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ハローキティMTRインタールード:
スピリット・オブ・ザ・エイジ
僕は、地下交通中枢へと、
地下3階へエレベーターで下りる。
駅のプラットホームはいつになく人影まばら、
車両は、二重扉の開きドアで、
寺の入り口を思わせる。
僕は入るのをためらう。
ハロー・キティで覆いつくされたそ
の車両に秘められた意図に気がゆるせない。
車内に入り、謎を解く手がかりを探る、
全て普通のよう、しかし、
そこでゴシック・ロリータのような服装をし、
忙しく動く指の間につかまれた、
派手なピンク色
のプラスティック製ポータブルゲ
ームに集中する少女が、
壁にもたれてただ一人立っているのを見つける。
彼女は、まわりのことなど一切気づかないように見える。
彼女のしていることは、ハロー・キティ車両のデコレーションなのか?
他の乗客達は、彼女のマジックに鈍感なのか、
狂暴な動物に出くわした時にするように、
自分達の怖れを巧妙に隠しているのか?
僕は、挑発者の役を決め込むことにし、
カメラを取り出し、車両中を遊び戯れる。
思ったとおり誰もひるまない。
ロリータは、巧みな操作を続行し、
電車は走り続ける。