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フェラーリ-F1の歴史を彩ってきたマシンたち
この64年間でもっとも多くのタイトルを獲得してきた
「これはフェラーリにとって最高の勝利だ」
しかし、状況は変わってしまった- 最近では常に2番に甘んじている...
フェラーリとしては、今こそ状況を立て直す時期だ
新たな栄光の時代のために
F1は昔とはすっかり変わろうとしている
エアロダイナミクス、すべてが変わろうとしている
燃料も、より軽量な新製品が求められるようになるだろう
「エンジンの性能にとって燃料の果たす役割は 本当に大きくなりつつある」
「誰もがF1の新時代を予感している」
なかでも、エンジンの変化は著しい
2.4リッター自然吸気V8エンジンは、
1.6リッターV6パワートレイン・ターボチャージャーに 取って代わられ、
エネルギー回生システム(ERS)を備えるに至った
再び勝利を手にするための道筋は示された
過去3年間、すべてはこのために
人間としての限界に挑み、
科学を極める夢をめざして。
HORSE POWER
北部イタリアの街マラネロ、ある誕生とともに物語は始まる
2013/04/15
フェラーリの新V6エンジンの音がはじめて響きわたった 記念すべき日だ
まさにあるべきものが生まれた日、 ごく少数の関係者だけが見守るなか...
未来に向けてのカウントダウンが始まった日
勝利のファンファーレこそなかったが、ミュージックはあった
3年におよぶ苦闘が奏でるシンフォニーが...
2013/11/01
従来のV8エンジンで行われる最後の世界選手権...
セバスチャン・ベッテルとレッドブルが4連覇を達成...
フェラーリのドライバーにとっては辛いシーズンとなった
フェラーリ ファミリーの誰もが悩み、苦しんだ...
「2013年を総括する言葉はない。 結果に満足しているものは誰もいない」
「できるだけ早く忘れ去ってしまいたいシーズンだった」
「フェラーリであるということは、勝利しかないということだ...
...2位というのはフェラーリのポジションではない」
エンジンには、燃料とオイルが必要である。
ドイツ、ハンブルク
シェルのF1用燃料に含まれているコンパウンドの99%以上は、
どこでも購入できる公道用燃料に使われているのと 同じタイプである。
「新レギュレーションは、燃料の概念を根本から変えてしまった」
「燃料はエンジンの性能にとって、 きわめて大きな意味をもつようになりつつある」
「FIAは、1レースで使用できる燃料を100kgまでに制限した」
「燃料消費量を今までと比較して30%以上削減するためだ」
「これによって、来年のレースにおける燃料戦略は...」
「...レースによっては、勝敗を制するものとなるだろう」
「私たちは、エンジンを一新させ、 パワートレインも一新させたが...」
「いずれも最新鋭のテクノロジーだ」
「信頼性がカギを握っている。
ドライバーは1シーズンに5台のパワーユニットしか もてないことになった。
つまり、エンジン寿命が現在の約2倍になる必要が あるということだ」
「15,000RPMの回転で600馬力を超す
ターボチャージャーは、摂氏1000度でも作動して、
最大125,000RPMで回転できるようになっている- つまり1秒当たり2000回転するということだ。
信じられない数字だ...
そしてオイルはこうした状況すべてに 対応できなければならない。
オイル交換まで約4000キロ走るのだから。
これは記念碑的な仕事だ。考えてみれば、
性能を落とすことなく、耐久性と安全性を 高めなければならないのだから。
そういう状況だから、シェルのオイル担当者にとっては、 本当に厳しいチャレンジだったのだ」
「私たちは、もっとも重要なチャレンジに直面している...
F1の世界では、この20年間でもっとも厳しいチャレンジだ」
イタリア、マラネロ
完璧な燃料とオイルがブレンドされている間に、
まったく異なる相性のテストを実施するときがきた。
2013/12/13
これは温度を上げて、パルスを速める
実験となるだろう...
フェラーリの誇りある歴史、
そして未来-
500万ユーロの価値があるバーチャルレーシング、
2トンの重さのシミュレーター...
今晩のドライバーは、フェルナンド・アロンソ...
スペイン人が新型車の運転席に乗り込むのは、
-バーチャルバージョンであっても- 初めてのことだ。
彼のレースエンジニア、アンドレア・ステラが 注意深く見守っている...
このシミュレーターによって、 ドライバーは新しいシステムや操作方法になれることができる。
これから始まる新シーズンには新しいことが 山ほど待っているのだ。
抜本的な変更が実施させるシーズン...
膨大なデータを収集して、 それを集計、分析しなければならない...
だが、データには表れないドライバーの タッチアンドフィールの問題もある...
ドライバーの前も後も、すべてがこれまでとは違ってくる
エンジニアリングやデザインは、
それをコントロールする人と融合する...?
...とにかく、これらすべてがこれまでにないもので、
神経を逆なでするような時間を過ごすことになる...
これは、まったく新しいドライビング経験
計器盤から、マシンの直線性能、コーナリングまですべてが...
フェルナンドは、これまでよりも30%も少なくなる
搭載燃料をやりくりする方法...
...そしてエネルギー回生システム(ERS)を いつどのように使うかを学ばなければならない。
このERSは、ラップタイムを3秒縮める効果を発揮できるはずだ...
スペインのヘレスへ出発するまで、
そして実地テスト走行するまであと1カ月しかない...
「また運転席に座れるのはすばらしいことだ。
レギュレーションが変更になったからといって、 そんなに待たされるのはごめんだ。
運転席に戻って、エンジニアたちとアイデアを 出し合うことができるのはすばらしいことだ。
いずれにせよ、多くのことを学び、 練習しなければならないことははっきりしている。
最初の段階から関われることはすばらしいことだ...
誰にとっても新しいF1になったようだ」
フェラーリを駆って世界タイトルに輝いた男が戻ってきた。
キミ・ライコネン、フィンランドのアイスマンだ。 ゆっくりと入口をくぐる...
ちょっとした懐かしさを覚えつつ...伝統ある倉庫で...
「変わらないな、うん...色は昔とちょっと違っているか...
これはそうじゃなかった-いいマシンだった、 これで良い成績をあげたんだ-いま見てもいいマシンだ」
「フェラーリに復帰して、またみんなと一緒にやれるのは すばらしいことだ」
南スペインでのテスト走行が迫ってきた...
ドライバーたちが新型フェラーリの性能を試す前に、
マラネロで行う最後の仕上げが真っ盛り。
...真新しいF14T...
...夜を日に継ぎ、作業が続く。 予備テストプロジェクトを終了して、
細かい部分の最終調整をして、
長く続いた複雑なプロセスも最後の仕上げを終えて、 いよいよ引き渡しだ。
有名なレッド、ロマンチックなロッソ
100%純正のフェラーリ...
F14T、未来への希望。
マラネロで、ハンブルクで、多くの情熱と頭脳を結集した
努力の結晶である。
さあ、厳しい作業の成果をテストに回すときが来た。
ヘレスとバーレーンは、これまで積み重ねてきた
進歩を試す性能試験場だ。
これまでもテストを重ねてきたが、 パワーユニットは信頼性を失うことはなかった:
作業期間中の走行で得た貴重な経験の数々。
この共通の目的に献身した人々が共有する連帯感は 強いものがある。
「フェラーリで働くということは、 情熱をもってはたらくということだ。
私たちは、この会社の一員であり、スポーツのために 働けることを本当にラッキーだと思っている...
私たちはフェラーリで働くことを、本当に楽しんでいる」
「この数カ月のことを想い出しているところだ。
チーム全員がそれまでに達成することができたことに対して
信じられないほど誇りに満ちていたことは疑いない」
3年間の話になると、これはもはや冒険だった...
パートナーとして、自由な発想を出す地点に到達し、
科学的で明快な判断を持って、
夢とエンジニアリングを持って、
F1の新時代を開くスターティンググリッドに立った
...だが、それはいかなる意味においても、 ほんのスタートに過ぎない。
次には何がまっているのだろうか?
「これまでF1では使われたことのないマシンと テクノロジーを開発することは、
12日間のテストで実感したのだが、 じつにすばらしい仕事だった」
「まだまだ改良すべきところはたくさんあると思うが、
これからどれほど早くこのマシンと取り組んで改良するかを 知ったら、 皆さんはさぞかし驚くことだろう」
「私たちはチャンピオンシップをめざす戦いをしている。
私たちの目ざしているのは、F1の世界選手権であり、
私たちが望むものはほかにはない。 嘘偽りなく、ほかに欲しいものはない。
私たちはフェラーリであり、 つねに最高の栄誉を勝ち得なければならない。
私たちに対する期待は大きいが、 それに応える心づもりはつねにできている」
ライトが消えると、
退屈を知らないシンフォニーが始まる。