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Honda初の2ストロークV型4気筒エンジンを搭載し 独特の車体構造で革新的なGPマシンがこのNSR500
3気筒のNS500が完成域に達したこともあり V型4気筒のこのマシンが開発された
当時は内外での2輪車の爆発的な販売台数を背景に 次々と新しい技術が登場
その最先端技術がこのNSR500にも盛り込まれた
最大の特徴はエンジン下に燃料タンク(燃料)を配置し 排気管をエンジン上部に取り回したことである
重量物である燃料タンクを車体最下部に配置することで 低重心化とマス集中を狙った
4ストエンジンのレーサーでは試されていた車体構造だったが この初期型NSR500ではそれが完成することはなかった
その他、カーボンディスクブレーキや アンチノーズダイブ式のフロントフォーク、
カーボンファイバーのコムキャストホイールなど 見るだけでも楽しい機能とパーツ類が満載されていた
また、NS500から踏襲された クランクリードバルブの吸入方式も珍しく
V4 90度のエンジンレイアウトでのキャブレターと 排気管のレイアウトにも強く独自性がみられる
このシーズンのエースは、前年に21歳8ヶ月で500ccクラスの 史上最年少チャンピオンとなったフレディー・スペンサー
そのフレディー・スペンサーでもこのNSR500は乗りこなせず 3気筒のNS500と使い分ける変則的なシーズンを送った
また、この斬新的な車体構造は翌年には廃止される
HondaのこのV4エンジン採用をきっかけに 500ccクラスは最高出力至上の高性能化が加速 マシンの高速化が進んでいく
NSR500はその後も進化を続け Hondaが4ストロークエンジンのRC211Vを投入する2002年まで ロードレースの世界最高峰クラスに君臨した