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もし1つの色しか見えないとしたら?
例えば
見えるのは赤い色だけで
他の色は
全く見えないとしたら どうでしょう?
実は 私たちが
日常経験している事は このようなもので
人の目は いろいろな光の
ごく一部しか 見ることができません
私たちのまわりには いろいろな種類の光がありますが
見えないものもたくさんあります
音楽放送に使われる ラジオ波から
体の内部を見るために お医者さんの使うX線
食べ物を温める 電子レンジのマイクロ波
これら全てが 広い意味で
光であることを理解するために
光とは何かを
簡単に説明しましょう
光は電磁波で
粒子と波 両方の性質を持ちます
光の波は 海の波のようなもので
大きな波もあれば 小さな波もあります
次から次に打ち寄せる
波もあれば
ゆったりとした 波もあります
波の山から山の長さは 波長と呼ばれ
波の来る頻度が
周波(振動)数です
海に浮かぶボートの上で
波に揺られているとしましょう
波の波長が長ければ
ボートはゆったりと上下に揺れます
周波数の低い揺れです
でも波長が短く
波の間隔が狭ければ
ボートは上下に揺れ続け
周波数が高い揺れになります
いろいろな光も全て波で
波長や周波数が違うだけです
波長や周波数から
その光の持つ
エネルギーの量が分かります
波長の長い波のエネルギーは低く
波長の短い波のエネルギーは高いのです
こう覚えると簡単です
ボートに乗っていて
折り重なるような波の来る
荒れた海では
必死に物が海に落ち込まないように
押さえるのに忙しく エネルギーを使うでしょう
でも 波長の長い波ならば
ゆらゆら揺れながら リラックスし
エネルギーも使いません
光の持つエネルギーの大きさが
物質に与える影響を左右します
例えば 目の細胞を見てみましょう
物が見えるのは 光のエネルギーが
目のセンサーを刺激するからで
この部分は網膜と呼ばれます
網膜が感じられる光の
エネルギー領域は とても狭く
この領域にある光が「可視光」です
網膜には2種の特別なセンサーがあり
これらは 杆体(かんたい)と錐体(すいたい)と呼ばれます
杆体は明るさを感知して
明暗の認識に役立ちます
錐体は光の色を識別します
それぞれの錐体は
特定の光エネルギーに 敏感に反応します
波長の長い低エネルギーの光に 敏感な錐体もあれば
波長の長い低エネルギーの光に 敏感な錐体もあれば
波長の短い高エネルギーの光に 敏感な錐体もあります
波長の短い高エネルギーの光に 敏感な錐体もあります
光が目にあたると
それぞれの錐体が 感じるエネルギーの量が
脳に伝わり その組み合わせが 色として認識されます
私たちが見る虹は
可視光が持つエネルギーの 大きさの順に並んだものです
虹の一方の端は
低いエネルギーの赤
反対側の端には高いエネルギーの
青があります
目に当たる光が
網膜の感知できるエネルギー領域の外なら
見ることができません
波長が短かすぎ エネルギーが大きすぎると
光は目の表面で吸収されてしまい
網膜には届きません
波長が長すぎると 網膜が感じるには
波長が長すぎると 網膜が感じるには
エネルギーが足りません
光の種類を決めるのは
波長の違いだけなのです
ラジオ波の波長は長く
X線の波長は短いですが
人間の目で見れる可視光は
この中間にあります
可視光の領域の外側にある
光は見ることができませんが
特別なセンサーがあれば
このような波長の光を
捉えることができます
デジタルな目のようなものですが
このような装置があれば
肉眼では見えない光を
見ることができます
一歩下がって
これをまとめて考えてみましょう
全く違うもののようですが
焚き火の上にかざした 手の感じる暖かさは
天気の良い日に降り注ぐ 太陽の光と同じです
天気の良い日に降り注ぐ 太陽の光と同じです
日焼けや他の健康問題を起こす 紫外線や
日焼けや他の健康問題を起こす 紫外線や
テレビやラジオ
テレビやラジオ
電子レンジとも同じなんです
このような光は地球上で
日常 身の回りにありますが
さらに びっくりするのは
宇宙からも 幅広い いろいろな光が届くことです
夜空を思い浮かべると
肉眼で見ることのできる
キラキラ輝く星を想像するでしょう
でもこれは 可視光の部分だけ
つまり 幅広いスペクトルの
ほんのわずかな部分です
宇宙の絵を描くときに
可視光だけしか使えなければ
たった一本のクレヨンで描くような
つまらない絵に なってしまいます
幅広い波長帯の宇宙の光を見るには
それぞれの光に適した目が必要です
特別な望遠鏡を使って
可視光以外の光も見る必要があるのです
ハッブル望遠鏡は有名です
ハッブルの撮影した
美しい可視光線や紫外線の写真も 公開されています
でも 地球の軌道上に
20もの望遠鏡があり
それぞれ 特定の波長の光を
観測していることは あまり 知られていません
宇宙や地上にある このような望遠鏡を使って
宇宙や地上にある このような望遠鏡を使って
見られるものは 本当に素晴らしいものです
さらに うれしいことに
どんな波長やエネルギーのものでも
宇宙の彼方から届く光も
この地球で経験し研究できる
光と同じなんです
X線 紫外線やマイクロ波の
X線 紫外線やマイクロ波の
物理特性が わかっているので
物理特性が わかっているので
遠くの星や銀河の光を見て
そこで何が起こっているのか
知ることができます
これからは 毎日の生活の中で
目で見えるもの以外の ことも考えてください
自然界の知識を少し広げるだけで
身の回りの様々なことを
理解する糸口になります