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アーサー・コナン・ドイル原作
驚くべき冒険とロマンスの物語
失われた世界
ロンドン・記録ジャーナルのオフィスにて
真っ当なアドバイスがほしい チャレンジャー教授が訴えると脅すのだ
恐竜が生きてるなどという彼のホラ話を 我が誌が疑問に付したからだ
チャレンジャーはいかれている
今日インタビューに送った3人の記者は 半殺しの目にあった
マカードルさん 僕を危険な任務に就かせてもらえませんか?
僕にはチャンスこそがすべてなんです
チャレンジャーにインタビューしてたかね?マローン
謝らんでいい さっさと動物学会館まで行って チャレンジャーの講演を取材してこい
記者は閉めだされている だが 潜りこめ
ジョン・ロクストン卿 有名なハンターで探検家
チャレンジャーのデタラメ話を 調べようとここへ訪れる
さて マローン君 今夜はにぎやかな会議が期待できそうだぞ
学生どもがチャレンジャーじいさんを 質問攻めにしようと大勢押しよせている
チャレンジャー教授は世間の笑いものになってますよ 恐竜が生きているなんて話を吹聴するとは
そんな嘘で彼は何を得られると期待してるんでしょうか?
アマゾン奥地には5万マイル以上の未踏の水路がある
そのジャングルで生息する生物については誰も言えんよ ヨーロッパ全体と同じくらい広いのだ
記者は閉めだされているんです 記者のパスを提示すれば追いだされるでしょう もしあなたの…
これ幸い 私のパスで入ろう
あれはサマーリー教授 著名な昆虫学者だ
証拠が欠けているため 学会はチャレンジャー教授の主張を支持できません
しかし彼が真実を述べるために この機会が与えられたことを喜ばしく思います
我々は信頼しています 彼が身の潔白を証明すると
マストドンを連れてこい! マンモスを連れてこい!
そうするつもりだ 君らが弱虫などではなく
怪物たちが生息している道なきジャングルに 私とともに戻れるほど勇敢だったらな!
チャレンジャーじいさんは真剣だといったろ
私が今夜ここにいるのは 私の主張を擁護するためではない
だが 私と共に「失われた世界」に戻るため その委員会結成を要求するため ここにいるのだ
私は60に近い歳だ だがしかし それゆえ君は嘘つきのペテン師だと思ってもいる
貴君の挑戦 受けてたとうじゃないか!
私は学生でも科学者でもない だがその挑戦 乗ろう
我が友人ジョン・ロクストン卿も受けてたった
大探検のハンターである君の実績は 証言に重みを加えるだろう 我々が帰還した際には!
チャレンジャー教授 僕もこの探検に行きたいです!
おつむは子どものようだが… 体はスポーツ選手のようだな
いいだろう 君の名は?
エドワード・E・マローンです
それで君の職業は?
ぼ 僕は あ あ えー ああ…記者です ロンドン・記録ジャーナルの
家に向かってくれ これでもう十分だ!
エンモア公園11番地 西ケンジントンだ
チャレンジャー教授 僕はこの探検にいかねばならないんです!
婚約者が僕が死に直面するとかしないうちは 結婚したくないというのです
この人が僕を襲ってきたんです
この男を警察に引き渡しますか?
いや 僕にも責任があります 僕が彼の家に押し入ったんです
教授 僕たち正気のまま この探検について話せませんか?
ジョン・ロクストン卿は僕の友人の一人なんです
なぜそれを先にいわない
座りたまえ!
オースティン!
すぐに会いたいとミス・ホワイトに伝えてくれ!
マローン君にあの日記は見せたか?
ミス・ポーラ・ホワイト 君が手にしているノートの持ち主 不運な探検家 不幸なメイプル・ホワイトの娘だ 59 00:16:08,500 --> 00:16:13,000 ミス・ホワイトは父上の熟練した助手でもあった
なぜ彼女が私のもとに来たか彼女が君に話してくれるだろう
私はジャングル熱でキャンプにいたんです 父があの恐ろしい高台を探検していたとき
肉食恐竜アロサウルス.
もうすでにほとんどが外にいるのは明らかだ 草地でも何匹か見かけた
生きたブロントサウルス
すると何百年も前に死んだとされる この怪物たちの生き残りを
実際にあなたは見たってことですか?
ええ とても巨大で凶暴でした
ポーターたちはもとの海岸まで私を連れて戻ると 恐れをなして何もかも見棄てていったのです
高台にこの怪物たちと一緒に父を置きざりにしたまま
教授は行くつもりなんです 私たちが見たものにもかかわらず
夫は救援隊のため資金を集めると約束したのです
けれども 助けようとする人々を捕まえないで
家から放り出してしまうのです
いい これはとても興味をそそる記事になりますよ
それに たとえあなたの主張の学術的価値を うちの誌が確信しなくとも
独占公開の権利でなら 救援隊を集めるために出資してくれるかもしれません
もしジョン・ロクストン卿が僕と一緒に行くなら
うちの編集長もこのことをわかってもらえると思います
君はわかっているね なぜ私がこの救援隊に参加するかを
ポーラ わかっているね?
ロンドン記録ジャーナル
探検隊 文明側最後の前哨基地に到着
ロンドン・記録ジャーナル隊 迷子の科学者を探し求め 秘密の河を渡り 謎の世界を往く
数ヶ月は音信不通か
あれがブラジルのナマケモノです いつも頭を下にして歩くのです
母親にしがみつく赤ん坊を見てごらんなさい
親愛なるマカードル氏へ カヌーを送りかえしてから三週間になりました。
そして今夜 僕たちはホワイト氏が置きざりにされた 大きな高台を狙う基地でキャンプをしています
チャレンジャー教授がこの場所に僕たちを案内し 高台が存在する事実が証明されました
とはいえ 怪物たちがここをうろついているという 信頼しうる根拠は何もありません
実際 僕もいるとは思いません
彼らは小グマじゃない これでもすっかり成長している 見世物用のクマなんだ この広いキャンプのお仲間だ
ポーラがいうにはお父さんはあの頂上の木を一本切り倒して あの谷間を渡る橋を架けたそうだ
まだその老木の切り株が見られる
朝になったら頂上に登って別の木を切り下ろそう
プテロダクティルだ! 哀れなホワイト氏の日記の記述は 紛れも無い真実だと証明された!
ブロントサウルスだ 単に葉を食べているだけだ
まったく無害だ 踏みつけたりしない限りは
なんてこった! 我々はもう戻れないぞ!
まさにホワイト氏と同じ囚人だ!
何を考えているんですか ポーラさん 僕たちがいるこの失われた世界で
父がまだ生きていたらと考えていたんです
父なら私たちの火がわかるだろうし 私たちのところに来るはずです
アロサウルス 肉食だ 古代世界で最も凶暴な厄介者だ
おサルさん ポーラ嬢ちゃんいねえもんで さびしくてここさ降りてきたかもしんねえだな
こいつ今朝もポーラ嬢ちゃんひっ捕まえようと あのどでかい岩さ登ってただよ
目んたまなかポーラ嬢ちゃんいねえと我慢できねえだな
ひとつ考えがある 食事のあと テントにみんなのハンモックを持ってきてほしい
今や我々はこの洞窟を見つけた 人生の残りをここで生活できるだろう
我々に恐竜をやっつけられる なにか武器があればな
今私はそういう武器を考案中だ
木をひっぱり離すと 激しい力で元に戻ろうとする
それで岩を空中に強くほうり投げるのだ
あんたの降りるはしごは 一晩がかりでこしらえて朝になんねえとできねえだよ
結構だ!しかしいったいどうやって 私たちのところまではしごを届かせようというのだ?
ミス・ポーラにサルを呼ばせれば なにがなんでもやつは彼女を捕まえようと登っていくさ
この上にあるのは小さな洞窟がひとつだけです
しかしお父上はこの高台のどこかにいるに違いありません
脱出するのは不可能です
私たちもずっとここにいる運命ということ?
どこにいたって同じことじゃないですか ポーラ 僕たちさえ一緒なら
でもあなたとグラディスさんとの婚約は?
ああポーラ 僕たちは あの世界からも その義務や約束からも切り離されているんです
月の上にいるように
サマーリー教授に 僕たちの結婚式を頼むつもりです
ほら彼は以前牧師だったでしょう
教授を探しに行ってきたまえ 私はポーラに伝えることがある
素晴らしい標本だ! そっと跡をつけて奴の習性を観察しよう!
でももう何時間もたってるわ あの人たち遭難してないかしら
戻ってきたとき彼らにトンネルの入り口への道を教えるため 私たちはここにいないといけない
それだけが彼らの脱出の希望なのだ
教授とマローンさんは無事よ! 1分か2分でここに来るわ!
ああ あの泥んこなら たしかに捕獲できんかもしんね
私はブラジルの測地調査所の ヒバード少佐です
昨日あの高台の上に もうもうとした煙を見ました
それで私たちは相当なねずみを いぶりだしたのだよ 少佐!
ロンドンにあの恐竜を持っていくためなら 私の全財産を出そう 生きたままでだ
この川を掘りだすための人を送ろう そして鉄の檻といかだを作るのだ
それで来月になり大雨が降れば 我々は君の”ねずみ”を浮かべて出せるかもしれん!
後日 ロンドンにて
エドワード・マローン氏だ 彼はこの探検を通して尽力し 出資にも尽力してくれた
彼は今 我々がチャーターした船から その怪物を降ろす作業を監督している
待ち望んでいた連絡がきました!
すぐにお知らせします いつどこでブロントサウルスを公開するかを!
ドックの上にあるケーブルが壊れていて 檻を揺らしてしまい
檻が落ちて壊れてしまったんです それで恐竜が逃げだしてしまったんです!
恐竜は荒れ狂い走り回っていて 街は大混乱です!
ブロントサウルスが逃げました!
恐竜を再び捕まえるまで 街には近づかないでください!
これは非道い 我々をまたかついだのか
チャレンジャーは街を追放すべきだ!
あれはジョン・ロクストン卿 ハンターだ
完