辺なんです。
かなり強めなんですよね。
なので、ここに合わせて・・
音量設定をしていくと・・
弱いときもあれば強いときもあるし、
弱いときもあれば強いときもある という風になってしまうと。
なので、この辺にちょっとセッティングをしておいて
「できるだけ音ツブを揃えておくか」 みたいな使い方が多いというだけの話です。
そうすると、実音もピッキングも含めて すごいまとまったいい音になるので、
レガートフレーズなんかのときに・・
重宝するかなと。
例えば・・
ちょっと歪ませてみて・・・。
これ今、コンプレッサーがかかっています。
これをコンプレッサーを外すと・・・。
入れると・・・。
すごい微妙な差なんですけれども、 今外しています。
同じフレーズなんだけれども 若干密が濃くなるというか、
コンプレッサーをかけたほうが密が濃くなって、 芯がしっかりとしてコシが出る。
外すと・・・。
見方を変えれば、単純に 出力が強くなったとも取れるんですけれども、
コンプレッサーがかかっているのとレベルが 強くなったのとでは若干聴こえが違うんですよね。
その辺もまた難しいところでございます。
はい。
クドクドと長くしゃべった割には 結構わかりづらい内容ですね、コンプレッサー。
でも、これも他のエフェクターと一緒で、
たくさん使ってみないと なかなか気づきがないところだと思うので、
マルチエフェクターとかをお持ちで コンプレッサーが入っていたら
いろいろと試してみてくださいとしか ちょっと言えないかなという感じですね。
一応、基本的な使い方とか 説明に関しては以上です。
謎だと思った方は、 また気になったときに見返してみてください。
そんな感じでしょうか。
ちなみに、自宅録音とかDAWとかをやっている方は 絶対覚えておいたほうがいいと思います。
ミックスのときに
コンプレッサーを使わない音源はないくらい 本当にコンプレッサーはミックスでは大事なので、
今、巷で出回っている音源で コンプレッサーを使っていないものがあったら・・
存在しないんじゃないかくらいの勢いで みんなコンプレッサーを使いまくりなので、
コンプレッサーは必ず覚えましょう、 自宅録音とかDAWをやる人は。
そんな感じです。
長くなりましたが、最後の動画で 最後のご挨拶をして終わりにしたいと思います。
そんな感じで、よろしくお願いします。