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最初の出会いは ある雑誌から
大阪の彫師、二代目彫常 その作品は鮮烈だった
彼に手紙を出し 知り合って5年後の今
彼に会うために5回目の日本へ 目的は背中の刺青の完成と
刺青制作や仕事仲間との再会 そして旅
名はロブ・アドミラール
和彫りを愛する アムステルダムの彫師
温故知新
その2 手彫り、機械彫り?
このスーツケースには 刺青道具が入っている
これから宮蔵の仕事場で 刺青を彫る
宮蔵は彫常氏の弟子で
大阪郊外に 仕事場がある
最初の日本人顧客の 刺青をそこで彫る
ちょっとこれ見て
西洋人がこの刺青を見ると ノミでの手彫りかどうか
それが当然かのように 聞いてくる
手彫りは非常に難しく そして長い訓練が必要
手彫りと機械彫りに 優劣はないと思う
機械だから伝統的ではないと
一概には言えない
彫常氏はすごく伝統的な 仕事をしているし
彼が手彫りを続けたとしても
今以上に伝統のある 刺青を彫るとは思えない
彼はBurstの記事を見て 連絡を取って来た
Burstは元々 バイク雑誌だったけど
今では一種のカルト雑誌で
ハードコアやアングラ 刺青も扱うようになった
Tattoo Burstという 刺青雑誌もある
国内外の過激文化を 紹介する情報誌
これがBurst誌
アムステルダムの仕事場に Burst編集者が来たんだ
それからコンベンションでも 彼に会った
まだヤギ髭が無い
彼はこの記事を見て メールを送ってきて
それで刺青の予約を受けた
小さい刺青だと思った
足に刺青が欲しいと 言ってたけど
それは誤解で 彼の脚だった
それで予定よりも
刺青が大きくなった
良作だけど未完成なので 来年また来て、って言った
それか完成のために 日本へ行くよ、って
終わり? ―ああ、おしまい
今日はここまで
良いね
どう、満足? ―大満足
さて、次回は...
サバドが彫った人を 知ってるよ
アムステルダムの ベルラーヘ・ビルで
たぶん10年前に会った
だいぶ前だね
大昔だ のっぽジョンだよ
サバドは将来 大物になるって言ってた
彼は正しかった ―未来が見えたんだ