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こんにちは、アレックス・デ・グラッシです。 今回は『フィンガースタイル・メソッド・レッスン』から レガートのテクニックについて説明します。
同じ弦で音程の異なる複数の音を 一度のピッキングでつなげて弾きたい場合があります。
これを可能にするのが、昔からレガートと呼ばれるテクニックです。
イタリア語で「つなげる」という意味の「レガーレ」が語源です。
フィンガースタイルにおけるレガートのテクニックには ハンマー・オン、プル・オフ、スライドの3種類があります。
どれも,よりなめらかにフレーズをつなげたり 音色に変化をつけたりするテクニックです。
ハンマー・オンやプル・オフ、スライドは スピードが要求されるフレーズを弾く時にも使われます。
では,それぞれのテクニックについて説明します。
ハンマー・オンとプル・オフは互いに関係の深いテクニックで
譜面上では“スラー”という音符をつなげる弓形の線で示されます。
レッスンに収録されたEx-1を弾いてみます
音程が上向する場合、スラーはハンマー・オンを意味します。こんな感じです。
音程が下降する場合、スラーはプル・オフを意味します。
ハンマー・オンは、開放弦または押さえた弦を弾くところから始まります。
Ex-2のハンマー・オンは、すべて開放弦で弾いた8分音符に ハンマー・オンの8分音符をつなげる練習です。
ハンマー・オンをするには、弦を叩く指を 指板から約1インチの高さに持ち上げて準備しておきます。
開放弦を弾いたのち、準備した指の指先を指板に対して垂直に保ちながら 素早く指を振り下ろします。
指は付け根の関節を動かします。 最も強い力が出せてコントロールも効くからです。
ハンマー・オンの指はなめらかに力強く動かし、 フレットのすぐ脇に着地させます。
弦がフレットに押し当てられて音が出るからです。
Ex-2を最初はゆっくりとテンポを保ちながら 音符の長さがそろうように弾いてみましょう。
1……2……3……。
ハンマー・オンで弾いた音の音量は 最初に弦を弾く強さと、指を振り下ろす速度で決まります。
これらふたつの条件を変化させながら 音量バランスを変える実験をしてみましょう。
ハンマー・オンの音。
ハンマー・オンの音の長さは、 振り下ろした指を弦から離すタイミングで調節できます。
あるいは,弦を弾いた指で再び弦を触って音を切ることもできます。 こんな感じです。
振り下ろした指を再び持ち上げる時に不要な音を鳴らすことがあります。 この点に気をつけないと、このようになってしまいます。
押さえた弦を弾いたあとのハンマー・オンは 弦を押さえる指がすでに指板上にあるので、 それを支えとして指を安定して振り下ろせるという利点があります。
その代わり、個々の指を独立させて動かすための集中力が必要です。
Ex-3の2番目の音(G)は薬指でF♯を押さえながら 比較的力の弱い小指で鳴らす必要があるので、 これら2本の指の連携と力の入れ方に注意しましょう。
それではEx-3の全体を弾いてみます。