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路面電車の屋根に室外機が… 車両の冷暖房にまさかの家庭用エアコン、なぜ導入
とさでん交通の路面電車で、屋根に家庭用エアコンの室外機をふたつ、そのまま載せた車両が走っています。
「実証実験」とのことですが、どのような目的があるのでしょうか。
車両冷房が設置不可 ならば…。
高知の路面電車で、ある意外なものを屋根上に載せた車両が走っています。
その車両の屋根上には、上空の架線から電気を得る部品であるパンタグラフのほかに、家庭用エアコンの室外機と思しきものがふたつ、ファンの部分が側面を向くように置かれています。
民家の軒先にあるようなものが、なぜ電車に載っているのでしょうか。
この路面電車を運行している、とさでん交通(高知市)に話を聞きました。
——あれはやはり家庭用エアコンの室外機なのでしょうか?。
お察しのとおり、家庭用エアコンの室外機です。
電車内にも同じく、家庭用のエアコン装置を取り付けています。
——なぜ家庭用エアコンを導入したのでしょうか?。
導入車両は、冷房装置がない200形電車の1両です。
1950年代に製造された200形は、骨組みの強度や天井の高さなどの関係から、電車用の冷房装置を設置することができません。
そこで家庭用エアコンを設置し、動作の実証実験を行っています。
家庭用と「まったく同じ」。 ——エアコンはどうやって動かしているのでしょうか?。
(パンタグラフを通じ架線から得る)電車の動力用電源600ボルトを、室内灯用電源100ボルトに変換する装置を搭載しており、その装置からエアコンに100ボルトの電気を送っています。
操作方法は家庭用エアコンとまったく同じで、リモコンにて行います。
——ほかの車両にも導入していくのでしょうか?。
現在行っている実証実験で、良い結果が得られれば検討したいと思います。
とさでん交通によると、この家庭用エアコンを搭載した電車は2017年11月から運行。
冬には暖房を使用したといいます。
今後、夏の冷房時における動作などを確認していくそうです。
ちなみに、14両ある200形電車のうち、2両は車体を交換したときに電車用の冷房装置が導入されています。
しかし冷房のない車両については、夏季には車両の内外に「申し訳ございません この電車は冷房車ではありません」とのお詫び文が掲示されたり、車内でうちわが配布されたりしています。
「電車の行先のひとつが『ごめん』(南国市の後免駅)なので、夏にはお詫び表示と行先表示で二重に謝っている感じになりますが……」(とさでん交通)という200形電車、エアコンの導入が進めば、行先表示の「ごめん」だけで済むようになるかもしれません。
【写真】とさでん名物!? 「謝りすぎ」電車。