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こんにちは!
お久しぶりです。 しばらく仕事で 忙しかったのですが、
淳が肩代わりしてくれました。でも、 今日は少し時間ができたので、
最近ニュースで論じられている争点について、
お話したいと思います。
多くの方はご存知かと思いますが、今、 中国において反日デモや暴動が起きており、
日本企業の工場に放火や、
日本車を燃やしたりしています。
これに対し中国政府は、
日本への外交官派遣を取り止めるなどしました。
これらの原因は、日本がいくつかの 島を購入したことにあるようです。
いったい、何がどうなってるんでしょう。 なぜ彼らは怒り狂っているのでしょうか?
私は大学でアジア研究を専攻しました。 実は、この問題は長期にわたり論争されているので、
論文のテーマに取り上げました。
ですから、今回はこの問題についてお話したいと思います。
つまり、尖閣...ちょっと中国読みは分からないのですが ...尖閣諸島をめぐる
論争についてです。
尖閣諸島には、5つの小島と3つの岩礁があり、
台湾の北東、沖縄の西側に位置しています。
居住には適していません。
ですから、とりわけ必要とされることの無い島なんです。
ところが、1968年に行われた調査で、 膨大な石油と天然ガスが
尖閣諸島の周辺海域に眠っている 可能性があると分かったのです。
世界トップクラスの埋蔵量ですから、 もう、全く以って
この島を無視できなくなりました。
もちろんその理由は、この島の所有者に 資源を手にする権利があるからです。
つまり、これこそが最も重要な論点なのです。
しかし、これらは本当に暴動を 起こす程のものなのでしょうか?
「核を落とすべきだ!」と言っている中国の方は、 そのような発言をどう考えているのでしょうか?
本当にこれらの対応は適切なのでしょうか?
そうでないかもしれません。 実はこれらの騒動の背景に、
中国政府が依然として 共産主義である事が挙げられます。
ですから、多くのことが 規制・コントロールされています。
例えば、YouTubeも使えませんし、
FacebookやTwitterも利用できなくなっています。
特筆すべきは、政府に抗議する こともできないという事です。
全て政府にコントロールされているため、
中国では政府に異議は唱えられないのです。
結果、人々は次第に抑圧されていると感じ始めます。
彼らには鬱積した憤懣を晴らす術が無いのです。
そこで、中国政府が何を行った かというと、外に敵を作り、
国民の敵意を外に向けさせたのです。
そして、日本はその "外敵"に何度もなってきました。
何故日本なのか?それは、日中間で 互いに悲惨な歴史があるからです。
日本が帝国主義や第二次世界大戦期に 行った数々の非道、暴力行為..
これらに関して、多くの中国の方は憤慨しているのです。
もちろん、全員ではありません。 日本に友好的な方もいらっしゃいます。
しかし、いずれにしても、
日中間で互いに悪感・反感 が募り続け、
今日まで溜まり続けているのです。
このようにして、
世界的にそれほど関心を持たれていない 尖閣諸島をめぐった問題が、
ここまで激化しているのです。
なぜ中国は抗議しているのか。 どのようにしてデモが起こっているのか。
思い出してください。 中国では政府がコントロールしています。
政府はこれらの暴動やデモを 止めることができるのに、
止めようとしていません。
反日デモはニュースで連日のように 報道されています。つまり、
中国政府はこれらを黙認しているわけです。
こうして、国民に溜まった 憤懣を晴らさせているです。
そして、政府はこの方法をときどき用います。
国外に国民の注意を向けさせ、
内々の問題から意識を逸らすのです。
そして後に、またデモ等で憤懣を晴らす 必要が来るその時まで、
いつも通りの、落ち着いた日常が続くのです。
これが、尖閣諸島に関する 2つめの問題です。
さて、では
尖閣諸島をめぐる権利問題 はどうなっているのか、ですが..
そもそも、なぜ中国は日本の尖閣諸島購入 に憤慨しているのでしょう。
それは、日中両国が尖閣諸島の所有権を主張しており、 未だに論争されているためです。
誰の所有物であるかは 誰にも明確に言えないのです。
少し、尖閣諸島の歴史に ついてお話しますので、
皆さん御自身で、所有権は誰にあるのか を判断していただければと思います。
ここで私見を述べるのは適切でないと 思いますので、控えさせていただきます。
さて、まず中国が様々な理由で尖閣諸島 を利用してきたと主張しています。
例えば、ハーブ(薬草)の採取や、明朝時代から 航海の際に目印として利用していた、などです。
この時期から日本と中国で用いられていた地図には、
尖閣諸島は非常に小さいため載っていないことも あったのですが、載っている地図もあり、
それらの地図には尖閣諸島は 中国領と記されていました。
そして、1893年、
西太后が薬草(ハーブ)を採取するために、
諸島を市民に与えたと、 伝えられています。
しかし、1895年、
日本政府が11年に渡って行った調査の末に、
尖閣諸島をterra nulliusと断定しました。
terra nulliusとは主無き土地の事で、どの国にも 属さず、居住者もいない無人の地です。
そして、日本政府は尖閣諸島を 自国に編入したと主張。
これは、日本が日清戦争に 勝利したのと同時期で、
日中間で結ばれた下関条約により、
中国が日本に譲渡する 多くの土地が取り決められました。
その後、様々な調停により、
日本は領土を中国に返還するよう強要され、 中国から譲渡された全ての領土を返還しました。
問題となるのは、尖閣諸島がこれらの 条約に含まれていたかですが、
どの条約にも明示されていません。
中国は、尖閣諸島は戦争で奪われたと主張し、
日本は、戦争によって獲得したわけではなく、 戦前から日本固有の領土であり、
尖閣諸島は放棄した領土には 含まれていないと主張。
20世紀初頭、古賀辰四郎氏が
日本政府から諸島を貸与され、 後に、ご子息が諸島を購入します。
以降、諸島で事業を行い、 約200人が定住します。
この時が、尖閣諸島に人が 住んでいた唯一の期間です。
事業は40年程続きましたが、
行き詰まり、
栗原家に島のいくつかを譲渡しました。
第二次世界大戦に 日本が敗戦した後は
アメリカが一時的に 諸島を管理しますが、
1971年の沖縄返還の際に、 尖閣諸島も日本に返還しました。
近代においては、
日本の地図でも中国の地図でも、
尖閣諸島は日本の領土であると 記載されています。
そして1968年、石油資源埋蔵の 可能性があると分かり、
このとき初めて、中国が尖閣諸島の 領有権を主張します。
それまで中国は、領有権に関して 一切、何の主張もしていません。
それ以降、日中の対立は続き、
デモ抗議や暴動、逮捕事件、船舶の衝突 などの反発が中国各地で起き、
そして、現在、
日本政府が栗原家から尖閣諸島の内の 3つの島を購入したことに関し、
中国では反日感情が渦巻いています。
もちろん、他にもいくつも論点はありますが、
今回は私が重要であると感じた、 主だったポイントをお話しさせていただきました。
ご意見等がございましたら、 どうぞコメント欄にてお知らせください。
今回の騒動について、あまり 詳しくなかったという方の
参考になってくれれば幸いです。
今後はニュースを追って、
自分なりに考察してみてください。
ご視聴ありがとうございました。 また、次回お会いしましょう!