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歴史の初めから
人類は、より良い暮らしを 求め続けてきました
何世紀もの間
世界を変えようとしてきました。 より効率的で
生産的で、便利で そして、安全な場所へと
世界がより良いものになるように。
飛躍的な進歩の一つ一つが
固有の専門知識と 献身的な努力を必要とする一方
明確なパターンに 沿うものも多いようです。
例えば宇宙探査の進歩を 考えてみてください。
初めはただ 肉眼での観察だけでした。
それから器機が発明され より遠く、より深く
より細かく、 観測することが可能になりました。
しかし、より詳細な観測だけでは 十分ではありませんでした。
そこで、星図が創り出されました。
観察結果をマッピングすることにより 相対的位置、規模、
関係性、規則性が明らかになりました。
時を経て、天体の
ダイナミックな関係が 把握できるようになりました。
太陽系を支配する規則、 原則、そして法則について。
観測、マッピング、 そして把握は
ある強力な力で生み出されました。 それは、信念。
我々は月に行きます。
我々は10年以内に 月に行き
いろいろなことに取り組みます
それが容易なことだからではなく むしろ困難なことだからです。
その到達点が たゆまぬ努力と
最高技術の結集の あかしとなるから。
この挑戦は ぜひやりたいこと
先延ばしには したくないこと
そして、やり遂げること
人類は信念を共有し 行動に移し
不可能を可能に してきました。
これが進歩のパターンです。
世界がどう反応するのかを観察し
発見をマッピングし
原因と結果を把握し
新しいものを創り出す という信念を持つ…
そして、世界のシステムをデザインし 建設し、 改善していくために行動するので す。
今日、私たちもこの同じ道を たどることができます。
より高度な科学と テクノロジーに支えられながら。
最も重要な課題に 立ち向かうことができます。
治療方法から
人と物の 輸送方法
そして、食料の供給方法に。
日々、世界の人口の半分が 食しているのは、お米。
しかしお米は 病気、干ばつ、害虫の被害を
とても受けやすいのです。
それが多くの国で 人口が増大していくにつれ
食の安全が危うくなっていく 理由です。
何世紀もの間、人類は、より耐性の高い 穀物を育てようとしてきました。
しかし、現在はこの改良を 迅速に行うことができます。
ひとつの方法として、今までとは 別の視点からお米を見ることです。
遺伝子コードで。
お米のひと粒ひと粒が より高い耐性をもつ
能力を 秘めています。
その能力を見つけ出すことが 課題です。
この7年間 アジア、ヨーロッパ、アメリカの
科学者によるコンソーシアムが これに取り組み
イネゲノムの全塩基配列を解読し 遺伝子地図を作成しました。
この図を精査することによって
お米のどの遺伝子が 干ばつに、あるいは病気に耐性を
もたらすのかがわかります。
最新の 計算法によって
この発見は スピードアップされ
耐性の高い稲を
より確実に 生育させ
より早く 農地での実践に移し
食料供給を保証することができます。
ここ数十年のうちに
機器は、より高感度で 高性能になり
全鼓動、全細胞 全生物学的変化を
データ化することが できるようになりました。
ようやく、この膨大なデータの より包括的な
マッピングが 可能になりました。
ひとりの人体においてでさえ そのシステムは複雑ですが
全人口のパターンを マッピングし
それを 個人のデータと比較し
遺伝子構造、 生活環境、
病歴を考慮し
何が人に病をもたらすのか 把握するのです。
研究者と医師は
個別化された医療を 始めています。
それは、その人の遺伝子構造に 合わせた治療から
生物学的特性に 沿う投薬、
代謝に合った 食事療法にまでわたります。
これは、より高度な医療の 基盤です。
日々、人々や商品は、A地点から B地点まで移動しなければなりません。
しかし、それには 大きな障害があります。
交通の問題は
解決できない課題と 思われがちです。
でも、まったく異なる視点から それを見てはどうでしょう。
交通をデータでとらえるのです。
ストックホルム、 シンガポール、ブリスベンでは
複雑に張りめぐらされたセンサーをつな
ぐネットワークにより リアルタイムで交 通がモニターされています。
道路の温度、
橋の状態、
車両のタイプ、速度、 位置、
貨物の内容さえ知ることができるのです。
このデータにより、システム全体において 原因と結果を明確にできる
ダイナミックなマップが 創り出されます。
そしてこのモデルは そもそも
なぜ交通渋滞がおきるのか、 そして、それがどう
広がっていくかの予測に役立ちます。
これにより、渋滞への対応と
交通システムの、ダイナミック・コント ロールが 可能になります。
信号の 点灯時間の変更
緊急車両の通過調整
通行料金と駐車料金の設定 といったことが。
世界のシステムは複雑で 絶えず変化し
進化し続けています。
生じた問題に対して システムをよりスムーズに
動かせるよう これらのアプローチで
対応することができます。
これが進歩のパターンです。
壮大なる挑戦から 日常の問題にまで
取り組むアプローチです。
今日、私たちは世界の動向を 以前より明確に
知ることができます。
リアルタイムで 生命の営みが続く中で
微細なものから 無限大まで。
その成果はマッピングされます。
より正確に、完全に。
複雑化するシステムにおける 因果関係が
明らかになります。
そのシステムは 事業、産業、
都市生活や経済を支えます。
今日、我々が最も依存している インフラとプロセスの
改善が実現できます。
より多くの機器 テクノロジー
科学が、これまでよりも 自由に使えるのです。
では今、 どんな信念をもったらいいでしょう。
どんな行動をとったらいいでしょう。
どうしたら世界を より良いものへと変えられるでしょう。 �