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「ライク・ア・バージン」は巨根に
出くわした女の歌なんだ
歌詞のすべてが巨根の隠喩になってる
違うだろ
か弱い女の子の歌だ
何度も傷つけられて
最後に理想の男に出会うんだ
そんなの一般向けのデタラメだよ
トビー…
トビーって誰だ?
「ライク・ア・バージン」は色男に
出会った女の子の歌じゃない
それを歌ったのは「トゥルー・ブルー」だよ
「トゥルー・ブルー」?
「トゥルー・ブルー」を知らない?
あんなにヒットしたのに
聞いたことがないとは言わないが
別にマドンナの大ファンってわけじゃない
いてもいなくてもいい存在だ
初期の作品はけっこう好きだったけど
「パパ・ドント・プリーチ」以降は駄目だな
何を話してたか忘れちまった
俺は何を言いかけてた?
そうだ トビーはあの中国娘だ
彼女の苗字は何だっけ?
それはなんだ?
長い間袖を通してなかった
コートの中にあったアドレス帳だ
- 俺は何を話してたんだっけ?
- 「トゥルー・ブルー」は…
傷ついた女の子が男に出会う歌
けど「ライク・ア・バージン」は巨根の隠喩
そうだった
「ライク・ア・バージン」についてだ
これは膣の話だ 彼女は毎日毎晩
男を漁るファック・マシーンだった
チンポ、チンポ、チンポ…
- 何回チンポって言った?
- たくさん
そしてついにジョン・ホームズ級に出会った
大脱走のチャールズ・ブロンソンみたいに
ドカンと穴を掘られちまったのさ
彼女はそんなでかいシロモノには
いままで出会ったことがなかった
すごく痛かった
チュウ? トビー・チュウ?
裂けそうだった
壊されるかと思ったんだ
どんなアバズレ女でも初めてのときは
痛みを感じるものさ
その痛みはファック・マシーンに
バージンみたいな気分を味わわせた
だからタイトルが
「ライク・ア・バージン」
ウォンだ!
こっちによこせ
何をする? 返せ
聞いててイライラする
出るときに返してやるよ
何言ってるんだ?
いますぐ返してくれ
この15分間あんたはずっと
名前をブツブツつぶやいてた
トビー
トビー・ウォン?
トビー・チュン?
チャーリー・チェンかよ!
一方ではマドンナと巨根の話
こっちではトビー くそっ
俺はどうすりゃいいんだよ
手帳を返してくれ
しまっておいてくれるか?
そんなの俺の勝手だろ
- まだ続けるつもりだったら…
- おい ジョー
- そいつを撃ってやろうか
- くそっ
それは夢の中でやってくれ
起きてから謝れば済む
「K・ビリーの70年代スーパーサウンド」を
誰か聴いたことはあるかい?
- あれはすごいな
- あれを聴いたんだな
「ハートビートはラブビート」を
ちょっと前に聴いたんだ
学校を出て以来の衝撃だったよ
ここに来る途中「夜と朝はジョージアから
やって来る」が耳のなかで鳴っていた
大人になるまで聴いたことがなかった
知ってからは何万回も聴いたよ
最初に聴いたのはアンディ・ウォーホルを
撃った女を歌った曲だな
- 誰が撃ったんだっけ?
- 愛人じゃなかったか
- 歌の最後にそれを言うんだ
- クソッたれ 聴いたことがあるぞ
俺を知らないのにクソッたれなんて呼ぶな
俺は勘定を済ませてくる
おまえらはチップを置け
それぞれ1ドルずつだ
それから戻ったら手帳を返せよ
すまんな もう俺の手帳だ
気が変わった
この野郎を撃ってもいいぞ
わかったよ みんなで
あの女性に金を出すんだ
- こっちによこしてくれ
- 俺は出さない
- チップを出さない?
- そうだ 嫌なんだ
- チップ制度を否定してるのか?
- このチキンは誰が作ったと思う?
十分な金をもらえないなら
仕事をやめればいいんだ
ユダヤ人でもそんなにケチじゃないぞ
チップを出したことがないのか?
俺がチップを出さないのは
それが義務になってるからだ
チップに値するときは出すよ
もらいたければ努力すべきだろ
だけどこのチップは
単に料理に対するものだ
- 当たり前の仕事をしただけさ
- 彼女に悪いところはないぞ
- 悪くはないが特別でもない
- 特別? おまえのチンポをしゃぶれとでも?
12%上乗せする価値はあったよ
コーヒーを頼んだけど
おかわりは3杯だけだった
俺は6杯は飲みたいんだ
- 忙しかっただけだったら?
- ウェイトレスが忙しすぎるなんてことないだろ
結局コーヒーが欲しかっただけか
彼女たちは飢えてるわけじゃない
最低賃金は受けとっている
俺は最低賃金で働いたことがあるが
チップなんかもらわなかった
おまえのチップも計算に入ってるんだぞ
この世界最小のバイオリンを
ウエイトレスのために演奏するよ
何もわかってないな
彼女たちは身を粉にして働いてる
これはきつい仕事なんだぞ
マクドナルドの仕事はどうだ
彼らにチップは払わない
なぜ世の中にはチップをもらえる人と
もらえない人がいる? デタラメさ
ウェイトレスは学歴のない女性には
第一候補の職業だ
どんな女性でもこれで
生計を立てることができる
チップのおかげだ
知ったことか
政府がチップにまで課税してるのは
ひどい話だと思うよ
ウェイトレスから定期的に巻きあげてる
それを投票で反対しろと言うならする
けど俺はこのゲームに加わる気はない
学歴のない女性がどうした?
タイプを習えばいいだろ
筋の通らないことをしたくないだけだ
納得した 俺のチップを返せよ
それを戻すんだ
おしゃべりども そろそろ行くぞ
待てよ 誰が出してない?
ミスタ・ピンク
ピンクが? なぜだ?
チップは出さないと
どういうことだ?
なぜ出さない?
- 嫌なんだとさ
- 黙ってろ 嫌だと?
いいから1ドル出せ
俺がおまえの朝食代を払ったんだぞ
わかったよ 朝飯はあんた持ちだった
でも普段は絶対出さないんだ
普段のおまえなんてどうでもいい
たかが1ドルを出し渋りやがって
ありがとよ
パートリッジ・ファミリーの
「捜してもらいたくない人は?」に続いて
エディソン・ライトハウスの
「ローズマリーが愛を育てる」をお送りしました
「K・ビリーの70年代スーパーサウンド」を
引き続きお楽しみください
♪小さな緑の鞄を探しているんだ
♪早く見つけなきゃ頭が変になりそうだ
♪夜に探しても昼に探しても見つからない
♪自分のやり方で探し続けるんだ
♪夜に探しても昼に探しても見つからない
♪自分のやり方で探し続けるんだ
♪ずっと探してる
♪ちょっとした幸せを探してるのに
♪見つかったのは寂しさだけ
♪右を向いても 左を見ても
♪上をのぞいても 近くを見ても
♪ちょっとした幸せを探してるのに
♪見つかったのは寂しさだけ
♪右を向いても 左を見ても
♪上をのぞいても 近くを見ても
死んじまうよ!
俺は死んじまうんだ!
じっとしてろ! 相棒!
死んじまうよ!
すまない
- 俺の手を握ってろ
- どうせ死ぬなら 車を戻してくれ
いいかげんにしろ!
おまえはひどい怪我をしただけだ
死ぬわけじゃない
血がすごくたくさん出てる
死ぬんだよ わかってる
すまん おまえが医学の学位まで
持ってるとは知らなかったよ
おまえは医者なのか?
どうだ? 答えてみろよ
違うよ
そうだろ
なら自分が適当なことを
言ってるだけと認めるんだな
素人診断はやめておけ
これから集合場所に行く
ジョーがおまえを医者まで運んで
そこで治療してもらえる
だからおまえは大丈夫だ
そうだろ!
そうだと言うんだ!
おまえは大丈夫だ
言うんだよ!
おまえは大丈夫だと言え!
言うんだよ!
- 言え!
- 大丈夫だ ラリー
それでいい!
大丈夫
ほらここだ 着いたぞ
あんたは俺を助けてくれるよな?
いま俺たちは倉庫だ
おまえはタフガイだろ
タフガイなんだろ?
- タフガイだろ
- 俺はタフガイだよ ラリー
そうさ おまえはタフガイだ
いま倉庫にいる
どこにいるかわかるか
着いたんだよ
着いたんだ
もうここは倉庫だ
どこにいるかわかるだろ
まわりを見るんだ
じっとしてて
そんなに頭を動かすな
床に穴があいちまうぞ
床を壊しちまうだろ
いいな?
俺は何もしてやれない
でもすぐにジョーが来る
もうちょっとだよ ジョーが来て
おまえを助けてくれるから
彼を待ってればいいんだ
俺たちは誰を待つんだ?
ジョー
ラリー すごく怖いんだ
俺を抱きしめてくれるか?
わかったよ
怖がったってかまわないさ
今日のおまえは勇敢だった
もう楽をしてもいいんだよ
おまえは死なない
ジョーが来たらすぐによくなる
おまえを元通りにしてくれるさ
傷はひどいのか ラリー?
あまりよくない
ラリー 本当に感謝してるよ
俺は少しパニックになってたようだ
いまはもう正気だ
腹を撃たれて医者にも行けない
俺は死ぬだろう
病院は無理だ
刑務所が何だ!
付き添ってくれる必要はない
病院の玄関まで車で運んで
そこに俺を放り出してくれ
自分で行くから
俺は何もしゃべらない
絶対にしゃべらない
神に誓ってもいい
俺の目を見てくれ ラリー
絶対に何もしゃべらない
あんたは捕まらないよ
おまえは死なないんだよ
わかったか?
いいか きっとよくなる
膝小僧と腸は 撃たれたら
いちばん痛む場所なんだ
けれどそれですぐ死ぬわけじゃない
時間がかかるんだよ
死んだほうがマシだと思うだろうが
時間はまだあるんだ
このいい加減な計画は何なんだ?
くそっ オレンジがやられたのか?
撃たれた
まったく!
ブラウンはどこだ?
死んだよ
ちくしょう なんで死んだ?
なんでだと思う?
警官に撃たれたんだよ
ひどいな
ひどすぎる 傷は悪いのか?
いいように見えるか?
ハメられたんだよ
ハメられたんだ 誰かが俺たちを
一網打尽にしようと企んだ
本気でハメられたと思うのか?
あんたもわかってるはずだ
あの警官たちはどこから現れた?
いきなり出てきただろ?
サイレンなんか聞いてないぞ
警報が鳴ってから4分間の
猶予があるはずだった
近所をパトロール中でもないかぎり
対応されるまで4分あったはずだ
なのに1分もしないうちに
17人の警官が表を囲んでいた
連中がそこで何をしてたかわかるか?
ただそこにいただけだ
第二陣が来たのに気づいたか?
それが警報に反応した連中だ
けど最初のは待ち構えてたんだ
それくらいは考えなかったのか?
俺には考える余裕がなかった
まずあそこから逃げるので精一杯で
その後はこいつの面倒をみてた
だったらいまから考え始めろよ
俺はここに来る気すらなかったんだ
ただ車で通りすぎるつもりだった
内通者がいるならここもバレてるからな
警官が待ち構えてても不思議はない
すぐにでもやって来るだろうさ
他の場所に行こう
あっちにいるからな
おいてかないでくれよ
死んじまうよ
ちゃんとそこにいて
おまえを見てるからな
俺はいったいここで何してるんだ?
始めてすぐ この仕事はおかしいと思ったよ
抜けるべきだったんだ
いつもマリファナを買うときと同じ感じがしたんだ
俺は売人を信じてないのに
信じたいと思うようになる
タイ産の本物は実に素晴らしいからな
ヤバイ感じがしたら すぐに
抜けるべきだといつも思ってた
だけどできっこない 金のせいだ!
冷静になってくれ
おまえは冷静か?
俺は冷静だよ
水で顔を洗うんだ
ひと息つくんだ
落ち着いて 煙草でも吸え
やめたんだ
わかった
なんだよ? 持ってないのか
ほら
やるよ
ありがとう
何が起きたか考えてみるぞ
俺たちはそこにいた
何も問題はなかった
そして警報が鳴りだした
俺が振り返ったら
外には警官隊がいた
まばたきしたが やはりそこにいた
俺たち全員があわてふためいた
そしてミスタ・ブロンドが撃ち始めた
そうじゃない
どこがおかしい?
警報が鳴っても警官は現れなかった
ミスタ・ブロンドが撃ち始めるまでは
奴らは姿を見せなかった
警報が鳴った後 俺は警官を見た
そんなにすぐじゃないだろ
ミスタ・ブロンドがおかしくなるまで
連中は隠れていたんだ
奴らはずっとあそこにいたと思う
でもミスタ・ブロンドが撃ち始めるまで
動こうとはしなかったんだ
だから俺はハメられたと思ってる
さあ ミスタ・ホワイト
ミスタ・ホワイトはもういい
俺は…
待って! 言わないで
あんたの名前は知りたくない
勘弁してくれよ
俺も教える気はないぞ
そうだな
そのほうがいい
おまえはどうやって逃げた?
撃ちまくってだよ
誰もが撃ち始めただろ
どけろ! 道をあけるんだ!
道をあけてくれ!
そこをどけ!
まったく 何があったんだ?
ふざけんな クソ野郎!
ちくしょう!
車から降りるんだ!
急げ!
警官を二、三人撃ったよ
あんたは誰か殺したか?
警官を何人か
民間人は?
警官だけだ
ミスタ・ブロンドをどう思う?
見たことないほど正気をなくしてたよ
なぜジョーはあんな奴を雇ったんだろう
俺は誰も殺したくなかったんだよ
誰かが道をふさいでたら
そいつをどけないといけないだろ
俺の考えはこうだ
10年誰かと組んでやってれば
仕事からクズ野郎を外すことは
当然のことになってくる
俺だって狂った奴はごめんだ
いったいジョーは 何を考えて
あんな奴と一緒と組む気になった?
奴が俺たちを撃たなかったのは
ただの幸運でしかないんだぞ
もうちょっとで俺は
あいつを撃つところだった
誰も彼も混乱してた
全員がだ
そうなったのは当たり前だよ
あんたも皆と同じで混乱してたんだ
そういうことさ あんたの頭の中は
メチャクチャだったんだ
何秒か時間をおけば
判断することもできるさ
あんたは対処できる
けどまわりを殺し始めないでくれよ
プロとして行動すべきなんだ
キチガイはプロになれない
俺はキチガイとは仕事はしない
次に何をするか予測ができないからだ
あの黒人娘はいくつだったと思う?
20歳?
それとも21歳?
それくらいだ
他の連中がどうしたかわかるか?
俺とオレンジは車に飛び乗った
ブラウンは床に伏せてた
その後のことはわからん
みんな自分のことで精一杯だったよ
ミスタ・ブロンドとミスタ・ブラウンがどうなったか
俺にもわからん 振り返らなかったから
どうなったと思う?
どうなった? 警察に捕まるか
殺されたかだろうよ
おまえは逃げられた
ああ ほとんど奇跡だったぜ
けど もし逃げられたとしても
それからどこに行ったんだ?
おろらく二人のうちどっちかが
ダイヤモンドを持っている
それはない
どうしてわかる?
俺がダイヤを持ってる
でかしたぞ
どこだ?
隠した
来てくれ 取りに行こう
いますぐに ここにいたら
頭を検査しなきゃならなくなりそうだ
計画ではここに集合することになってる
みんなはどこにいる?
ネズミがいるとわかったんだから
その計画も白紙にしていいだろ
ミスタ・ブロンドとミスタ・ブルーについては
まだ何もわかってないけど
きっと死んだか警察に捕まってるよ
俺たちの名前は知られてないが
警察に場所を教えることはできる
本音を言うと
ひどいジンクスを思い出したんだ
何?
四人の男が必要な仕事が二つあれば
仲間の一人は潜入捜査官になる
ちくしょう
捕まる前に気づいて運が良かった
俺は全部忘れて逃げるとするよ
誰がネズミだったんだ?
ミスタ・ブルー?
ミスタ・ブラウン?
ジョー?
彼がすべてを計画したんだ
あるいは俺たちをハメるために?
そうは思えない
俺とジョーは長年組んでるんだ
彼はこの件とは無関係だ
俺もガキの頃からジョーを知ってるけど
やらなかったとは言い切れない
俺は自分じゃないとは言えるけど
他の誰かがそうじゃないとは言えないね
あんたがネズミかもしれないんだ
あるいはおまえがそうかもな!
いいぞ あんたも頭を使い始めたな
つまり彼もネズミかもしれないってことだよ
そこに寝てる小僧は撃たれてるんだ
あいつをネズミ呼ばわりするな
なあ 俺は正しいだろ
ともかく誰かがネズミなんだ
この穴ぐらにトイレはあるかい?
もう漏れそうなんだ
ホールに下りて左に行く
階段をのぼって右側だ
アラバマはどうだった?
アラバマ? 1年半いたけど
バマまでもわからなかったよ
おまえら二人でまだ組んでると思ってた
一緒に仕事を4つやったが
それで終わりにすることにした
なぜ?
あんたはずっと女と組む仕事ばかり
俺に押しつけようとしてくるな
彼女はいまどうしてる?
フランク・マッガーが面倒見てる
女の泥棒ばかりのところだ
それで電報の件だが
5人組でダイヤの卸し商を狙ってもらう
その後「氷」は売りさばけるのか?
問題ない 待ってる奴がいる
おまえの「氷」はスパイビーがさばいてたよな?
あいつはスーザンビルで20年の刑だ
20年? ひどいな
何をやった?
運が悪かった
それをもう一度言えたらいいな
どれくらいかかる仕事だ?
2分だが
かなり難しい2分だ
昼間の営業時間中
人が多い場所での仕事になる
従業員は何人?
およそ20人 警備はかなり甘い
いつも扱ってるのはカット前の石だ
シンジケートから仕入れてる
だがこの日だけはイスラエルから
研磨済みの石が届く
翌日にはバーモントに
送られることになっている
だがそうはさせない
どんなカットなんだ パパ?
すごいぞ ジュニア
本当にすごいんだ
なあ あんたは好きにしろよ
俺はモーテルにチェックインする
身を潜めてからジョーに電話する
くそっ 目の前で死なれたのか?
死んじまったんだろ?
死んでない
じゃあ何だ?
気絶したみたいだな
まったく脅かしやがって
てっきり死んだと思ったじゃねえか
治療を受けさせなければ
どのみち死ぬよ
どうしろっていうんだ?
病院には連れていけないぜ
治療を受けさせなければ
夜まで保たないだろうな
腹に弾丸を食らったのは俺のせいだ
おまえにはどうでもいいだろうが俺は違う
大事なことからだ ここにとどまるのは
馬鹿げてる どこかに泊まろう
ホテルに行くのか?
こいつは腹を撃たれて歩けないんだ
おまけにひどく出血してる
起きてるときは痛みで泣き叫ぶだろう
考えがあるなら言ってくれ
ジョーなら助けられる 彼に連絡して
こいつを医者まで連れて行かせる
あるいは医者を連れて来てもらう
ジョーが信じられるとしても
どうやって彼と連絡を取るんだ?
彼はここにいるはずだった
そのことが俺は気にいらない
彼がいま現れたとしても
あまりいい顔はしないだろうな
ただの強盗が大虐殺になった
警官も強盗も民間人もたくさん死んだ
彼があまり同情してくれるとは思わない
もし俺だったら この大混乱から
なるべく距離を置こうとするだろう
おまえがここに来る前に
ミスタ・オレンジは俺に
病院に連れて行ってくれるよう頼んだ
彼を警察に引き渡すのは
俺だって気が進まない
だがそうしなければ死ぬだろう
そうしてくれと頼まれたんだ
わかったよ 病院に連れて行こう
こいつが何も知らないなら
それはこいつが決めることだよ
彼は俺のことを知ってる
なんだって?
あんたは彼に名前を教えたのか?
名前と どこから来たのかを
なぜ?
どこから来たのかを話した
自然な会話だった
どうして自分の名前まで教えたんだ?
きかれたんだよ!
俺たちが警官から逃げる途中
彼が撃たれた
俺のミスで撃たれたんだ
彼は血まみれになった
泣き叫んでた
俺はすぐに死ぬだろうと思った
彼を励まそうとした
俺が最後まで面倒をみるから
安心しろと言った
そしたら彼が俺の名前をきいた
俺の腕の中で死にかかってる男だぞ!
どうすればよかったんだ?
情報を漏らすわけにはいかないと言えるか?
それもルール違反なのか?
俺はおまえを信じてないと言うべきか?
そうすべきだったが俺にはできなかった!
おまえもジョーもくたばっちまえ!
きっと美しい場面だったんだろうな
馬鹿にするな!
警察にあんたの記録はあるか?
あるさ!
つまり捕まる可能性がどの程度かを
心配しただけなんだよ
彼はあんたの名前と出身地と
専門技術について知っている
警察はあんたを見つけるために
写真を見せる必要すらないだろうな
他に何か情報は与えなかったろうな?
俺の背中に立つな
さもないと俺たちはグルグル回り始めそうだ
彼を病院には連れて行けない
だが彼は死にかけてる
誰かが不運になるのはとても悲しいよ
俺に触るんじゃない!
俺とやり合うつもりか?
撃てよ このクソッたれ
やれるならやってみろ
俺はうまく切り抜けてやる
あんたは新米のコソ泥並みだが
俺はプロとして行動してるんだ
彼が捕まったら 奴らはあんたを捕まえ
俺にも迫ってくる そんなことはさせない
それが俺のミスだと言うのか?
俺は彼に名前は教えてないぞ
くそっ 15分前にもあんたは俺に
名前を言おうとした あんたが悪いんだ
失敗をごまかしたいんだったら
鏡に向かってやってくれよ
そんなにきつく当たっちゃ悪いぜ
誰かさんは泣きだしそうだ
ミスタ・ブロンド
ちくしょう 蹴りやがった
どうしてたんだ?
あんたは死んだと思ってたよ
大丈夫なのか?
ブルーはどうなったんだ?
あんたとブルーがどうなったかわからなかった
ずっと心配してたんだぜ
ブラウンは死んだ
オレンジは腹を撃たれてる
もういい!
いい加減に口を開いてもらおうか
俺たちは話し合う必要がある
俺たちはもうおかしくなってるんだ
これ以上おかしな真似をされるのはごめんだ
わかった 話そう
俺たちは仲間にネズミがいるとにらんでる
ネズミがいるのは間違いない
どうしてそう思う?
冗談だとでも思ったのか?
この場所は安全じゃないと思う
俺たちはここを出る
おまえも一緒に来い
どこにも行かせない
このクソ野郎!
俺たちは移動する
勝手に計画をいじるなよ
くたばれ このキチガイ!
おまえのせいでひどいことになった!
どんなこと?
どんなこと? ひどい目だよ
とんでもなくひどい目にあってる
トリガーハッピーの狂人に
もうちょっとで撃ち殺されるところだった
何の話だ?
この乱射キチガイが!
店でだよ!
ふざけるな 奴らは警報を鳴らした
その報いを受けてもらったんだ
俺まで殺すところだったぞ!
クソ野郎!
おまえがどんな男か知ってたら
一緒に組もうとは思わなかった!
あんたは一日中吠えまくる子犬か?
それとも噛みつきたいのか?
なんだと?
よく聞こえなかった
もう一度言ってくれるか?
あんたは一日中吠えまくる子犬か?
それとも噛みつきたいのか?
落ち着けよ!
ここはお遊戯場か?
俺たちはプロだろ
あんたはニガーどもみたいなやり方で
誰とでも殺し合いたいのか
- おまえもこいつを連れ出すつもりだったろ
- そんなこと言ったのか?
そうは言ったよ
それはそのときのことだ
だがいまは 彼だけが信頼できる
- 警官を殺しまくったんだ
- こいつの味方をするのか?
ちがうよ どっちでもない
俺たちは団結しなきゃならない
誰かが俺たちを引っかき回そうとしてる
それが誰なのかを知りたいんだ
俺は自分がそうじゃなのを知ってる
あんたも違うだろうと思ってる
そしてあんたは違うと確信してる
誰が悪事を企んだか考えてみないか?
それは面白そうだな
あんたはリー・マービンの大ファンだろ?
俺もさ 彼が大好きだ
心臓がドキドキだったぜ
このまま心臓発作を起こすかと思った
外であんたたちに見せたいものがある
ついてきてくれるか
おまえに? どこへ?
俺の車まで
フレンチフライとソーダを忘れたのか?
それは持ってきた
あんたらが見たがるものを持ってるんだ
きっとびっくりするぞ
気に入ってくれると思う
来てくれ
ここから移動すべきだ
だめだ
ここで待たなきゃならん
警官をか?
違う ナイスガイ・エディを
ナイスガイ・エディ? あいつはとっくに
コスタリカ行きの飛行機に乗っただろ
いや 彼と電話で話したんだ
そのときはまだ乗る前だった
なぜ早くそれを言わなかったんだ?
きかれなかった
減らず口だけは達者だな
何と言ってた?
「動くな」と言われた
待ってる間に見せたいものがある
まったく!
たぶん 我らがブルーが
質問に答えてくれるだろう
おそらくネズミについても
ある意味おまえは働き者だよ
いいぞ こいつを引きずり出せ
シッド 落ち着けよ
俺たちは長い付き合いだろ
おまえは俺に借りがあるはずだ
そんなことはわかってるよ
俺を何だと思ってるんだ
おまえはこの数ヶ月ツイてなかった
当たり前のことをしてくれればいいんだ
仕立屋はモーガンでもアーヴィンでも構わん
ヴィク・ベガが来てます
誰だって?
ヴィク・ベガ
入るように言ってくれ
友人が来たんで切らなきゃならん
元気を出せ あとでまた話そう
ようこそ ヴィク
自由になった感想は?
変わっちまった
それは悲しむべきことじゃない
座れよ コートを脱いでくつろいでくれ
何か飲むか?
レミー・マルタンはどうだ?
いいね
仮釈放の担当官は誰だ?
シーモア・スキャッグネッティ
どんな奴だ?
クソッたれだよ
俺が更正施設を出るのさえ止めようとする
そいつは驚いたな
ジャングル・バニーが誰かの喉を切り裂いたのなら
ドリス・デイが仮釈放を担当してもいいだろう
だがおまえのような本物の男が相手なら
キンタマを潰されておしまいになる
中にいる間
差し入れをありがとう
おいおい
俺がおまえを見捨てるわけないだろ
あれは本当に助かった
たいしたことはしてないよ
ひどい場所を少しはマシにしてやろうと思った
本当にありがとう ジョー
なあ ヴィク
「つまようじのヴィク」
教えてくれよ 坊主
これからどうするんだ?
この野郎 信じられないぜ
元気だったか 「つまようじ」?
やあ エディ!
すまない
俺が自分で迎えに行くべきだった
今週はひどく忙しかった
ずっとあたふたしてたんだよ
それをおまえの親父さんと話してたところだ
やはり迎えに行ったほうが?
違うよ おまえがあたふたしてると
俺が入ってきたとき言われたよ
「ヴィク いずれ事情はわかると思うが」
「息子のエディはろくでなしだ
俺の仕事を台無しにしてる」
「息子を愛してるが あいつは
自分勝手にやりすぎてる」
そう言ってたよな ジョー?
エディ 噂されてるようなことを
認めたいわけではないんだ
けどヴィクに仕事について聞かれて
嘘を教えるわけにはいかない
本当だよ
わかった もうたくさんだ!
ここはお遊技場じゃないんだぞ
転げ回りたいならエディのところでやれ
俺のオフィスでやるんじゃない
- 父さん 見てなかった?
- 何を?
こいつが俺を襲ったところを
- おまえが望んだんだ
- くそっ オフィスで俺を襲いやがった
ヴィク 個人的にしたいことは
自分の家でやってくれよ
でも俺を襲うのはやめてくれ
おまえとそういう仲になりたくない
おまえを大好きだよ 相棒
でもそういう仲じゃない
俺が男の尻を好きだったら
おまえを民兵の前に放り投げたりしないよ
俺を自分用にとっておくんだな
4年も男の尻を抱いてるうちに
その味が忘れられなくなったんだろ
俺はおまえを仕込むかもしれんが
それは自分の犬用にだ
しょうがないよな いまの刑務所じゃ
白人もニガーみたいな口をきく
黒人の精液のせいだ
それがおまえの尻から上にあがって
いま口から吐きだしてところだよ
エディ 淫売みたいな口をきくがいいさ
俺が淫売みたいに扱ってやるぜ
いい加減にしろ!
二人ともここに座るんだ!
エディ おまえが入ってきたとき
大事な仕事の話をしようとしてたんだ
ヴィクは仮釈放中だ
担当官は誰だ?
シーモア・スキャングネッティ
スキャングネッティ…くそっ
あいつはろくでなしだよ
そのとおり
俺が腐れ仕事を見つけるまで
更正施設を出ることすら許可しない
また仕事を手伝ってくれるんだろ?
そのつもりだ
だが俺はまず定期的な仕事を見つけたことを
保護担当官に証明しなきゃならん
でなきゃ自由に外には出られない
いまは仕事を手伝えそうにない
たとえば夜になると
外出禁止の制限があるんだ
それは解決可能だろ エディ?
たいした問題じゃないね
合法的な仕事を世話するのは簡単だ
ロングビーチで地道に港湾労働者を
やるってのはどうだ?
木枠を上げ下げするなんてごめんだ エディ
そんなことする必要はないんだよ
そこで働く必要はない
けど書類上はそこに勤めてることになる
マシューズ主任に電話して
新人が加わったと伝えておこう
おまえのタイムカードを作ってやる
それは毎日決まった時間に差しこまれる
週末には給料小切手が振り込まれる
港湾労働者も悪くないぜ
スキャングネッティは面倒な質問抜きで
おまえを更正施設から出すしかないだろう
もしあいつが職場を調べる気になっても
その日おまえはタスティンに行ってることになる
何一つわかりはしないさ
もし何度もやって来たとしても
「すいません 行き違いでした
今日あいつの現場はタフト空港です」
そのたび手ぶらで帰ることになるのさ
おまえの職場はどこにでもあるし
俺たちが好きな場所に決められる
わかるだろ ヴィク
何の心配もいらないんだよ
明日おまえをロングビーチまで連れてって
マシューズ主任に紹介しよう
とてもありがたい申し出だけど
俺はいつ戻ってこられるんだ?
実際どのくらい働かされる?
難しい質問だな
期限は決められない
ある程度は….
お手上げだな 目立つ真似はできない
ベガスでの大きな会議を控えてるんだ
エディをロングビーチの仕事に登録して
職を与えて金を稼いでもらおう
まずスキャングネッティを引きはがすんだ
あとの話はそれからだ いいな?
父さん 考えがあるんだ
ちょっと聞いてくれ
あなたがガキどもを仕事に
使いたくないのはよく知ってる
けどヴィクがここにいる
彼はいつも幸運を運んでくれた
こいつは逃げ足も速いぞ
彼を加えるべきだと思うんだ
彼ならこの仕事をこなせるだろう
しかも信頼できることもわかってる
では ヴィク?
5人の連中と仕事をすることをどう思う?
悪くないね
「K・ビリーの70年代ベストヒット」
を引き続きお送りします
応募番号12番の方が 今夜
カーソン・フェアグラウンドで開催される
「モンスタートラック・ショー」の
チケットを2枚獲得しました
ビッグダディ・ドン・ボディンの
トラックの特徴はまさに「巨象」
応募番号12番の方が 70年代が
生き残っている席を獲得しました
なあ ドヴ
深刻な事態なんだ
父さんと話す必要がある
彼がどうするつもりか知りたい
俺はヴィクに聞いたことしか知らない
途中から銃撃戦になったんだ
彼は逃げる途中で
警官を人質にとった
冗談を言ってると思うのか?
トランクに警官を詰め込んで運転してたよ
誰が何をしたかはわからん
盗んだ品を誰が持ってるかもわからん
誰が死んだかもわからないし
誰が捕まったかもわからない
もうすぐわかるだろう
すぐ近くにいるんだ
父さんにどう話せばいいと思う?
わかった そうだな
それは彼が言ったのかい?
ああ 俺もそう思ってたんだ
ちくしょう!
英雄を気取りたいんだな?
おまえは英雄になりたいのか?
おまえは血みどろでボロボロになるだろう
- だが話してくれれば
- 俺は何も知らない!
知ってるさ
俺を見ろ おまえは知ってる
私立探偵サム・ヒルごっこか?
- 何が起こってるんだ?
- 警官をつかまえたんだ
くそっ オレンジが死んでる
まだ死んでない 手当てしてやらなきゃ
すぐ死ぬだろうが
仕組まれたんだ
警官が待ち構えてた
何だと? 誰も仕組んでない
警官が待ち構えてたんだ
デタラメ言うな
くそっ あんたはあの場にいなかった!
警察は店を見張ってたぞ!
いいだろう ヘボ探偵
おまえがそんなに賢いなら…
誰が裏切った?
いったい何で俺たちがそれを
調べてたんだと思う?
それで? おれが
仕組んだとでも思ってるのか?
わからんよ
だが誰かが仕組んだ
このアホが おまえらが宝石店を…
- 俺をアホと呼ぶな!
- 間抜けだよ!
店をワイルドウエスト・ショーに変えておいて
警官が現れたのを疑問に思うのか?
ジョセフはどこだ?
知らんよ 俺も話してないんだ
父さんが来たらカンカンになるぞ
そうだろうな ネズミがいると言ったから
ジョーはなんて言ってる?
知らんよ わかるのは怒ってることだけだ
こいつをどうすればいいと思う?
ちょっと待ってくれよ
俺にも少し考えさせてくれ
あんたは死にかけてないが
彼は死にそうなんだ!
ずいぶん慈悲深いな!
いま電話してやるよ!
誰に?
誰だと思う?
もちろん医者だよ!
彼を治してもらう
ブラウンとブルーはどうなった?
ブラウンは死んだ ブルーについてはわからん
ブラウンが死んだ? 本当か?
本当だ その場にいたんだ
頭に一発食らった
ミスタ・ブルーのことは誰も知らないのか?
彼が生きてるのか
死んでるのか
警察に捕まってるのか
何もわからん
この警官は話してくれた奴だろうが
なぜおまえらは彼を殴ってるんだ?
誰が仕組んだのか話してもらうためさ
こんなに殴ったら そのうち
シカゴ大火災を白状し始めるぞ
こいつに聞いてることが
事実かどうかもわかってないんだ
もっと考えろよ!
まず大事なことからだ
誰が石を手に入れたんだ?
頼むから俺にも教えてくれ
俺が持ってる
俺が鞄を運んで隠してある
よし ならそれを取りにいこう
だがその前に車を処分しなきゃならん
ブロンディはここにいて
二人の面倒を見ててくれ
ホワイトとピンクはそれぞれ車に乗るんだ
俺が追いかける 車を捨ててから
石を回収する
その間に俺は医者を手配する
こいつを残していくのは無理だ
なぜだ?
頭がおかしいからだ
ジョーが頭に来てると言ったな?
俺がこの馬鹿野郎と同じ部屋にいるのを
どれだけ我慢してるかわかるか?
何を我慢してるんだ?
俺がここに来るなり こいつらは
俺について何か言い始めた
ミスタ・ホワイトはクソッたれと叫んで
銃を抜いて俺に突きつけた
もうちょっとで撃たれるところだった
まったく…デタラメだ
この仕事が銃撃戦に変わったのは
こいつのせいだからさ
おまえは何だ? 匿名さん
なにか言ってやれよ
彼は店では気が狂ってた
けどいまは大丈夫そうだ
奴はこうやったんだ
俺は連中に 警報には
手を触れるなと言ったんだ
そのとおりにしてたら
まだ生きてるだろうよ
お見事だったよ
ありがとう
それが狂ったように
殺し始めた言い訳か?
俺は警報が嫌いなんだ
警官を解放するわけにはいかん
全員の顔を見られてしまった
俺だって見たくなかったよ
黙ってろ クソ野郎!
トランクから出すべきじゃなかったんだ
誰がこれを仕組んだか知りたかった!
何も仕組まれてないよ!
これは決定事項だ
ブロンディはここに残る
二人の面倒をみてくれ
ホワイトとピンクは俺と来い
もしジョーがあの車を見たら
間違いなく 彼は
俺を殺そうとするだろうよ
よし 行くぞ
やっと俺だけになったか
どうしたらいい?
車を駐停車禁止のところに止めちまった
いま俺たちはどこにいる?
もう言っただろ
仕組まれてたかどうか俺は知らない
俺は配属されてまだ8ヶ月だ
何も聞かされてないんだ
俺をいくら拷問しても
何も聞き出せないよ
拷問する?
そいつはいい考えだな
いい考えだ
あんたのボスだって
仕組まれてないと言ってただろ
俺の何?
あんたのボス
すまないが
はっきりさせておこう
俺にはボスはいない
誰も俺に指図はできない
わかったか?
俺の言ったことがわかったか?
わかったよ
あんたにボスはいない
血がついちまった
いいか 小僧
俺を騙そうとなんかするんじゃないぞ
俺はおまえが知ってようが知るまいが
全然気にしてないんだ
だがいずれにせよ拷問はする
関係ないんだよ
情報が得られなくても
警官を拷問するのが楽しみなんだ
おまえは言いたいことを言えばいい
どうせ俺は聞く気がないんだ
おまえにできるのは
早く死ぬのを願うことだけだが
それを与えてやるつもりはない
K・ビリーの70年代スーパーサウンドを
聞いたことがあるか?
俺のお気に入りなんだ
ジョー・イーガンとゲリー・ラファティのデュオは
「スティーラーズ・ホイール」として知られてた
74年の春 彼らがレコーディングした
ディラネスク・ポップバブルガムは
チャートの第5位まで到達した
引き続き70年代スーパーサウンドをどうぞ
じっとしてろ
じっとしてろ くそっ
俺と同じように楽しんでるかい?
どうなんだ?
聞こえたか?
どこにも行くなよ
すぐに戻る
やめろ! やめてくれ!
- 何?
- やめて!
- 何をだ?
- やらないでくれ!
- お願いだ!
- 少し燃やしてやろうか?
- ちょっと痛いかもな
- やめろ!
お願いだから
話をさせてくれ
頼むから燃やさないでくれ!
お願いだ! あんたのことは知らない
何も言わないから!
やめて!
お願いだ!
それで終わりか?
頼む! 子供がいるんだ!
- 言い残すことはないか? やるぞ
- 火を付けないでくれ!
くそっ
おまえの名前は?
マーヴィン
マーヴィンと何?
マーヴィン・ナッシュ
いいか マーヴィン
俺は…
いいか マーヴィン
俺は警官だ
知ってるよ
おまえが?
あんたの名前はフレディ…
ニューエンダイク
フレディ・ニューエンダイク
フランキー・フェルチェッティが
5ヶ月前に紹介してくれたよ
何も覚えてないな
覚えてるよ
くそ
フレディ
俺はどんなざまだ?
なあ?
それをおまえに 言うわけに
いかんな マーヴィン
ちくしょう
あいつは病気だ
病気のクソ野郎だ
マーヴィン 持ちこたえてくれよ
1ブロック先で警官隊が待機してる
何だって待機なんかしてるんだ?
あのキチガイがおれの顔を切り裂き
耳を切り取ったっていうのに!
顔が変わっちまった!
ふざけるな!
俺はここで死にかけてるんだぞ!
死にかけてるんだ!
警官隊はジョー・キャボットが
姿を見せるまでは動かない
奴を捕まえるために潜入した
彼は向かってる途中だと聞いたはずだ
俺に泣き言を言わないでくれ
マーヴィン
俺たちはジョー・キャボットが現れるまで
ここでじっと血を流してるんだ
中にいるクソッたれに挨拶してくれよ
キャボットは誰と仕事をすると思う?
それが「定番のジョーク」じゃないといいな
ジョークじゃない 俺も一枚噛んでるんだ
エディにジョーが会いたがってると言われた
俺はアパートの中でじっと
電話を待たなきゃならなかった
3日待ってから 昨夜電話があって
「ジョーの準備ができた」と言われた
彼は15分で迎えに来た
誰が?
ナイスガイ・エディだ
バーで待ち合わせた
- どこのバーだ?
- スモーキー・ピートの店
そこで俺はジョーとミスタ・ホワイトに会った
俺の偽名はミスタ・オレンジさ
ミスタ・オレンジ?
ミスタ・オレンジ
わかった ミスタ・オレンジ
そいつに前に会ったことは?
誰? ミスタ・ホワイト?
そう ミスタ・ホワイトと
いや 知られてない男だ
キャボットの兵隊の一人じゃない
- ジョーは彼をよく知っていた
- 何かわかったか?
仲間であるとは言えると思う
- 二人で話はしたのか?
- 俺とジョーが?
- ミスタ・ホワイトだ
- 少しだけ
- 何を?
- ブリュワーズ
- 野球チームか?
- 彼は試合に賭けてたんだ
いいぞ ブリュワーズのファンなら
ウィスコンシン出身だろう
そいつがミルウォーキー生まれってことに
賭けてもいいくらいだ
おまえはミルウォーキー出身の
犯罪者写真に目を通してくれ
名前と顔を照合するんだ
よくやったぞ フレディ
ありがとう
ロングビーチ・マイクの身元保証はどうだった?
完璧だよ 何もかも計画どおりだ
俺はマイクとポーカーをしてると言った
それでエディが彼に電話した
俺はいい泥棒だと言ってくれたよ
疑われもしなかった
いい奴だよ
彼がいなければ潜り込めなかった
違うぞ ロングビーチ・マイクは
おまえの友達じゃない
ロングビーチ・マイクは腐ったクズだ
奴は自分の仲間を売ったんだから
だがたとえどんな奴だろうが
俺はケツを守ってやってる
腐った奴のことは忘れて 自分の
仕事をうまくやるんだ わかったな?
いいよ
「トイレの話」を使うか?
「トイレの話」って何だ?
場所のことだよ おぼえておけ
何だって?
潜入警察官はマーロン・ブランドになる
自然に演じなければならない
このうえなく自然に
演技が下手だと仕事は台無しになる
- これはなんだ?
- 薬物取引に関する笑い話だ
- 何だって?
- 君が仕事をしてたときに起こったおかしなことだ
- これを記憶するのか 4ページも?
- 考えろよ それがジョークだと思え
詳細に記憶して 残りの部分は
自分で作り出すんだ
- ジョークなら言えるよな?
- 無理だ
おまえはドン・リックルズを気取って
よくジョークを言いたがるだろ?
詳細な部分まで記憶するんだ
売り込むのは詳細な物語だから
物語は男子トイレで起こる
トイレに関してのすべてを知っておけ
紙タオルがあるのか
ブロワーで手を乾かすのか
そこに仕切りがあるだけか
ドアがあるかどうかを知っておくんだ
使うのは液体石鹸か粉石鹸か
お湯が出るかどうか そこが臭いかどうかを
知っておかなければならない
誰かが下痢をまきちらして汚れてるかどうかも
トイレに関するすべての詳細を知っておき
それを理解しなければならない
記憶してる間も その物語は
おまえに自身についてのもので
自分でどう使うのか考えるのを忘れるな
嘘を身につける唯一の方法は
それを言い続けることだ
ひたすら言い続けるんだ
それは1986年
ロサンゼルス大干魃のときだった
俺の周囲は皆おかしくなっていた
誰も大麻を手に入れられなかったからだ
俺がヒッピーの女の子とつながってるのは
友人の誰もが知っていた
連中は電話してきて言った
「なあ フレディ」
「あんたは何か手に入ったか?」
「少し分けてくれないか?」
自分にも売ってくれるよう頼んできた
けれども やがて…
やがて俺は いつも4人か5人分を
同時に買うようになっていた
最後に俺は こんなことをしてても
あの女を金持ちにするだけだと気づいた
彼女は何一つせずに
すべて俺がやってたんだ
電話が鳴るのが苦痛になってきた
呼び出しに邪魔されることなしに
ビデオをレンタルすることさえできなくなった
「いつまた手に入るんだ?」
「いまロストボーイズを見てるんだ あとでかけ直す!」
マリファナ中毒そのものだったよ
俺の友達たちは しかも…
俺が60ドルずつ買ってたブツを
10ドル分だけ欲しがった
それを小分けにするのがまた苦痛だった
10ドル分がどれくらいかなんか俺は知らん
かなり怪しげな状況になった
あんたが覚えてるかどうか知らんが
かつて86年に干魃があったんだ
みんな樹脂をパイプに詰めることで切り抜けてた
この女の子はそれをどっさり持っていた
俺に売りさばいてくれるよう頼んだんだ
俺は少し歩合をとって
友人たちに売ると彼女に言った
彼女はその取り決めに同意してくれた
俺の取り分は10%だ
俺はできるかぎり彼女を手助けした
彼女は一人で買い物に行くのも嫌がった
ずっと兄と行ってたんだが
そいつは「田舎」に行ってたんだ
どうして?
違反切符が山のようになったから
連中は彼を「田舎」に押しこんだ
彼女はブツを持って一人で出るのを嫌がった
俺もそんなのはごめんだ
すごく嫌な予感がしたんだ
けれど彼女に何度も頼まれた
最後には引き受けてたよ
頼まれるのにうんざりしちまったからな
俺は客を駅まで呼びだした
なぜ? ブツを持ってたんだろ?
そいつがすぐに欲しがってたんだよ
俺たちは駅に着いて客を待ってた
俺の鞄にはブツが入ってる
そして俺は小便がしたくなった
それで俺は彼女に言った
「ちょっとトイレに行ってくる」
俺はトイレに入っていった
誰がそこにいたと思う?
4人の制服警官とジャーマン・シェパードだ
- 待ち構えてたのか?
- いや 時間をつぶしてただけだ
俺がトイレに入っていくと
連中はおしゃべりをやめて俺を見た
かなり難しい状況だな
ジャーマン・シェパードが俺に吠えた
彼が俺に向かって吠えてるのは
どう見てもあきらかだった
全神経が悲鳴をあげていた
「急げ! ずらかれ!
ここから逃げ出すんだ!」
まるでバケツで水をかぶったような
パニックに襲われていた
俺がその場で恐怖に震えていると
警官たちが俺を見た
連中は俺を調べるだろう
いまクソ犬が吠えているおかげで
うるさいぞ
ともかく それで俺はそいつに
銃を向けてから言ったんだ
「止まれ! 動くなよ!」
間抜けなチビ助は俺を見て答えた
「わかったよ わかったってば」
けど奴の右手はグローボックスに伸びていた
それで俺は叫んだんだ
「クソッたれ!」
「俺にふっ飛ばされたいのか?
手をダッシュボードに置くんだ!」
奴は俺を見つめながらうなずいた
「わかったよ わかったってば」
それでも奴の手は
まだグローボックスに伸びてる
俺は言った
「手を上に置かなければ
おまえの顔を撃ち抜くぞ」
彼女のガールフレンドで
セクシーな東洋女が叫びだした
「チャック! 何をしてるの?
言われたとおり手を出しなさいよ!」
それで何事もなかったように
奴は両手をダッシュボードの上に置いた
何を取ろうとしてたんだ?
ただの登録証だよ
冗談だろ!
とんでもない! もう少しで
撃ち殺されるのを理解してなかったんだ
あとちょっとだったぜ!
うまく切り抜けたな パンツの中に
クソをしたらそのまま泳ぐべきなんだ
キャボットについてもっと話してくれ
わからんよ
クールな男だ
とても面白い男だった
「宇宙忍者ゴームズ」をおぼえてるか?
ああ 透明女とか炎の男とかの漫画だろ
「ガンロック」
あの男はまさにガンロックそっくりなんだ
時間だぞ! チンポをしまえ
俺は表に駐車してる
すぐ降りるよ
降りてくる
びくつくんじゃないぞ
彼らは知らない
彼らは何も知らないんだ
おまえが傷つくことはない
彼らは完全におまえを信じてる
出てきたぞ
人は秘密裏に働くためには
頭のなかにロックが必要だ
- かけてやろうか
- ベアクローを頼む
変に聞こえるのはわかってるけど
黒人女は白人女は同じじゃないよな
わずかな違いだろ
違うよ 白人の淫売と
黒人の淫売とは全然違う
彼女たちは一線を引く
それを越えるのは許されない
俺はそういうのに慣れてる
その話が本当なら どうして
ニガーどもはみんな女を手荒く扱うんだ?
賭けてもいいが そのニガーたちも
家に帰ったら別人になるんだよ
- そんなわけあるか
- いいや 誰でも同じさ
ひとつ話をしてやろう
親父の持ってたクラブのひとつに
イロイスという名の黒人ウエイトレスがいた
- イロイス?
- イロイス
イーロイス
彼女は「レディE」と呼ばれてた
どこの出身だ?
コンプトン?
ラドーラ・ハイツだ
黒人のビバリーヒルズだな
ビバリーヒルズじゃない
何もない海岸みたいなもんだ
ともかく「レディE」は
男たらしだった
ひと目見た男は誰でも彼女でマスをかいた
見た目はクリスティ・ラブだ
あの番組をおぼえてるか?
黒人の女刑事で いつもこう言うんだ
「もう逃げられないわよ お兄さん!」
「女刑事クリスティ」を演じてたのは誰だっけ?
パム・グリアー
パム・グリアーじゃない 彼女が
出てたのは別の作品で映画だ
「女刑事クリスティ」はパム・グリアーを
真似て作ったテレビ番組だ
じゃ 女刑事クリスティは誰?
- 俺に聞くなよ
- 答えてくれてありがとう
誰だろうが 彼女は
クリストファー・ラブにそっくりだったんだ
アニー・フランシス!
違うぞ それは「ハニーにおまかせ」だ
アニー・フランシスは白人だろ
うるさい ともかくイロイスとよく似てたんだ
ある晩 俺が店に行くと
そこにバーテンダーのカルロスがいた
メキシコからの不法入国者で友達だ
俺は奴に聞いた
「カルロス レディEは今夜どうした?」
レディEはクソッたれと結婚して
そいつが彼女をアレしたよ
何をしたって?
殴られたりでもしたのか?
何をしたかはわからん
ただアレしたんだよ わかるか?
その夜 彼女は本当に優雅に振る舞った
男が酔っぱらうのを待ってたんだ
彼がソファの上で寝てしまうと
彼女はそっとそばに近づいて
チンポを引き出して接着剤で
腹の上に貼り付けたんだ
- 嘘だろ
- 本当だってば
そいつをひっぺがすには
救急車を呼ばなきゃいけなくなった
小便はどうするんだ?
小便をしようとするたびに逆立ちしなきゃ
ならなくなったらどう思う?
おまえらは冗談を言い合うのが好きだな?
学校にいる時分のガキみたいに
クスクス笑ってふざけてるんだろ
だから俺にもジョークを言わせてくれ
5人の男がサン・クエンティンの
塀の中に座って
どうしてそこにぶち込まれたか考えてる
「何が悪かった? どうすべきだった?
全部おまえのせいだぞ!」
話にならなかった
ようやく一人が思いついた
「ちょっと待て!」
「このヤマを計画してる間 ずっと
ジョークを言ってたせいだ」
意味はわかったか?
おまえらを怒鳴りたくはない
この仕事がうまく片付いて
皆でハワイに行ったら俺も一緒に笑ってやる
そのときの俺は別人になろう
だがいまは仕事の問題なんだ
俺とエディのことは皆知っているだろうが
この仕事の間は全員偽名を使う
何があろうが 互いに本名で
呼び合ったりしてはならん
個人的な話も一切しないでもらいたい
どこの出身か
女房の名前は何か
どこで暮してたか ペテルブルグの銀行を
大昔に襲った話さえもするんじゃない
おまえらに話し合って欲しいのは
これからすべきことについてだけだ
これからおまえらの名前は
ミスタ・ブラウン
ミスタ・ホワイト
ミスタ・ブロンド
ミスタ・ブルー
ミスタ・オレンジ
ミスタ・ピンク
なんで俺がピンク?
オカマ声だからだ
なんで色を自分で選べないんだ?
そんなことをしたら おまえら4人で
ミスタ・ブラックを取り合って争うぞ
誰も引き下がろうとしないだろう
だから俺が決めたんだ
おまえはミスタ・ピンクだ
ミスタ・イエローでないことに感謝しろ
ブラウンはなんかウンコみたいに聞こえる
ピンクじゃナヨナヨしすぎだ
ミスタ・パープルはどうだ
それなら悪くない
パープルは別の仕事で別の奴が使う
おまえはピンクだ
名前なんてどうでもいいだろ
あんたのホワイトは格好いい名前だからな
たいしたことじゃないなら
名前を交換してくれないか
誰も名前の交換はできない
市議会の会合じゃないんだぞ
いいか ミスタ・ピンク
この仕事を選ぶか名前を選ぶか
二つにひとつだ
どうする ミスタ・ピンク?
わかったよ あんたに従う
ピンクでいいよ 続けてくれよ
続けるかどうかは俺が決める
意味はわかったか?
おまえらのおしゃべりのせいで
頭がおかしくなりそうだ
仕事に取りかかるぞ
確認するぞ おまえの配置は?
俺は表で 誰も来ないよう
ドアを見張る
ミスタ・ブラウンは?
彼は車に残って 合図と同時に
店の正面に回す
ミスタ・ブロンドとブルーは?
彼らは客と従業員を制圧する
あの女のケツは?
この膝に抱いて貫く
俺とミスタ・ピンクは?
あんたたちは店の責任者を捕まえて
ダイヤモンドを吐きださせる
俺たちはその石のために来た
ショーケースを壊さないかぎりは
警報が鳴ることはない
俺たちは2分以内に引き上げる
1秒たりとも遅れずに
店長がダイヤを出さなかったらどうする?
この手の店にはちゃんと保険がかかってる
抵抗はしないだろうさ
もし客か従業員の誰かが自分を
チャールズ・ブロンソンと思い込んでたら
床に叩きつけて銃床で鼻を潰してやれ
倒れて叫びまわり
鼻から血が噴きだすだろう
それを見せつけてやれば
誰も何も言わなくなる
女のうち何人かが騒ごうとするだろう
そいつの顔を潰すふりをしてやれ
そうやって黙らせるんだ
店長はそれとは別の話だ
普通あの手の連中は騒ぎを起こさない
他の連中はチャンスさえあったら
自分がカウボーイだと思い込みたがる
そうなったら即座にそいつを叩くんだ
誰かがおまえの質問に答えないなら
そいつの小指を切り落としてやってから
親指の次はどうなるかを教えてやれ
それで何もかも話してくれるよ
腹が減った
タコスを買いに行こう
ちくしょう 血まみれだ
目が潰れちまった
違う 目に血が入ったんだよ
死んだか?
彼は死んだのか?
行くぞ
車を止めろ!
車から降りるんだ!
すまない! ラリー!
彼女に撃たれるとは思わなかった
そんなこと誰も思うわけないだろ?
いますぐおしゃべりをやめろ
おまえはひどい怪我をしてるんだ
けど死ぬわけじゃない
血がどんどん出てるんだよ
俺は死ぬんだ
わかってるよ
何があった?
こいつは警官の耳を切り取って
もうすこしで丸焼きにするところだった
なんだと?
聞こえなかった
俺はこう言った
ブロンドは気が狂ってた
警官の顔を切り刻んで
耳を切り落としてから
生きたまま焼こうとしたんだ
こいつを?
彼が狂った? こんなふうに?
これよりひどかったか?
彼は本当にイカレてたんだよ
俺たち全員を殺す気だった
そのあとダイヤを持ち去るつもりだ
俺が言っただろ?
こいつは本物のキチガイだって
あんたはその警官に
聞こうともせずただ殺した
こいつを切り刻んでる間 奴は
ずっとそのことをつぶやいてたのに
馬鹿なことをしたな
何の意味もないことをした
俺に言わせりゃ あまりに馬鹿げてる
おまえは現場にいなかった
彼が何をしたかを見てない
耳を切り取られてる
俺にも言わせてくれ
はっきりさせておきたいんだ
おまえはミスタ・ブロンドが
自分を殺そうとしたと言った
そして俺たちが戻ったら殺すとも
ダイヤを持って逃げるために
そう言いたいんだろ?
母の魂に賭けて誓う
本当にそうだったんだ
彼は刑務所を出てきたばかりだ
俺たちは温かく出迎えた
彼は親父の名前を言うだけで
自由になれたんだ
だがそうはせず口をつぐんでいた
男らしく罪をかぶって 4年間
俺たちのために食らいこんだ
オレンジ おまえが言った男は
俺にとっていちばんの親友で
親父のために4年間食らい込み
どんな取引を持ちかけられても
決してそれに乗らなかった
おまえはこう言ってるんだぞ
自由になったいま
俺たちが全面的に
面倒をみると約束した男が
急に気が変わって
警察に追われるために
俺たちを騙す?
なぜ本当は何があったか
言おうとしないんだ
いったいどうした?
もう面倒はたくさんだぞ
こいつが仕組んだんだ
父さん すまないが何が起きたかわからない
わかった 説明しよう
何を言ってる?
こいつはロサンゼルス市警の人間だ
何を言ってるのかさっぱりわからない
何を知ってるのかはわからんが
あんたが間違ってるとしたら?
間違いない
信じてくれ あんたは間違ってる
こいつはいい子だよ
感情的になるのはわかる
みんなそうなってるんだ
だが吠えかかる相手が違うぞ
こいつがやってないのは俺が知ってる
このクソ野郎は警察と通じて
ミスタ・ブラウンとブルーを殺した
- ミスタ・ブルーが死んだ?
- デリンジャーみたいにな
どうしてそれがわかるんだ?
こいつを俺は100%信用しきれなかった
使うべきじゃなかったんだ
- 証拠はそれだけか?
- 確信がある場合に証拠はいらん
気でも狂ったのか?
ジョー 間違いだよ
そんなことはさせない
やめてくれ! こんなこと誰も望んでない
俺たちはプロなんだろ!
ラリー ずいぶん長いこと
いろんなことを一緒にやったな
そんなことはやめるんだ
銃を下ろしてくれ
それから話し合おうぜ
ジョー こいつを殺したら
次に死ぬのはあんただ
ラリー 俺たちは友達だ
あんたが親父を尊敬してるように
俺もあんたを尊敬してる
けど銃を下ろさなければ殺すぞ
頼むぜ ジョー
俺にやらせないでくれ
ラリー 親父に銃を向けるのをやめろ!
すまない ラリー
どうやら二人とも まもなく死ぬ
俺は警官だ
ラリー
すまなかった
すまな…かった
俺は警官だ
すまなかった ラリー
- 動くな!
- 銃を捨てるんだ!
- 銃を捨てろ! やめるんだ!
- 銃を捨てるんだ!
捨てないと撃つぞ
レザボア・ドッグス
[翻訳:なんもさん]