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今年もPalexpoで 第82回ジュネーブモーターショーが開催されました。
ジュネーブモーターショーは、規模はそれほど大きくはないものの、 パリ、フランクフルト、デトロイトに並ぶ 重要なイベントとして位置付けられています。
2012 年度のジュネーブモーターショーでは、 数種の新型モデルが世界で初めて公開され、 例年通り盛況となりました。
SBD の最新情報でも取り上げていますが、
SBD の Secure Car チームは、 自動車セキュリティとスマートキー技術の 最新動向を視察しました。
このビデオでは Chevrolet、Porsche、PSAグループ、三菱自動車の 最新のスマートキー動向をレポートし、 今後のスマートキー技術を分析します。
更に Renault と Volvo による 充電ケーブルのセキュリティ対策についても取り上げます。
近年、電気自動車は、快適さや利便性において 最も優れた車両技術として取り上げられる事が多く、
ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー 2012 を獲得した Chevrolet Volt や Opel Ampera もその良い例です。
両モデルには同じスマートキーシステムが搭載されています。
センターコンソールに設けられた プッシュボタンまたはパワーボタンスタートは最新の仕様ですが、
スマートエントリーとエマージェンシースタートは 競合他社に遅れをとっています。
ドアハンドルに設けられた1つのボタンで ロックとアンロックの両方を行う仕様は、
タッチセンサー技術などを用いている競合モデルと比較すると、
技術面で劣っているかのような印象をユーザーに与えかねません。
またエマージェンシースタートにおいては、
ダッシュボード上部にある収納スペースのゴム張りの下に キースロットが隠されている事を
説明なしに理解できるユーザーは、 残念ながら殆どいないのが実情です。
SBDのエンドユーザー調査でも明らかになっていることですが、
ユーザーの満足度向上のためにも
エマージェンシースタートの操作については、 ユーザーに対する丁寧な説明が不可欠です。
これは Opel と Chevrolet のシステムの重要な課題と言えます。
一方、Peugeot、Citroen、三菱が発表したシステムは この課題に対する明確な対策を行なっています。
これら 3 社の共同開発車両が、
三菱 Outlander、Citroen C4 Aircross、Peugeot 4008 として
今回ジュネーブモーターショーで発表されました。
ドアハンドルにスマートロックとアンロックの 単一プッシュボタンが、
ダッシュボードにプッシュボタンスタートが設けられているのは
Chevrolet Volt と同様です。
エマージェンシースタート用イグニションポートも 同様に隠されているのですが、
こちらはグローブボックスに設置されており、
エンジンスタートに2度失敗すると 操作方法がディスプレイに表示されるようになっています。
この新システムの導入で、 CitroenとPeugeotのスマートキーシステム搭載モデルは 倍増しました。
この新しい技術は今後、 更に他のモデルにも導入されていくとSBDでは見ています。
第1世代スマートキーを導入したばかりのメーカーから、 装備率ほぼ 100% のメーカーへと変わりつつあるのが Audi です。
A3 モデルでもスマートキーを導入した今、
Audi の販売モデルの中で スマートキーを装備していないのは TT のみとなります。
TT は 2013 年にフルモデルチェンジを予定しており、 スマートキー装備の可能性もあります。
A3 モデルのスマートエントリーとスマートスタート機能は タッチセンサーのロック・アンロックとプッシュボタンスタートで、
Audi の標準仕様です。
エマージェンシースタート操作は、 ステアリングコラム横にキーフォブを掲げ スタートボタンを押すというスタイルで、
イグニションポートを利用した Audi の以前からの操作方法と似ていますが、
今回はゴム製のキーフォブマークを付け、場所を明確に示すことで 利便性の向上を図っています。
エマージェンシースタートへのこうした技術の導入は、
プッシュボタンスタート無しの非スマートキーモデルの 可能性を拡げています。
Audi 広報による具体的な導入戦略の発表は無かったものの Audi はそのような展開を行っていると見られています。
スマートスタート機能の無いスマートエントリーの導入は 一風変わった戦略で、
SBD ではユーザーの意見を含め今後の展開を注視していく予定です。
確実にスマートスタート機能無しのスマートエントリーを 導入しているメーカーが Porsche です。
ジュネーブモーターショーでは 最新の Boxster が脚光を浴びていましたが、
SBD は 2011 年フランクフルトモーターショーで注目された 911 仕様の詳細を入手する事ができました。
911 にはスマートロックにプッシュボタンが、 アンロックにタッチセンサーが導入されています。
ユニークなハンドル仕様が、人気の高い水平グリップと共に 利便性の高いドアの開閉を実現しています。
Porsche はユーザーにエンジン始動操作を楽しんでもらう為に、 あえてスマートスタートを搭載していないとしています。
ジュネーブモーターショーの最新動向レポートの最後は、 電気自動車についてです。
今回のモーターショーで高い関心を集めていたのが、
充電ケーブルのセキュリティ対策として スマートキーシステムを導入した Renault Zoe です。
Renault の全モデル同様に Zoe にも搭載されているウォークアウェイロック機能では、
ユーザーが車両を離れると ケーブルおよびドアが施錠され、アラームが設定されます。
これは現在車両メーカーが提示している 充電ケーブルセキュリティ対策の最高レベルです。
SBD では、高値が付く充電ケーブル内の銅を狙った窃盗が 増加すると予測しており、更なる対策が必要と見ています。
Volvo が検討している e-C30 の充電ケーブルのセキュリティ対策では、
充電ケーブルは物理的にはロックされていませんが、
車両アラーム設定時にケーブルを持ち去ろうとすると アラームが作動し、
Volvo アプリでユーザーのスマートフォンへも警告が送られます。
このシステムは誤警報などの問題が生じる可能性もありますが、
充電ケーブルのセキュリティ対策を行なうメーカーが少ないなか 大きな前進と言えます。
以上が今回のジュネーブモーターショーでのスマートキー技術と 電気自動車の充電ケーブルセキュリティ対策の最新動向です。
ご視聴ありがとうございました。 ジュネーブモーターショーの内容については SBD 最新情報でも取り上げています。