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おはよう。 美しい朝だね。
スティーブ・フリックホルムです。
ハーマンミラーにきて42年になります。 ヴァイス・プレジデント兼
クリエイティヴディレクターですが、社員には私はただ
グラフィックデザイナーだといっています。
ミシガン州グランドラピッズ
中心部から20分の、ベルモントの家にいます。
ここは静かで落ち着いています。春には鳥の鳴き声が聞こえます。
冬になると30センチほど雪が積もり、
星が見えます。
最高の北斗七星が見える。
馬が好きです、
馬糞を広げるのは
別だけどね。
オフィスとはまったく違う。
朝は静かで、
気持ちがすっきりします。
解決できていないデザインの問題を抱えているときは、
ぱっとひらめくことがよくあるね。
ひと息入れるからこそ、
気持ちを
リフレッシュして
生まれ変われるからね。
ハーマンミラーに入社したのは1970年で、
最初は社内の
グラフィックデザイナーでした。
簡単にできることも、
難しいことも、
時間がかかることも、完成できなかったこともあります。
率直にいうと、だれでも引き出しの中に人には見せたくないものをしまっているし、
一方では博物館のコレクションに
収蔵された作品だってあります。すごいでしょう。
グラフィックデザイナーとしての私の作品は、
ビデオ以外は動きません。
舞台芸術が
うらやましい。
音楽も
動きも
照明も色彩もあって
動きは止まることがない。
ダンサーのみなぎる情熱、
技術、能力。
どうやってあんなことをするのでしょう?
オフィスで1度試してみました。尻もちをつくところでしたよ。
昔、舞台の袖から演技を見せて
もらえるよう頼んだことがあります。
裏側から見るのはおもしろかったですよ。
別の見方ができますからね。
サイドから
の照明があんなにまぶしいとは思いませんでした。
それがバレエを見た時の感想です。
どきどきしましたね。
馬を飼うつもりなんて、
なかったんですよ。
バレエに興味をもつなんて思ってもなかった。
でもそうなったんです。
プロプストの言葉を借りると、思いがけない体験でした。