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これから話したいことは、インフレーションとデフレーションについてです。
ただ、その前に、物価の上昇、下落についての
ミクロ経済学レベルの理解が重要だと思います。
ビジネスを始めることを例にして、
どうやって、その市場内で物価が上昇、下落するのかを考えてみましょう。
それは、カップケーキの工場を作ることにしましょう。
このビデオの中だけですが。
このプレイリストの最終目的ではありませんよ。
このプレイリストでは、最終的にあなたが、経済学の先生に、
XとYとZという理由でインフレーション、デフレーションが起きるんですよ、と説明できるようになることです。
だけど、この過程で、少し会計とカップケーキ工場のことも勉強しなくてはいけません。
だから、カップケーキ工場を始めたいと思います。工場建設に100万ドルがかかります。
そして、工場の操業経費で年間50万ドルかかります。
電気代とか、
カップケーキをつくるスタッフの人件費とか、
会計士とか、その他もろもろです。工場の清掃する人も必要ですね。
カップケーキそのものを考えてみましょう。カップケーキ1個あたり、1ドルの経費がかかります。
これは赤で書きましょう。これらは全部赤で書きましょう。あとで後で使うからです。
カップケーキ1個あたりの原価が1ドルです。
経費の一部は比例的に増加していきます。
ここでは、完全に自動化されたロボット工場だとしましょう。
私の工場には本当に少ししか労働者がいません。
カップケーキの原価は原材料だけです。クリーム、砂糖、
バター、そして小さい包装紙。
あと、ロボットを動かす電気です。
これが、私の工場です。
カップケーキ1個の値段は2ドルとします。
これは、単なる例ですから、そうしましょう。あ、もう一つ
私の工場は、100万個のカップケーキを1年間に生産できます。
さあ、ここで練習問題です。
私は経営者ですから、いくら儲かるかを計算することなく
100万ドルを出すわけにはいきません。
さあ、いろいろなシナリオで、どのくらいのお金が生み出せるか考えてみましょう。
シナリオ1は、最高のシナリオです。
これを楽観的な楽観主義者と呼びましょう。これでは、100万個のカップケーキが売れます。
だから、工場では、100万個のカップケーキを生産し、100万個のカップケーキを売ります。
少し話がそれますが、
今後よく出てくる考え方を紹介します。この工場は完全に利用されています。
工場は100万個のカップケーキを作ることができ、このシナリオでは100万個のカップケーキを生産します。
なので、この状態を100%稼働しているいいましょう。
工場の生産能力と比較して、どのくらい生産しますか?100%ですね。
それでは、100万個のカップケーキを売った時の売上高はいくらでしょうか。
会計の細かな話に入るつもりはありません。
売上高は緑色にしましょう。これはプラスの項目だからです。売上高をいくらでしょうか。
もし黒板の背景が黒色でなければ、黒い字にしていたでしょう。
黒字、赤字の意味と同じだからです。
黒字とは、プラスの状態であることを、赤字とはマイナスの状態であることを示します。
だけど、背景が黒色なので、緑色にします。緑字と言いましょうか。
さて、売上高はいくらでしょうか。
楽観的なシナリオでは、100万個のカップケーキを売ります。
カップケーキ1個あたり2ドルで売ります。
様々なシナリオでこの価格がどうなるのかを考えるのが、全体の議論です。
1個2ドルで売るので、売上高は1年間で200万ドルです。
1年間で100万個のカップケーキを作るとき、売上原価はいくらでしょうか。
ここでは、一般的に使われる頭文字COGS(Cost of Goods)を書きましょう。
これは、公開企業の損益計算書の中で実際に使われている言葉です。
売上原価や変動費という言葉も目にするでしょう。
一般的には、売上原価という言葉が一番使われます。
100万個のカップケーキを作るとき・・・。これは赤色にします。
100万個のカップケーキ、掛ける、カップケーキ1個あたりの売上原価、1ドル。
1年間に100万ドルになります。
カップケーキを売ることによる利益はいくらでしょうか。
すべての間接費用を含めた経費を考える前に、
カップケーキの販売からだけの利益を考えましょう。
これは、売上総利益と呼ばれます。
これは、本質的にカップケーキからいくら儲かるかを示します。
そして、カップケーキ作りにいくら掛かるかを示します。
ここに線を引きます。そして、引き算をします。
売上総利益は、100万ドルです。200万マイナス100万です。
素晴らしいプランだと思う人もいるでしょう。このシナリオでは、カップケーキ工場で100万ドルも儲かります。
おっと、だけどまだ終わっていません。これは単なる売上総利益です。
カップケーキ販売の直接の金額というだけです。
まだ、間接費があります。損益計算書では、
販売管理費とか、間接費、操業費と呼ばれます。
これは経費なので赤色にします。
そして、売上原価も赤色にすべきですね。こちらは間接費と呼びましょう。
もう一度説明しますと、オフィスの維持費、会計士などの経費です。
これは1年間に50万ドルかかります。
このビジネスから、いくら利益を出せるかが分かります。
この数字を営業利益といいます。
このビジネスからいくらのお金が生み出せるのか、を示します。
損益計算書の詳細に入っていくつもりはないですが、
この営業利益はどんな損益計算書にも出てきます。
そして、営業利益よりも下の項目はすべて単なる補足です。
ビジネスの営業に関連しない項目になります。
資金調達に関連する費用(100万ドルを借りる場合)や、
税金に関連する支出などが含まれます。
ここでは、税金のない理想的な世界を想定します。
また、100万ドルは相続したので、借金することもなかったとします。
そうなると、営業利益はそのまま私の利益となります。
カップケーキの販売による売上総利益は100万ドルです。
間接費、会計士や清掃人などに必要な経費です。
これは、一年間50万ドルです。よって、営業利益は50万ドルになります。とてもいい数字ですね。
100万ドル1回だけの投資でした。
そして、工場を維持するために年間50万ドルかかると想定しています。
この100万ドルの投資はずっと存在することになります。
そして、このシナリオでは毎年50万ドル儲かります。
50%のリターンとなります。これはすごいです。
もし、私が1年間に50%の利益得られる投資話をしたとしたら、
みんなすぐに乗ってくるでしょう。
だけど、これは楽観的なシナリオです。別のシナリオも考えてみましょう。
販売価格、販売個数に応じて、
たくさんのシナリオが考えられます。
細かなシナリオはエクセルで楽しく計算することができますし、確率分布も考えることができるでしょう。
しかし、今はそういったことはしません。悲観的なシナリオだけを考えましょう。
お金を減らさないためには何をしなければいけないかということです。
お金を減らさないために、
結果からさかのぼって考えます。
つまり、損益分岐点分析をやっていこうと思います。
これは結果的に
この経済がインフレーション、デフレーションのどちらへ向かていくのかに、つながります。
同時に、ビジネスを始めることについても少し学べると思います。
さあ、営業利益が0になるにはなにが必要か、考えてみましょう。
いいですか。利益がマイナスにならないために、カップケーキの販売最小数はいくつでしょうか。
また、一個いくらで売ればいいのでしょうか。
営業利益が0の時、間接費はすでにわかっています。
これは固定的です。固定費用です。
これについてはどうすることもできません。
カップケーキの工場を始めたいと思ったら、
経費は50万ドルかかります。ここに負の数で書いておきましょう。
売上総利益から引かれる数字だからです。
そうしたら、売上総利益はいくらでなくてはいけないでしょうか。
最後が0になるために
売上総利益は50万ドルでなくてはいけません。
ここで、売上総利益が50万ドルになるためのシナリオはいくつも考えることができます。
どうやって、50万ドルを稼ぐのか。
100万個ではなく、
50万個のカップケーキしか売れなかったとしましょう。
うまくいくでしょう。
引き続きカップケーキは1個あたり2ドルで売りましょう。
かける2ドル。
売上高は1年間あたり100万ドルとなるでしょう。
そして、カップケーキの売上原価はいくらでしょうか。
これは赤色で書かなくてはいけませんね。一貫性がないですね。
売上原価はいくらでしょうか。
カップケーキ1個あたり1ドルでした。
なので、50万ドルかける1ドル。
カップケーキを1ドル以下で販売するのは、ばかなことですよね。
カップケーキの購入者に寄付してることになってしまいます。
とにかく、この場合、売上原価は50万ドルとなります。
これでつじつまが合いますね。
この損益分岐点のシナリオでは、50万個のカップケーキを1個2ドルで販売します。
これが売上原価です。
そして、売上総利益は50万ドルになり、間接費に持っていかれます。
最終的に0になるわけです。
カップケーキ1個あたり2ドルとすると、
少なくとも50万個のカップケーキを売らなくてはいけません。
あなたは、販売数が50万個より少なくなることはありえないと考えるかもしれません。
そうでなければ、このビジネスを初めてはいけませんね。
この先のビデオでは、このことが起きる状況について詳しく見ていきたいと思います。
実際の市場競争の中で価格競争が始める状況や、
不合理な事象が発生する状況を見ていきます。
残りの時間が短くなってきました。
次のビデオでは、カップケーキ工場を始めた後、何が起きるのかを考えてみましょう。