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ひろいうみのどこかに、 さかなのきょうだいたちが、たのしくくらしてた。
みんなあかいのに、 一ぴきだけはカラスガイよりもまっくろ。
でも およぐのは だれよりもはやかった。
なまえは スイミー。
ところがある日、 おそろしいまぐろが おなかをすかせて、
すごいはやさで、ミサイルみたいに つっこんできた。
ひと口で、まぐろは 小さな赤いさかなたちを、
一ぴきのこらず のみこんだ。
にげたのは スイミーだけ。
スイミーは 一人さみしく、 くらいうみのそこをおよいだ。
しかし おもしろいものを見るたび、
だんだんとスイミーは げんきをとりもどしていった。
ゼリーのようなくらげ、
ブルドーザーのようなイセエビ、
みたこともないなかまたち。
ドロップみたいな いわから生えてる、 こんぶやわかめの林・・・
あるとき、いわかげに
スイミーにそっくりの 小さなさかなのきょうだいたちを見つけた。
「あそぼう」ってさそっても
「おおきなさかなにたべられるから」と いわかげから出てこない。
そこでスイミーはかんがえた。
うんとかんがえた。
「そうだ!みんな いっしょにおよぐんだ。
うみで いちばん大きなさかなの ふりして!」
みんなが一ぴきの大きなさかなみたいに およげるようになったとき、
スイミーは言った。
「ぼくが、目に なろう。」
赤いさかなたちの中でスイミーは目になって、 みんなで力を合わせ
大きなさかなをおい出した。