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東日本大震災の影響でことしの夏は電力不足が懸念されていることから、
エアコンの使用を控えるなど1人1人の節電対策が重要になっています。
そんな中、ツル性の植物で作る『緑のカーテン』が
体感温度を下げるとしてあらためて注目されています。
アサガオやヘチマ・ゴーヤーなどツル性の植物で作る緑のカーテンは
地中の水分を吸い上げる葉が夏の暑い日差しを遮り、
室温の上昇を抑えるとしてその効果が注目されています。
板橋区では2006年から毎年緑のカーテンの講習会を開いていますが、
ことしは定員100人に対しおよそ200人から応募があったということです。
今回は緑のカーテンのコンテストでグランプリを受賞した人が経験談を話すと
「1つのプランターに違う種類の植物を植えてよいか」など、
参加者から質問が相次ぎました。講習会の参加者からは
「ポイントが分かりました」「ことしは電力不足と言っているので
少し協力しようと思った」などといった声が聞かれました。
講習会の後は1人2本ずつゴーヤーの苗が配布されました。
板橋区エコポリスセンターの青木映子さんは
「区民の関心の高まりを感じています。(苗の)無料の配布について
問い合わせもかなりたくさん来ている」と話します。
これまで板橋区では講習会の参加者のみにツル性植物の苗を配布していましたが、
ことしは区が主催するイベント会場でも配布し、
例年の10倍に当たる合わせて5000本の苗を無料で配布しています。
今月4日に行われた苗の配布会では区内6ヵ所全てで配布開始前に列ができ
定員に達したということです。
一方、世田谷区の緑のカーテンの講習会はことし初めて
親子を対象にして開かれています。世田谷区では2年前から講習会を開いていますが、
ことしは親子で楽しみながら緑のカーテンを作りたいという声が
多く寄せられました。世田谷区みどり政策課の渕脇紀美子さんは
「(講習会の)1年目から大変反響があり、夏場に歩いていると
あそこでもここでもやっているという光景を目にすることができました。
多分ことしはなお一層それが期待できると思っています」と話します。
16組の親子はプランターに土を入れるところから
ツルをはわせるネットを張るところまでを体験しました。
先月8回開かれた世田谷区による講習会では
合わせて980本のゴーヤーの苗が配布されました。参加者は
「暑い夏を少しでも緑で涼しく過ごせたらいい」「ゴーヤーチャンプルーにしたい」
「簡単だった」「子どもの通っている小学校で育てているのは見たことがあったが
まだ自宅ではやったことがなかったので
きょうはぜひ来たいと思っていた」などと話していました。
講習会参加者の木村さんは持ち帰ったゴーヤーの苗で
早速、初めての『緑のカーテン』作りに挑戦しました。
木村さんは「ここにゴーヤーをはわせようかと思っています」と話し、
3人の子どもたちと一緒に習ったことを思い出しながら作っていきます。
土や石灰を入れ苗を植えるところまでは順調でしたが、
肝心のネットをうまく張ることができません。
ゴーヤーは苗1本当たり数十個の実を付けるため
重さに耐えられるよう丁寧に結びつけていきます。
結局、2回やり直し真っすぐ張ることができました。
木村さんは「せっかく頑張ったので
夏に向けて実がなってくれたらいいな」と話していました。
これまでは地球温暖化対策の1つとして耳にすることが多かった
『緑のカーテン』ですが、
1人1人が節電の必要性を感じている今が
力を発揮するときなのかもしれません。