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マン島TTレース(1907年からイギリス・マン島で開催されている公道レース)は、公道レースの真髄ともいえる歴史的に最も価値のあるレースであり、これからもそうであり続けるだろう。
危険なレースではないんですか?
少しね。そう、少しだけ。
このレースは、まるでサーカスのように観客を魅了するよ。
伺いますが、このレースは正気のレースなんでしょうか?
そうだね、そうだと思う。答えを出すには、よく考える必要もあるけどね。
その質問に回答するには、去年の大会で2つも大クラッシュがあったことも考慮しないとね。
1レースで2つの大クラッシュだよ。そう、このレースは危険だ。
特にストレートが一番ヤバイんだよ。バイクをしっかりホールドしていないといけない。
そういえば、去年の私のバイクはかなり速かったんだが…
あまりにも車体の振動が凄くて、ストレートで最高速にもっていくまでに8周もかかったんだ。
レース中、唯一、体を休めるところがあるとしたら、それは高速コーナーくらいなんだ。本当にヤバイんだよ、マン島TTレースは。
以前、1950-60年代のマン島TTレースに関する本を読んだことがあるんだ。
面白いことに、その本の中で、当時のライダーたちも今のライダーたちと同じようなことを言ってるんだよ。
でも、よく考えてみてほしい。当時のバイクはだいたい80馬力くらいだった。
それが今では、150馬力のバイクで同じレースを走っているんだから、どれだけヤバイレースか判るよね?